50 / 81
第4章:紀元前0世紀に
4-16 春が来た
しおりを挟む
春が来た
日常が戻った。日々の食事、日々の祈り、日々の安息、繰り返しの毎日。
巫女は、季節の流れの中で、日々を過ごしていた。
昨年の秋に起きた、南の国の変動から冬が来て、春を迎えていた。
春、雪が解けたので、巫女は、浅間山の婆様の所へ向かった。
婆様が聞いて来たのた。
「佐久の里はどうしてる」
「はい、春が来て、田起こしが始まり、苗どこを作り、芽が伸びるのを待っています」
「いつもの動きに、安堵するの」
「婆様は、佐久の里の動きを心配なさってるのですか?」
当たり前の質問に浅間山の婆様に対して疑問が生まれた。
「佐久には、人がおらんかったが、いまは、里が出来た、気にするのは当たり前じゃろ」
巫女は気づきの深さに驚いて、気がついた。
「あの、浅間山はかわりませんか?」
「ほほー、そこに早気づく、巫女は賢いの。そうじゃ、弓使いが外に居るはず、チビに薬草を取らせてこい」
婆様が侍女に言った。侍女は、巫女を伺い、顔を向けた。
「チビや、婆様の言うとおりに」
侍女が、頭を下げ、小屋から出て行った。
「巫女よ、浅間山は、噴火の後は、落ち着いてる。変化は徐々なのだ、何が変わってきてるかは、いまはまだ分からん。気を張り、ゆっくりと感じるしかない。」
「変わるんですか?」
「毎日は動かない、日々はいつもと同じにしか見えない、だが確実に変化する。」
婆様の言葉に日々が変わらぬと思っていた自分の浅はかさに、驚きとその深さを感じた。
「婆様、ありがとうございます」
婆様は、こいつは先代より感が良いなと感じていた。葉っぱを色々混ぜ、煎じたお茶を巫女の前に出した。一口飲んで巫女が言う。
「美味しい。」
静かに小屋の時間が過ぎていた。
小屋を出た侍女は、見張りをしていた若に尋ねる。
「あの、弓使いさんは、わかります?」
すると笑って若が答える
「あそこに居るぞ。」
弓使いを見つける。
外では雪が解けて、バラバラになっていた木くずを集めていた弓使いに侍女が声をかけた。
「昨年は、色々ありがとうございました。婆様が、薬草を取ってこいと仰って、、、」
弓使いは、集めた木くずを一つにまとめ、身体の埃を祓い立ち上がった。
「では、叱られたくないから、早速行くか」
侍女は、はいと、何となく嬉しく思い、付いて行く。
山の奥はまだ雪が被っているところがあったが、寒くなく、よく見ると雪の間に青い芽が出ている草があった。弓使いが侍女を促す。
「ここらにある草は薬草になる」
草は所々そのままにし、適当に摘んでまとめるのだった。
弓使いの誘いに寄って、薬草を取って、歩いて、侍女は、ここは何処?っと、辺りを見渡した。山の奥に入って来たのだ。
「今年は雪が浅かったな」
弓使いの声に気がついたように侍女が質問する。
「ここは何処ですか?帰れますか?」
「は、は、は、俺が山で迷うはずないよ。大丈夫。」
そろそろ帰ろうというと、ズンズンと山を降りていった。侍女も慌てて付いて行くのであった。
日常が戻った。日々の食事、日々の祈り、日々の安息、繰り返しの毎日。
巫女は、季節の流れの中で、日々を過ごしていた。
昨年の秋に起きた、南の国の変動から冬が来て、春を迎えていた。
春、雪が解けたので、巫女は、浅間山の婆様の所へ向かった。
婆様が聞いて来たのた。
「佐久の里はどうしてる」
「はい、春が来て、田起こしが始まり、苗どこを作り、芽が伸びるのを待っています」
「いつもの動きに、安堵するの」
「婆様は、佐久の里の動きを心配なさってるのですか?」
当たり前の質問に浅間山の婆様に対して疑問が生まれた。
「佐久には、人がおらんかったが、いまは、里が出来た、気にするのは当たり前じゃろ」
巫女は気づきの深さに驚いて、気がついた。
「あの、浅間山はかわりませんか?」
「ほほー、そこに早気づく、巫女は賢いの。そうじゃ、弓使いが外に居るはず、チビに薬草を取らせてこい」
婆様が侍女に言った。侍女は、巫女を伺い、顔を向けた。
「チビや、婆様の言うとおりに」
侍女が、頭を下げ、小屋から出て行った。
「巫女よ、浅間山は、噴火の後は、落ち着いてる。変化は徐々なのだ、何が変わってきてるかは、いまはまだ分からん。気を張り、ゆっくりと感じるしかない。」
「変わるんですか?」
「毎日は動かない、日々はいつもと同じにしか見えない、だが確実に変化する。」
婆様の言葉に日々が変わらぬと思っていた自分の浅はかさに、驚きとその深さを感じた。
「婆様、ありがとうございます」
婆様は、こいつは先代より感が良いなと感じていた。葉っぱを色々混ぜ、煎じたお茶を巫女の前に出した。一口飲んで巫女が言う。
「美味しい。」
静かに小屋の時間が過ぎていた。
小屋を出た侍女は、見張りをしていた若に尋ねる。
「あの、弓使いさんは、わかります?」
すると笑って若が答える
「あそこに居るぞ。」
弓使いを見つける。
外では雪が解けて、バラバラになっていた木くずを集めていた弓使いに侍女が声をかけた。
「昨年は、色々ありがとうございました。婆様が、薬草を取ってこいと仰って、、、」
弓使いは、集めた木くずを一つにまとめ、身体の埃を祓い立ち上がった。
「では、叱られたくないから、早速行くか」
侍女は、はいと、何となく嬉しく思い、付いて行く。
山の奥はまだ雪が被っているところがあったが、寒くなく、よく見ると雪の間に青い芽が出ている草があった。弓使いが侍女を促す。
「ここらにある草は薬草になる」
草は所々そのままにし、適当に摘んでまとめるのだった。
弓使いの誘いに寄って、薬草を取って、歩いて、侍女は、ここは何処?っと、辺りを見渡した。山の奥に入って来たのだ。
「今年は雪が浅かったな」
弓使いの声に気がついたように侍女が質問する。
「ここは何処ですか?帰れますか?」
「は、は、は、俺が山で迷うはずないよ。大丈夫。」
そろそろ帰ろうというと、ズンズンと山を降りていった。侍女も慌てて付いて行くのであった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる