26 / 43
僕の仕事(マッサージ後半)
しおりを挟む
ゆっくり下げた手が、柔らかな筋肉に触れる。最初は意識してドキドキが止まらなかった。でも気持ち良くなってもらおうと思ってからは、意識する事が無くなった気がする。マッサージ中だけは何処が気持ちいいか探す事だけに集中出来ているような、そんな感覚があった。指先に神経を集中させ、耳は無意識に聞こえない筈の心音を捉える。この状態に入ればほぼ無心状態。ヒップ全体を撫で回し。心音が跳ねる場所や、違和感を感じた場所を解す。それだけで。
「んふうっ!」
声が出るほど気持ち良くなったくれるから。
さらに指を下に運び、足の付け根、太もも、膝裏と優しく解しながら進んでいく。血行の流れや骨のゆがみ、筋肉の偏りを正すイメージ。獣人十色で人それぞれ違うが、貝李さんはこれが良いようだ。焦らず慎重に、優しくマッサージ。足の指一本に至るまで気を抜かない。
「ほへ~」
マッサージが終わると、貝李さんは溶けたようにベットでうつ伏せになっていた。全身が油でテカリ、力が完全に抜けている。やり過ぎたように見えるが、羽繕いとしてはこれが最高の状態だ。やがてゆっくりとベットから起き、獣化。手は翼に変わり、足は猛禽類の鋭さが現れる。胸は消えて羽毛に変化し、獣人らしい姿に変わった。全身を伸ばし、状態を確認。見るだけでモフモフな、綺麗な状態だ。
「ありがとう!それじゃあ頑張ってくるね!」
翼で包み込むように抱きしめられた後、貝李さんは4階から外に向かって飛んで行った。このモフモフこそが、この仕事のやりがいだと胸を張って言える。何故なら、頑張る程モフモフが気持ち良いから!高揚を抑えることなく次の獣人さんを呼び、僕は次々とマッサージを行っていった。
昼食を挟みつつ、今日の予約を全てこなした。モフモフの為なら何人でも大丈夫と言いたいが、体は正直で手が悲鳴を上げている。予定通り今日は終わりにしよう。梯子を上り、予約外待ちをしていた獣人さんとお茶をして過ごした。
夕日が見え始めた頃。僕は抜いていたナイフを収納して村の付近を散策した。警備体制が強くなり、村を囲むように警邏所を立てたらしい。なので、弱い魔物と極端に強い魔物以外は来なくなった。
枯れ木や薬草を見つけては、幸せ巾着に入れていく。丈夫なので重宝している。持ち運べるギリギリまで詰めて、トレーニングがてら帰路に就く。酉族の伝統的な鍛え方を模倣した。
ゆっくりと一歩一歩歩いていると、足音が耳に入る。4足歩行の魔物のようで、真っすぐ村に向かっていた。位置的に僕の横を通りそうだ。ゆっくりと荷物を降ろし、深呼吸。
そしてナイフを抜いた。
「んふうっ!」
声が出るほど気持ち良くなったくれるから。
さらに指を下に運び、足の付け根、太もも、膝裏と優しく解しながら進んでいく。血行の流れや骨のゆがみ、筋肉の偏りを正すイメージ。獣人十色で人それぞれ違うが、貝李さんはこれが良いようだ。焦らず慎重に、優しくマッサージ。足の指一本に至るまで気を抜かない。
「ほへ~」
マッサージが終わると、貝李さんは溶けたようにベットでうつ伏せになっていた。全身が油でテカリ、力が完全に抜けている。やり過ぎたように見えるが、羽繕いとしてはこれが最高の状態だ。やがてゆっくりとベットから起き、獣化。手は翼に変わり、足は猛禽類の鋭さが現れる。胸は消えて羽毛に変化し、獣人らしい姿に変わった。全身を伸ばし、状態を確認。見るだけでモフモフな、綺麗な状態だ。
「ありがとう!それじゃあ頑張ってくるね!」
翼で包み込むように抱きしめられた後、貝李さんは4階から外に向かって飛んで行った。このモフモフこそが、この仕事のやりがいだと胸を張って言える。何故なら、頑張る程モフモフが気持ち良いから!高揚を抑えることなく次の獣人さんを呼び、僕は次々とマッサージを行っていった。
昼食を挟みつつ、今日の予約を全てこなした。モフモフの為なら何人でも大丈夫と言いたいが、体は正直で手が悲鳴を上げている。予定通り今日は終わりにしよう。梯子を上り、予約外待ちをしていた獣人さんとお茶をして過ごした。
夕日が見え始めた頃。僕は抜いていたナイフを収納して村の付近を散策した。警備体制が強くなり、村を囲むように警邏所を立てたらしい。なので、弱い魔物と極端に強い魔物以外は来なくなった。
枯れ木や薬草を見つけては、幸せ巾着に入れていく。丈夫なので重宝している。持ち運べるギリギリまで詰めて、トレーニングがてら帰路に就く。酉族の伝統的な鍛え方を模倣した。
ゆっくりと一歩一歩歩いていると、足音が耳に入る。4足歩行の魔物のようで、真っすぐ村に向かっていた。位置的に僕の横を通りそうだ。ゆっくりと荷物を降ろし、深呼吸。
そしてナイフを抜いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
無能と追放された鑑定士の俺、実は未来まで見通す超チートスキル持ちでした。のんびりスローライフのはずが、気づけば伝説の英雄に!?
黒崎隼人
ファンタジー
Sランクパーティの鑑定士アルノは、地味なスキルを理由にリーダーの勇者から追放宣告を受ける。
古代迷宮の深層に置き去りにされ、絶望的な状況――しかし、それは彼にとって新たな人生の始まりだった。
これまでパーティのために抑制していたスキル【万物鑑定】。
その真の力は、あらゆるものの真価、未来、最適解までも見抜く神の眼だった。
隠された脱出路、道端の石に眠る価値、呪われたエルフの少女を救う方法。
彼は、追放をきっかけに手に入れた自由と力で、心優しい仲間たちと共に、誰もが笑って暮らせる理想郷『アルカディア』を創り上げていく。
一方、アルノを失った勇者パーティは、坂道を転がるように凋落していき……。
痛快な逆転成り上がりファンタジーが、ここに開幕する。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる