62 / 106
2章〜光は明日を照らし、鬼は大地を踏みしめ、影は過去を喰らう〜
62話「罪深きゲッケイの落とし子3」
しおりを挟む
「殺人鬼⋯⋯『ゲッケイ』?」
レイジ は全く聞いたことのない人物の名前につい聞き返してしまった。勇者の仲間と言うのだからもっと名誉ある名前が出てくるかと思えば犯罪者の名前なのでいっそう不思議であった。
「そう、他にできそうなのは勇者パーティーなら賢者くらいだね」
「まぁ、賢者にしろその『ゲッケイ』にしろ マーダ は偽名と見た方がいいのか?」
「その可能性は高いと思うよ。実際、ステータス以外では簡単に名前なんて変えられちゃうから」
「『ゲッケイ』⋯⋯な」
レイジ は ゼーレ達から視線を外しカプセルの中で眠る エイナ を見た。
ゲッケイという人物がどんな人間であるかはさておき、エイナに呪印を施したのはマーダである可能性が高いことは否定できないのは事実だ。
「何にしろ マーダ を殺さないと エイナ は目覚められない」
「そうだね」
レイジ の中では確定した事だった。
元同族である人間を殺すことに全く忌避感を感じないほどに レイジ の中で エイナ の存在は大きかった。
「⋯⋯もし、このまま地球に戻ればどうなると思う?」
レイジ はふと思った疑問を ゼーレ にぶつけた。ゼーレ は少し考えるそぶりを見せた後口を開いた。
「⋯⋯難しい話だね。ゼーレにもどうなるかわからないよ。ただ——」
「⋯⋯?」
「——術者から離れすぎて効果が薄れる、ってことはあるかも」
最悪の事態、マーダ の殺害に失敗した結果 エイナ が一生眼を覚ますことができないという危機感を少しでも拭えた レイジ の表情は僅かだが和らいでいた。
「はぁ、一応それも検討するが外に出て探した方がいいかもな」
「そ、それってダンジョンを放棄するってことになるんだよ!?」
何気ないレイジの発言にゼーレは急に立ち上がる。そこには滅多に見せない焦燥と恐怖で包まれたゼーレがいる。あまりの急展開にレイジも驚きながら聞き返す。
「で、できないのか?」
「お兄ちゃんとゼーレ だけなら外には出れるよ。でも⋯⋯もし、他の子達が外に出たら——」
「——ッ!?」
背筋が凍った気がした。唐突に ゼーレ の瞳から光が消えたのだ。
その眼は レイジ が下手な発言をするなら全てを否定することを物語っている様で——
「——皆んな⋯⋯狂っちゃうよ?」
——そう一言を告げた。
冗談なんかではないのはすぐにわかった。レイジはゴクリと生唾を飲み込むゆっくりと口を開いた。
「⋯⋯く、狂っちゃうってどういうことだ?」
「そのままの意味だよ? 『突発的魔物発生現象』って言われることもあるかな?」
ゼーレから語られる新たな用語にレイジは嫌な予感を感じた。突発的魔物発生現象と呼ばれる現象が何を示しているかわからないが、ゼーレから放たれるプレッシャーに言葉尻が上がってしまう。
「そ、それはつまり⋯⋯?」
「みーんな理性を失ってただ暴れる存在になる、かな?⋯⋯お兄ちゃんはそんなこと望まないヨネ?」
「あ、当たり前だ!」
「ヨカッタ、ヨカッタよ、お兄ちゃん⋯⋯」
突発的魔物発生現象という現象の恐ろしさは予感通り嫌なものであった。しかし、今目の前にいるゼーレからはさらに嫌な感じが拭いきれない。内心では、本当に今まで一緒に過ごしてきたゼーレなのかと疑ってしまうほどだ。
「⋯⋯だが、それだと直接は探しに行けないのか?」
「言ったヨネ? お兄ちゃんと ゼーレ だけなら行けるよ?そんなにお兄ちゃんは ゼーレ と一緒が⋯⋯イヤ?」
「あ、いや、そうじゃない。俺だけだと戦力が不安だろう」
「デモ、ダメ。出て行くならお兄ちゃんと ゼーレ だけ。コレはゼッタイ、絶対なんダヨ?」
「わ、わかった。なら、俺が強くなってからにしよう!」
「⋯⋯うん!そうしよ!」
ゼーレ は レイジ の回答に満足が言ったのか先ほどまでの雰囲気はかけらもなくいつもの少女らしいものに戻っていた。あまりに変わり身の早さにレイジ自身が追いつけていない。
「そうだね! いやー、お兄ちゃんに守られながらの旅かー。騎士に守られるお姫様的な? なんか考えただけでワクワクするね?お兄ちゃん!」
「あ、ああ⋯⋯」
「「⋯⋯」」
嬉しさで口元が緩んでいる ゼーレ に レイジ はある種の危機感を感じ、パンドラ と レイス もまた別の危機感を感じていた。今まで見たことのないゼーレの裏側に潜んでいたかのような存在にただただ恐怖が植え付けられた気分だ。
「⋯⋯先輩ヤベーっすね」
しかし一方で、以前もそんな光景があったんだろうな、と楽観している ハクレイ は一人だけ危機感を感じていなかった。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「ますたー、なまえ⋯⋯ちょうだい⋯⋯!」
朝昼夜、いつの間にかどの時間帯に食べているかわからない食事を終えた レイジ に レイスが駆け寄ってきた。進化する前より流暢な話し方で、進化する前より甘えた様子でやってきた。
「な、名前?」
「うん⋯⋯なまえ⋯⋯ますたー、が⋯⋯すきな⋯⋯なまえ⋯⋯ほしい」
何故かちょっとイケナイ雰囲気を出しながら無表情で迫る少女に レイジ はたじろいでいた。そして、狙った様に各々が集まり始める。
「そっかそっか、レイスちゃん進化したんだったんだね!遅くなったけどおめでとー!」
「ありがとう⋯⋯おねえちゃん」
見た目が真逆の2人が姉妹を語ると違和感を感じるが、見た目が変わる前から見ていたレイジ達からすれば日常に少し色が着いた程度でしかなかった。
しかし、見た目が変わる前を多くは知らないハクレイからすれば格好のネタになる。
「『おねえちゃん』っすか⋯⋯成る程っす、コレで完全に理解したっす!」
「一体何を理解したんだ?」
「ゼーレ先輩がこのダンジョンの家系とか握るオカン——つまりこれがオカン天下ってヤツっすね!」
「お前どこでそんな言葉覚えたんだ!?」
ハクレイ はビシッと決めポーズを取りながらそう言った。さながら犯人を追い詰める名探偵の推理にようだ。
「オ、オカン⋯⋯お母さん!? それはつまり⋯⋯ゼーレとお兄ちゃんと結婚!?」
「待て待て待て、何言ってんだゼーレ?!」
「そ、そうですわ! あ、ああ貴方様はそ、そんなことしませんわ!」
「おお! パンドラ⋯⋯!」
ハクレイの迷推理にゼーレが妄想の世界へ突入する。そんな中、パンドラの助け舟はレイジにとって救世主にすら思えた。これで事態は収集できる、そう思っていたが——
「わ、私が相手になるんですわ!」
「お前も何言ってんの!?」
——事態はさらなる悪化を予想させる。
そして、パンドラの同乗によりハクレイの迷推理はさらに加速する。
「何すかここは!? 昼ドラだったんすか!?」
「いやだから何でそんな言葉知ってんだよ!?」
「この前てれび? で見たからっす」
「ゼーレッ!?」
「知識をつけるのは大事だよ!」
「そんな知識いら——」
加速した迷推理と妄想の世界は誰にも止められない。
半ば諦めいていたところ、レイジ達に強烈な寒気が襲う。死が差し迫ってきたかのような強烈な寒気。一瞬にして全員が夢の世界から現実に引き戻される。
「「「「——あ」」」」
「⋯⋯⋯⋯」
いつもより長い沈黙。
その沈黙の背後には低音の地響きがする程に怒りを表している レイス がいた。
「あ、あの⋯⋯レイス⋯⋯さん?」
「なまえ⋯⋯ちょうだい⋯⋯いますぐ⋯⋯」
「い、今すぐ!?」
「じゃないと——」
そう言って現れたのは二本のククリナイフ。
その毒毒しい刃は レイス の心情を物語っているのか一段と煌めいて見える気がする。
「——ますたー、を⋯⋯ますたー、の⋯⋯て、とか⋯⋯あし、とか⋯⋯切って⋯⋯私だけを⋯⋯みさせる⋯⋯よ?」
その目は笑っていなかった。
そもそも、レイス の表情は変化していなかった。ただ、レイジは悟った。
(コレ本気のやつだ⋯⋯!)
これ以上待たせれば自分の寿命は待ってくれない、そう悟らせるには十分な物だった。
「あ! ゼーレは急用思い出したから!」
「そうっす!自分も エイナ先輩のお世話する必要あるっすから!」
「あ、わ、私も!」
「あ、おいお前ら!」
「ますたー⋯⋯?」
その後、少女が納得⋯⋯ククリナイフを納めてくれるのに レイジ は小一時間を使った。その間、レイジを助ける者は1人もいなかったと言う。
レイジ は全く聞いたことのない人物の名前につい聞き返してしまった。勇者の仲間と言うのだからもっと名誉ある名前が出てくるかと思えば犯罪者の名前なのでいっそう不思議であった。
「そう、他にできそうなのは勇者パーティーなら賢者くらいだね」
「まぁ、賢者にしろその『ゲッケイ』にしろ マーダ は偽名と見た方がいいのか?」
「その可能性は高いと思うよ。実際、ステータス以外では簡単に名前なんて変えられちゃうから」
「『ゲッケイ』⋯⋯な」
レイジ は ゼーレ達から視線を外しカプセルの中で眠る エイナ を見た。
ゲッケイという人物がどんな人間であるかはさておき、エイナに呪印を施したのはマーダである可能性が高いことは否定できないのは事実だ。
「何にしろ マーダ を殺さないと エイナ は目覚められない」
「そうだね」
レイジ の中では確定した事だった。
元同族である人間を殺すことに全く忌避感を感じないほどに レイジ の中で エイナ の存在は大きかった。
「⋯⋯もし、このまま地球に戻ればどうなると思う?」
レイジ はふと思った疑問を ゼーレ にぶつけた。ゼーレ は少し考えるそぶりを見せた後口を開いた。
「⋯⋯難しい話だね。ゼーレにもどうなるかわからないよ。ただ——」
「⋯⋯?」
「——術者から離れすぎて効果が薄れる、ってことはあるかも」
最悪の事態、マーダ の殺害に失敗した結果 エイナ が一生眼を覚ますことができないという危機感を少しでも拭えた レイジ の表情は僅かだが和らいでいた。
「はぁ、一応それも検討するが外に出て探した方がいいかもな」
「そ、それってダンジョンを放棄するってことになるんだよ!?」
何気ないレイジの発言にゼーレは急に立ち上がる。そこには滅多に見せない焦燥と恐怖で包まれたゼーレがいる。あまりの急展開にレイジも驚きながら聞き返す。
「で、できないのか?」
「お兄ちゃんとゼーレ だけなら外には出れるよ。でも⋯⋯もし、他の子達が外に出たら——」
「——ッ!?」
背筋が凍った気がした。唐突に ゼーレ の瞳から光が消えたのだ。
その眼は レイジ が下手な発言をするなら全てを否定することを物語っている様で——
「——皆んな⋯⋯狂っちゃうよ?」
——そう一言を告げた。
冗談なんかではないのはすぐにわかった。レイジはゴクリと生唾を飲み込むゆっくりと口を開いた。
「⋯⋯く、狂っちゃうってどういうことだ?」
「そのままの意味だよ? 『突発的魔物発生現象』って言われることもあるかな?」
ゼーレから語られる新たな用語にレイジは嫌な予感を感じた。突発的魔物発生現象と呼ばれる現象が何を示しているかわからないが、ゼーレから放たれるプレッシャーに言葉尻が上がってしまう。
「そ、それはつまり⋯⋯?」
「みーんな理性を失ってただ暴れる存在になる、かな?⋯⋯お兄ちゃんはそんなこと望まないヨネ?」
「あ、当たり前だ!」
「ヨカッタ、ヨカッタよ、お兄ちゃん⋯⋯」
突発的魔物発生現象という現象の恐ろしさは予感通り嫌なものであった。しかし、今目の前にいるゼーレからはさらに嫌な感じが拭いきれない。内心では、本当に今まで一緒に過ごしてきたゼーレなのかと疑ってしまうほどだ。
「⋯⋯だが、それだと直接は探しに行けないのか?」
「言ったヨネ? お兄ちゃんと ゼーレ だけなら行けるよ?そんなにお兄ちゃんは ゼーレ と一緒が⋯⋯イヤ?」
「あ、いや、そうじゃない。俺だけだと戦力が不安だろう」
「デモ、ダメ。出て行くならお兄ちゃんと ゼーレ だけ。コレはゼッタイ、絶対なんダヨ?」
「わ、わかった。なら、俺が強くなってからにしよう!」
「⋯⋯うん!そうしよ!」
ゼーレ は レイジ の回答に満足が言ったのか先ほどまでの雰囲気はかけらもなくいつもの少女らしいものに戻っていた。あまりに変わり身の早さにレイジ自身が追いつけていない。
「そうだね! いやー、お兄ちゃんに守られながらの旅かー。騎士に守られるお姫様的な? なんか考えただけでワクワクするね?お兄ちゃん!」
「あ、ああ⋯⋯」
「「⋯⋯」」
嬉しさで口元が緩んでいる ゼーレ に レイジ はある種の危機感を感じ、パンドラ と レイス もまた別の危機感を感じていた。今まで見たことのないゼーレの裏側に潜んでいたかのような存在にただただ恐怖が植え付けられた気分だ。
「⋯⋯先輩ヤベーっすね」
しかし一方で、以前もそんな光景があったんだろうな、と楽観している ハクレイ は一人だけ危機感を感じていなかった。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「ますたー、なまえ⋯⋯ちょうだい⋯⋯!」
朝昼夜、いつの間にかどの時間帯に食べているかわからない食事を終えた レイジ に レイスが駆け寄ってきた。進化する前より流暢な話し方で、進化する前より甘えた様子でやってきた。
「な、名前?」
「うん⋯⋯なまえ⋯⋯ますたー、が⋯⋯すきな⋯⋯なまえ⋯⋯ほしい」
何故かちょっとイケナイ雰囲気を出しながら無表情で迫る少女に レイジ はたじろいでいた。そして、狙った様に各々が集まり始める。
「そっかそっか、レイスちゃん進化したんだったんだね!遅くなったけどおめでとー!」
「ありがとう⋯⋯おねえちゃん」
見た目が真逆の2人が姉妹を語ると違和感を感じるが、見た目が変わる前から見ていたレイジ達からすれば日常に少し色が着いた程度でしかなかった。
しかし、見た目が変わる前を多くは知らないハクレイからすれば格好のネタになる。
「『おねえちゃん』っすか⋯⋯成る程っす、コレで完全に理解したっす!」
「一体何を理解したんだ?」
「ゼーレ先輩がこのダンジョンの家系とか握るオカン——つまりこれがオカン天下ってヤツっすね!」
「お前どこでそんな言葉覚えたんだ!?」
ハクレイ はビシッと決めポーズを取りながらそう言った。さながら犯人を追い詰める名探偵の推理にようだ。
「オ、オカン⋯⋯お母さん!? それはつまり⋯⋯ゼーレとお兄ちゃんと結婚!?」
「待て待て待て、何言ってんだゼーレ?!」
「そ、そうですわ! あ、ああ貴方様はそ、そんなことしませんわ!」
「おお! パンドラ⋯⋯!」
ハクレイの迷推理にゼーレが妄想の世界へ突入する。そんな中、パンドラの助け舟はレイジにとって救世主にすら思えた。これで事態は収集できる、そう思っていたが——
「わ、私が相手になるんですわ!」
「お前も何言ってんの!?」
——事態はさらなる悪化を予想させる。
そして、パンドラの同乗によりハクレイの迷推理はさらに加速する。
「何すかここは!? 昼ドラだったんすか!?」
「いやだから何でそんな言葉知ってんだよ!?」
「この前てれび? で見たからっす」
「ゼーレッ!?」
「知識をつけるのは大事だよ!」
「そんな知識いら——」
加速した迷推理と妄想の世界は誰にも止められない。
半ば諦めいていたところ、レイジ達に強烈な寒気が襲う。死が差し迫ってきたかのような強烈な寒気。一瞬にして全員が夢の世界から現実に引き戻される。
「「「「——あ」」」」
「⋯⋯⋯⋯」
いつもより長い沈黙。
その沈黙の背後には低音の地響きがする程に怒りを表している レイス がいた。
「あ、あの⋯⋯レイス⋯⋯さん?」
「なまえ⋯⋯ちょうだい⋯⋯いますぐ⋯⋯」
「い、今すぐ!?」
「じゃないと——」
そう言って現れたのは二本のククリナイフ。
その毒毒しい刃は レイス の心情を物語っているのか一段と煌めいて見える気がする。
「——ますたー、を⋯⋯ますたー、の⋯⋯て、とか⋯⋯あし、とか⋯⋯切って⋯⋯私だけを⋯⋯みさせる⋯⋯よ?」
その目は笑っていなかった。
そもそも、レイス の表情は変化していなかった。ただ、レイジは悟った。
(コレ本気のやつだ⋯⋯!)
これ以上待たせれば自分の寿命は待ってくれない、そう悟らせるには十分な物だった。
「あ! ゼーレは急用思い出したから!」
「そうっす!自分も エイナ先輩のお世話する必要あるっすから!」
「あ、わ、私も!」
「あ、おいお前ら!」
「ますたー⋯⋯?」
その後、少女が納得⋯⋯ククリナイフを納めてくれるのに レイジ は小一時間を使った。その間、レイジを助ける者は1人もいなかったと言う。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
雷王、大いに懊悩す~ラスボス魔王、使命を果たして元の世界に戻りたくない異世界転移チート勇者によって全力で延命させられるの巻~
朽縄咲良
ファンタジー
――「要するに、アンタには死なれちゃ困るんだよ。俺が、この異世界で幸せな一生を送って、天寿を全うするまで、な」
魔族を統べる魔王イラ・ギャレマスは、自身の城へと攻め込んできた“伝説の四勇士”の三人、ジェレミィア・ファミィ・エラルティスを、その圧倒的な力を以て圧倒する。
残るは、黒髪黒目の冴えない男――シュータ・ナカムラのみ。
だが……シュータは、魔法陣で三人の仲間を魔王城の遥か彼方へと吹っ飛ばし、ただひとりで魔王と対峙する。
――そして、二十分後。
不様に大理石の床に這いつくばっていたのは、魔王ギャレマスの方だった。
シュータの繰り出す圧倒的なチート攻撃の前に為す術もないギャレマスは、自身の敗北と迫りくる死を覚悟するが、そんな彼に対し、シュータは不敵な笑みを浮かべながら、意外な提案を持ちかけるのだった――。
「なぁ、魔王。ここはひとつ、手を組もうぜ……!」
『地上最強の生物』だが、めっぽうお人好しで、バカが付くくらいに娘の事を溺愛している中年オヤj……ナイスミドル(忖度)の魔王が、反則級のチートマシマシ異世界転移勇者をはじめとした周囲の者たちに翻弄されまくるコメディファンタジー、ここに開幕!
哀れな魔王の、明日はどっちだ……?
(表紙イラストは、ペケさんから戴きました)
*小説家になろう・ノベルアッププラスにも、同作品を掲載しております。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる