紀元前0世紀の物語

真田熊

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第4章:紀元前0世紀に

4-18 侍女の期待

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侍女の期待

若は、自分の家に戻った。
小屋に入ると母が乳飲み子を抱えて、迎えてくれた。

「オヤジはいますか?」
「お父さんは、次男を連れて、狩りに出たよ。もう帰るだろ」

若は少し待つことにして、乳飲み子を見ていた。可愛い妹だ。
と、日が落ちる間際になって、オヤジが弟を連れて戻ってきた。

「兄貴、久しぶり。」

弟が喜んではしゃぐ。

「オヤジ、巫女様からのお願いだ。」

弟には、触れず父に話しかけ、巫女が浅間山の婆様の件を話し、雨が降るかもしれない話を伝えた。

「なるほど、分かった。山の奴らの見え方は、鋭いな、仲間に話、動き出しておくよ。10日ほどかかると思う。今日は、ここで眠れ」

弟が父の言葉にはしゃぎ、若に抱きついた。乳飲み子が、弟を羨ましがるように泣き出した。

翌日、巫女はいつもの通り、祈りのために火を焚き、侍女たちが周りで踊った。
祈りが終わり、巫女が侍女に話を伝える。

「チビは、集落の広場の爺様方や友達に、変化が起きてないか聞いて回って下さい。出来ることをしなければね」

侍女のチビは、広場や周りの小屋を回って聞き回るが、何も掴めない。
彼女は何か掴めたいと思って婆様の小屋の近くに居る弓使いの所へ向かった。何か掴めるかもと期待していた。
弓使いは、帰って来ていた。

「弓使いさん、婆様の言っていた、何かの変化って、雪の他に何かわかりませんか?」

弓使いは、いきなり言われ、フッと笑った。

「お前さんよ、そんなに変化は急に起こらんよ。しっかりしてくれ。」

せっかく弓使いのところまで来たのに収穫なし、と、ガッカリしていたら。

「今日もキツネ狩った。婆様の所へ行こう」

あの香ばしい肉が食べられるともい、二つ返事で付いていった。
婆様の小屋についたら、婆様が

「あのな、またキツネか。それにしてもチビも連れて何だ」

婆様の言葉に、恥ずかしくなり、侍女が言い訳する

「あのー、偶然です。偶然、弓使いさんのところにいつもたのです」
「バカを言え、そんな事があるかい、そなたも小賢いのぉ。大方、巫女に聞き回れと言われ、何も掴めなかったのだろう」

見事にバレたのだ。シュンとして頭を下げたまま、上げられなくなっていた。

「よいよい、積極的で良いぞ。お前も見どころがあるのぉ」

何を褒められてるのか侍女には分からなかった。キツネを裁き、肉が焼かれる。香ばしい香りがしてくる。侍女はわけも分からず。食べ始めた。

「チビよ、よく聞け、弓使いの所は正解だが、今日明日で何も分からんよ。たまに婆様の所へ来るが良い」

婆様からの許しが出たので、帰ると、巫女にお願いして、たまに婆様の所へゆくことの許しを得た。巫女は、侍女に伝える。

「そうだな。弓使い殿の情報の方が分かるかも、でも、集落をないがしろにするな」

こうして、春が過ぎ、初夏の香りがしてくる季節が始まった。
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