紀元前0世紀の物語

真田熊

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第4章:紀元前0世紀に

4-19 それぞれの動き

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それぞれの動き

オヤジは、動いていた。

直江津王国の方向に歩き、川の大きく蛇行している例の場所に向かった。

川は渡れたが、増水していた。
「春先だからな、、、」
近くに降りてきていた、新たな集落にも顔を出して、聞き回った。

かたや、移動するグループの仲間は、この蛇行した川の上流に向かっていた。
かつて、縄文の集落があった場所だった。
彼らには、川の増水が激しく見えた、普段の水の量ではなかった。

巫女は、雨が増えるという言葉に、雨が降ると、洪水。そう思いつき、若を読んで頼んだ。

「若、雨が多いと洪水があると思うの、どう思う?」
「洪水ですか?大川は、ここよりかなり遠いですよ。そんな心配はしなくて良いんじゃないですか?」
「いや、オヤジ様の報告次第だけど、浅間山の縄文の森の手前に避難することは可能か、調べておいて下さい」

巫女の厳しい言葉に、若は動き出した。
若には、縄文の森の手前は、岩だらけで、集落から逃げても、休めないと感じていた。
どうすれば良いか、悩んでいた。

侍女のチビは、何度目かの婆様の小屋への訪問だった。婆様から

「チビよ、今日は谷に行ってみよ。弓使い、連れてってやれ」

チビは、弓使いの後を送れないよう必死に付いて行っていた。

「すみません。ごめんなさい。早いです。」

あっと気がついた弓使いが、歩みの速度を落とし、声をかけた。

「ごめん、今から行くのは冬場にキツネを狩った場所だ」

弓使いの気遣いに恐縮しながら侍女は付いて行った。
谷には水たまりがあり、人が近づくと、ゲコゲコとカエルの声が響き出した。

「凄い、カエルが沢山いるんですね」

「うん、今年は一段と多いな、、、」

佐久の集落では、田植えが始まっていた。
長が先頭になって、皆が総出で、唄を歌いながら、リズムをとって、作業が進んでいた。

笑い声が響く、豊かな初夏の雰囲気で、いっぱいであった。

夕方の日暮れになると夕焼けが綺麗に広がっていた。
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