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生きる為に
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構えたナイフの先端を、絶えず音の聞こえる方向に向ける。左右に大きく跳んで惑わされない様に集中。伏兵がいる音も聞こえず、本能が逃げろと言っていないので戦う覚悟を更に決める。暫し街、遠目に薄っすら見え始めた狸のような魔物。僕に気づいていながら、真っすぐ向かってくる。真正面からくる魔物は戦うときは良いが、襲撃の時は時間稼ぎが出来ないので厄介。村に被害が出る可能性があったので、迎撃を選んで正解だったみたいだ。魔物は僕を間合いに捉えたのか、一気に加速した。
眼を閉じ、音に集中する。僕の場合は相手の姿に合わせるとナイフを振り遅れてしまう。素早いステップを踏まれると、惑わされる。なので、一番優れている耳を信用するしかない。足音や大地が凹む音、踏み込みの強さ、風を切る音、全てを聞き取る。そして、ナイフの先端を音の中心に向けて最小限に突き出す。慌てて身をよじろうと、空中では大きく躱せない。だから一撃で終わらせる事が出来る。
「ナイフは慣れてきたけど、倒すことはやっぱり慣れないな・・・」
魔物を倒した場所から毛皮の巾着袋を回収して帰宅する。この世界は実際の狩りと違い、魔物をどれだけ倒しても問題は無い。むしろ倒さない方が生態系に大きな問題が起きるそうだ。餌が無くても生きる事の出来る魔物だけが闊歩する地域は、不毛どころか適合体が毒をまき散らしているらしい。倒すどころか近づく事も出来ないそうだ。
「戻りました。あと、魔物が居たので倒しておきました。」
「おかえりなさい。おお、ラクーを倒してくれたのか。肉が旨いから皆喜ぶぞ!」
村に入り、巾着袋を警邏隊の獣人さんに渡す。マッサージ仕事の給料以外に、差し入れを多く貰っているので恩返しのつもりで渡す。警邏隊は倒した魔物から得た物を、配布や格安で販売するので尊敬している。税金等は無いので、ほぼ名誉職。それでも入隊希望者は多いらしい。僕も役に立てるならと思ったが、周囲に全力で止められたので諦めた。・・・向いてないのは自覚してるので悔しくはない。
食材を購入して家のドアを開けると、お風呂場から水音が聞こえた。中にいる獣人に心当たりがあるので、気にせず夕食を作り始める。タイミング良く2人分出来たところで、お風呂場から静葉さんが出てきた。・・・裸の姿で。
「静葉さん。お風呂は良いですけど、全裸で歩き回るのは止めてくださいよ!」
「・・・これが一番。」
「気持ち良いのは判りますけど、駄目です!」
「・・・んっ。」
少し会話が増えた静葉さんは、よくここに遊びに来る。蓮琉さんと同じでお風呂に嵌ったようだが、温泉ではなく此処を使う。泥棒の概念すらなさそうなので別に良いが、眼のやり場に困る全裸は止めて欲しい。しぶしぶ獣化LV3の状態で服を着た静葉さんは、止まり木のような椅子に座る。それを見て僕は、微笑みながら料理を配膳した。
酉族の人達は、羽と足を使って器用に食事する。食事前は緊急時以外洗うので、汚くはない。むしろ零すと飛行能力に影響が出るので、丁寧に食べる姿は綺麗だと思う。スプーンやフォークをあの足で使うところは、いつ見ても感心する。
食事が終えて片づけをすると、静葉さんが更に獣化した。モフモフが好きだと知っているのか、遊びに来た日はモフモフさせてくれる。静葉さんも嫌じゃないのか、羽でモフモフしてくれるので嬉しい。今日はそのまま眠りについた。
眼を閉じ、音に集中する。僕の場合は相手の姿に合わせるとナイフを振り遅れてしまう。素早いステップを踏まれると、惑わされる。なので、一番優れている耳を信用するしかない。足音や大地が凹む音、踏み込みの強さ、風を切る音、全てを聞き取る。そして、ナイフの先端を音の中心に向けて最小限に突き出す。慌てて身をよじろうと、空中では大きく躱せない。だから一撃で終わらせる事が出来る。
「ナイフは慣れてきたけど、倒すことはやっぱり慣れないな・・・」
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「戻りました。あと、魔物が居たので倒しておきました。」
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村に入り、巾着袋を警邏隊の獣人さんに渡す。マッサージ仕事の給料以外に、差し入れを多く貰っているので恩返しのつもりで渡す。警邏隊は倒した魔物から得た物を、配布や格安で販売するので尊敬している。税金等は無いので、ほぼ名誉職。それでも入隊希望者は多いらしい。僕も役に立てるならと思ったが、周囲に全力で止められたので諦めた。・・・向いてないのは自覚してるので悔しくはない。
食材を購入して家のドアを開けると、お風呂場から水音が聞こえた。中にいる獣人に心当たりがあるので、気にせず夕食を作り始める。タイミング良く2人分出来たところで、お風呂場から静葉さんが出てきた。・・・裸の姿で。
「静葉さん。お風呂は良いですけど、全裸で歩き回るのは止めてくださいよ!」
「・・・これが一番。」
「気持ち良いのは判りますけど、駄目です!」
「・・・んっ。」
少し会話が増えた静葉さんは、よくここに遊びに来る。蓮琉さんと同じでお風呂に嵌ったようだが、温泉ではなく此処を使う。泥棒の概念すらなさそうなので別に良いが、眼のやり場に困る全裸は止めて欲しい。しぶしぶ獣化LV3の状態で服を着た静葉さんは、止まり木のような椅子に座る。それを見て僕は、微笑みながら料理を配膳した。
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食事が終えて片づけをすると、静葉さんが更に獣化した。モフモフが好きだと知っているのか、遊びに来た日はモフモフさせてくれる。静葉さんも嫌じゃないのか、羽でモフモフしてくれるので嬉しい。今日はそのまま眠りについた。
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