獣の国~獣人だらけの世界で僕はモフモフする~

雅乃

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朝の始まり

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隙間風の無い部屋の、暖かいベットで目を覚ます。漸くゆっくりと眠れた気がする。寝心地が悪いわけでは無く、気分的な問題だと思う。布団は今までで1番良かったのだから。

そんな最高の布団で感じた幸せな寝心地が、ベットではさらに増した。獣化した影響もあるだろうが、まず掛け布団は羽一枚より軽く感じる。感覚が敏感な尻尾はマットに沈み込み、毛の一本一本が優しく支えられた。綿よりも柔らかく、比較出来る対象を僕は知らない。・・・幸せだから良いんだけどね。

布団からなる抜け出して、朝食を食べる。今日のメニューはチキンの肉と、獣人が産んだ新鮮な無精卵。チキンは鶏みたいな魔物の事で、鶏みたいな獣人とは無関係らしい。巾着から捌かれた状態で出て来たのは驚いた。恐らくこれがこの世界のタブーで、僕が慣れないといけない事なんだろう。無精卵は鶏みたいな獣人が産んでくれたので、余計に難しい。

そんなチキンの肉だが、味は抜群に美味しい。筋を取ってササミ肉を塩で焼く。そのササミですらモモ肉と同じ位ジューシーで、スープのように肉汁が溢れ出す。しかも味はさっぱりしてて、ササミと同じ。いや、より味が濃厚で、生臭さが無い。

「美味しい!」

だから自然と声が出るのは仕方がない。肉や卵と一緒に貰ったパンを千切り、肉汁につけて食べる。小麦の風味が負けてしまう程、味が強かった。

無精卵はオムレツにしよう。竈が一つなので、複合調理は出来ない。かといって冷めるのも嫌なので、作っては食べる事にした。卵を器に割ってかき混ぜながら、謎の素材で作られたフライパンを油をひいて熱する。調理用の油は椿油のような、上品な香りがした。しかし、そこに卵を流し込めば、椿以上に香ばしい香りが漂う。半熟のタイミングを見極め、形を整える。綺麗ではないが、オムレツの見た目にはなった。

椿の香りに負けない卵の強い風味。卵黄だけ食べているような濃厚な味。形が綺麗じゃないからこそ、素材がどれだけ凄いかを思い知らされたような感じになる。卵の為にも、料理上手になりたいと思った。

食後はハーブティーを飲んでリラックス。コーヒー派なんだけど、コーヒー豆や紅茶は村に無いらしい。華やかでおいしいが、少しだけ物足りない。いつか出かける時に探してみよう。

お風呂に入り、全身を綺麗に整える。風呂は温泉が近くにあるらしく、お湯を引いてもらった。出来た後聞いた話だが、酉族は基本水浴びしないらしい。僕の為だけに作ってもらい、申し訳ない気持ちで一杯だったが、入浴法を教えたら蓮琉さん筆頭に嵌った人が現れた。温泉施設が出来るのは、時間の問題だろう。

そして、太陽の位置を確認し、二階に向かった。
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