37 / 81
第4章:紀元前0世紀に
4-3 世界の広がり
しおりを挟む
世界の広がり
佐久の集落は、地震の後も順調に進んでいた。苗は青々と茂り、浅間山から吹く風に揺れていた。
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、何処にいたのだろうか?
柏崎や長岡の動きを確認したあと、自分の生まれた故郷とも呼べる場所にいた。
頸城川の支流、保倉川の左岸にある小屋であった。
そこは、かつては、山奥で暮らしていた縄文部落から逃れてきた者たちが、移住してきた場所であり、ウラジオストークより北側のの大陸から漂流してきたものの子孫か、そこに、そのまま住んでいた。
そこは、春から夏にかけて、漁で暮らすような場所であったが、食べ物が豊かで、暮らすのが楽な場所でもあった。
移動するグループは、この時も、まだ幾つかあったが、南を渡り歩いているグループとの待ち合わせで、ここに来ていた。
「佐久の巫女様の様子はどうだ。」
「巫女様は、新しい巫女が継いでいる。浅間山の婆様の助けで、安定しておるよ」
「ほう、戸隠の巫女様の所に行ったと聞いていたが」
「ほう、それはひとつ前の巫女様の時じゃ。それも、浅間山の婆様からの進言じゃった」
「そうか、それにしても直江津王国の力が凄いの、この間、南の国に行った時、色々聞かれての、米の事などを話してたら、直江津王国の米は取れる量が違うらしい。」
「どうしてそんな事を分かるんかいの」
「直江津王国の人間が、話したらしい。南の国から、密かに手が入ってるらしいぞ」
「ほう、そうかい」
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、自分たちがしている事は黙って、大きく頷くのである。
「では、また、話があったら、また来てくれ」
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、戸隠、川前の集落に寄って、佐久の集落へ戻って行った。
佐久の集落では、巫女が神殿の中で火を焚き、祈りを捧げていた。
侍女達が、囲んで、足を押し付け、ドンドンと叩きながら、舞っていた。
浅間山の婆様から見るのじゃと諭され、移動するグループが、それを可視化していた。オヤジが新しい巫女たちの祈りの場を訪ねた。
「巫女さま、就任、おめでとうございます。息子から長岡の事を聞いたので、挨拶もせず、急いで走りました。先代様のご指示で、至る所に作った情報の窓口は、しっかり動いております。」
長が、先代を連れて入ってきた。
「オヤジ、ご苦労だった。」
「はあ、戻りました。」
「婆様のお話に、長岡の水害の余波が気になっていました。いかがでしたか?」
先代が聞いた。オヤジが畏まって、話し始める。
「長岡の被害は、主に米に限定していたようです。それも、直江津王国により支援が動きました。
それと、別の移動するグループからの情報で、直江津王国の米作は、作られる量がよそに比べて多いそうです。南の国が、しっかり見ていました。」
「さすがだな。」
長が、大きく頷いた。すると先代が、険しい顔でオヤジに聞いた。
「南の国は、王様に声をかけているのでしょうか?」
「様子見のようです。今、いろいろと調べているようです」
南の国が動いてくると、周りが大きく動く。そんな、危機感を感じていた。
「いまは、大丈夫でしょう。直江津は、それだけ大きいです」
「国と国が争うのでしょうか?」
先代の巫女が、また聞く。それにオヤジが答える。
「我らの世界では争いはなかった。だがいまは、新たな弥生集落が増え、縄文の暮らしは影を潜めた」
「父が、以前申したましたが、王族の方々は、海の向こうから来られた方々で、そこの争いから逃れて来られたそうです。」
「なるほど、しっかり見届けないと行けない」
先代が、小さく吐き出すように言った。
外の夕日が赤く輝いていた。
佐久の集落は、地震の後も順調に進んでいた。苗は青々と茂り、浅間山から吹く風に揺れていた。
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、何処にいたのだろうか?
柏崎や長岡の動きを確認したあと、自分の生まれた故郷とも呼べる場所にいた。
頸城川の支流、保倉川の左岸にある小屋であった。
そこは、かつては、山奥で暮らしていた縄文部落から逃れてきた者たちが、移住してきた場所であり、ウラジオストークより北側のの大陸から漂流してきたものの子孫か、そこに、そのまま住んでいた。
そこは、春から夏にかけて、漁で暮らすような場所であったが、食べ物が豊かで、暮らすのが楽な場所でもあった。
移動するグループは、この時も、まだ幾つかあったが、南を渡り歩いているグループとの待ち合わせで、ここに来ていた。
「佐久の巫女様の様子はどうだ。」
「巫女様は、新しい巫女が継いでいる。浅間山の婆様の助けで、安定しておるよ」
「ほう、戸隠の巫女様の所に行ったと聞いていたが」
「ほう、それはひとつ前の巫女様の時じゃ。それも、浅間山の婆様からの進言じゃった」
「そうか、それにしても直江津王国の力が凄いの、この間、南の国に行った時、色々聞かれての、米の事などを話してたら、直江津王国の米は取れる量が違うらしい。」
「どうしてそんな事を分かるんかいの」
「直江津王国の人間が、話したらしい。南の国から、密かに手が入ってるらしいぞ」
「ほう、そうかい」
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、自分たちがしている事は黙って、大きく頷くのである。
「では、また、話があったら、また来てくれ」
佐久の集落の移動するグループのオヤジは、戸隠、川前の集落に寄って、佐久の集落へ戻って行った。
佐久の集落では、巫女が神殿の中で火を焚き、祈りを捧げていた。
侍女達が、囲んで、足を押し付け、ドンドンと叩きながら、舞っていた。
浅間山の婆様から見るのじゃと諭され、移動するグループが、それを可視化していた。オヤジが新しい巫女たちの祈りの場を訪ねた。
「巫女さま、就任、おめでとうございます。息子から長岡の事を聞いたので、挨拶もせず、急いで走りました。先代様のご指示で、至る所に作った情報の窓口は、しっかり動いております。」
長が、先代を連れて入ってきた。
「オヤジ、ご苦労だった。」
「はあ、戻りました。」
「婆様のお話に、長岡の水害の余波が気になっていました。いかがでしたか?」
先代が聞いた。オヤジが畏まって、話し始める。
「長岡の被害は、主に米に限定していたようです。それも、直江津王国により支援が動きました。
それと、別の移動するグループからの情報で、直江津王国の米作は、作られる量がよそに比べて多いそうです。南の国が、しっかり見ていました。」
「さすがだな。」
長が、大きく頷いた。すると先代が、険しい顔でオヤジに聞いた。
「南の国は、王様に声をかけているのでしょうか?」
「様子見のようです。今、いろいろと調べているようです」
南の国が動いてくると、周りが大きく動く。そんな、危機感を感じていた。
「いまは、大丈夫でしょう。直江津は、それだけ大きいです」
「国と国が争うのでしょうか?」
先代の巫女が、また聞く。それにオヤジが答える。
「我らの世界では争いはなかった。だがいまは、新たな弥生集落が増え、縄文の暮らしは影を潜めた」
「父が、以前申したましたが、王族の方々は、海の向こうから来られた方々で、そこの争いから逃れて来られたそうです。」
「なるほど、しっかり見届けないと行けない」
先代が、小さく吐き出すように言った。
外の夕日が赤く輝いていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
道化たちの末路
希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる