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決意と環境
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床は硬くて冷たく、寝心地は最悪だった。体中が筋肉痛のように痛い。全身のコリをほぐすようにゆっくりと背を伸ばし、あくびをひとつ。小気味良い音を立てて、全身を整えていく。そのままゆっくりと目を開けると、茶色が視界を埋め尽くしている。明らかに自分の家ではない。そして、ここが何処だか思い出した瞬間、祈るような気持ちで頭に手を伸ばす。
「良かった・・・夢じゃない。」
きのうのように、獣耳に触れた。実は僕の夢や妄想では無いかと心配だったが、この気持ちの良い感触は紛れもなく本物。何故なら今まで触ったどの猫耳よりも気持ち良いからだ。それにしても癖になる感覚で、手が止められない。
「ああ、もっと獣化した獣耳はどんな感触なんだろう。」
何時までも触りたくなる誘惑を、まだ見ぬ獣人達の想像で断ち切る。そうだ、自分の耳はいつでも触れるんだ。尻尾が生えていない獣化の低い姿より、気持ちいいに違いない。モフモフ出来る相手と出会うため、僕は旅立つ事を決意をする。その為にはまず周囲の状況確認が必要だ。それによってこれからの行動予定が大きく変わる。メモ帳をベルトに挟み込み、洞窟の外へ移動した。
「・・・凄いけどどうしろと。」
肌寒い風が運ぶ土と草の香りを吸いながら、見えた景色に思わず不安を漏らしてしまう。それほど今いる場所は酷いのだ。まず洞内だと思ったこの場所は、巨大な岩に空いた空洞。岩によじ登り周囲を見渡すが、建物は何も見えない。霞んで見えるほど遠い山々に囲まれた、背の高い木々が生えた見渡す限り草原。それが僕のいる場所だった。
「そして逃げ場がない」
象にキリンに兎に羊と、少し離れた場所に沢山見える。問題なのは、その全てが灰色だと言う事だ。しかもただの単色ではなく、揺らめくように明るさが変わる。肌の色というより、灰色の靄に包まれているようだ。その光景を見て、僕は少し恐怖を感じた。気持ちではなく、本能的に。
モフモフを最優先したいが、この状況ではそんな余裕は考えられない。まず水と食料の確保に、魔物から逃亡出来るかを知る必要がある。どうすればいいか草木の揺れる音や、魔物の足音を必要以上に聞き取る耳を撫でながら考えた。
「よし、行くか」
考えた結果、ここに長居するのも危険だと思ったので、移動する事にした。湖や池も見当たらず、食料になりそうな果実も無い。サバイバル知識のない僕には、ここで長生き出来る気がしない。それに、風下の魔物と偶に目が合ったような気がした。そして、特に決め手となったのがメモ帳に書いた一文。
『危険を感じる前に逃げる事が必要』
多分今がその時なんだと思う。洞穴から巾着袋を引っ張り出して担ぐ。稲の神様に申し訳ないが、本は最悪火種になると思ったので持っていく事にした。そして、なんとなく洞穴に一礼し、僕は風上に向かって歩き出した。
上空から鋭い眼光で見られているとも知らずに。
「良かった・・・夢じゃない。」
きのうのように、獣耳に触れた。実は僕の夢や妄想では無いかと心配だったが、この気持ちの良い感触は紛れもなく本物。何故なら今まで触ったどの猫耳よりも気持ち良いからだ。それにしても癖になる感覚で、手が止められない。
「ああ、もっと獣化した獣耳はどんな感触なんだろう。」
何時までも触りたくなる誘惑を、まだ見ぬ獣人達の想像で断ち切る。そうだ、自分の耳はいつでも触れるんだ。尻尾が生えていない獣化の低い姿より、気持ちいいに違いない。モフモフ出来る相手と出会うため、僕は旅立つ事を決意をする。その為にはまず周囲の状況確認が必要だ。それによってこれからの行動予定が大きく変わる。メモ帳をベルトに挟み込み、洞窟の外へ移動した。
「・・・凄いけどどうしろと。」
肌寒い風が運ぶ土と草の香りを吸いながら、見えた景色に思わず不安を漏らしてしまう。それほど今いる場所は酷いのだ。まず洞内だと思ったこの場所は、巨大な岩に空いた空洞。岩によじ登り周囲を見渡すが、建物は何も見えない。霞んで見えるほど遠い山々に囲まれた、背の高い木々が生えた見渡す限り草原。それが僕のいる場所だった。
「そして逃げ場がない」
象にキリンに兎に羊と、少し離れた場所に沢山見える。問題なのは、その全てが灰色だと言う事だ。しかもただの単色ではなく、揺らめくように明るさが変わる。肌の色というより、灰色の靄に包まれているようだ。その光景を見て、僕は少し恐怖を感じた。気持ちではなく、本能的に。
モフモフを最優先したいが、この状況ではそんな余裕は考えられない。まず水と食料の確保に、魔物から逃亡出来るかを知る必要がある。どうすればいいか草木の揺れる音や、魔物の足音を必要以上に聞き取る耳を撫でながら考えた。
「よし、行くか」
考えた結果、ここに長居するのも危険だと思ったので、移動する事にした。湖や池も見当たらず、食料になりそうな果実も無い。サバイバル知識のない僕には、ここで長生き出来る気がしない。それに、風下の魔物と偶に目が合ったような気がした。そして、特に決め手となったのがメモ帳に書いた一文。
『危険を感じる前に逃げる事が必要』
多分今がその時なんだと思う。洞穴から巾着袋を引っ張り出して担ぐ。稲の神様に申し訳ないが、本は最悪火種になると思ったので持っていく事にした。そして、なんとなく洞穴に一礼し、僕は風上に向かって歩き出した。
上空から鋭い眼光で見られているとも知らずに。
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