4 / 8
After The Rain②
しおりを挟む
電気を消して、薄暗いヘッドボードの明かりの中、さっきよりも長いキスをした。
「……電気、ついてる」
私は、ナイトウェアのボタンを外す彼に訴えた。
「全部消したら美晴が見えない」
「だって……」
ブラジャーをしてないし、ショーツだって可愛くない。
ふに、とTシャツの上から胸を触られた。
「胸、小さいからっ」
「関係ないよ。美晴のだし」
どうして男は胸を触るのか、女であれば永遠の謎だ。
それでも揉まれて体温が上がっていく。Tシャツ越しに乳首を触られて、肩が跳ねた。
次第に無遠慮になる彼の手が、素肌のお腹を触る。擽ったいのと気持ちいいのが綯交(ないま)ぜになって、体温がまた上昇する。
Tシャツを剥ぎ取られ、慌てて胸を隠した。
「はい、バンザイ」
両手を掴まれて、あらわになった胸に彼がぱくりと食いついた。
乳首を転がされ、吸われて、出そうになった声を喉で抑えるのに必死だった。
片方をやわやわと揉まれて、片方の乳首を弄ばれて、その気持ちよさに軽くパニックになってしまった。
セックスは久々だったが、こんなに感じるものなのかと驚いた。
「美晴、声出してよ」
「む、り……っ。……はぁ」
前のカレシが壁の薄いアパート暮しだったのもあって、声を抑えるのが癖になっていた。
「そう言われると出させたくなる」
スルスルとお腹を触りながら、彼の手が下腹部を降りていく。
可愛くないショーツのクロッチを指で辿られた。
「グレーってさ、色変わるのわかりやすいよな」
「やだぁ。見ないでよ」
せめて、可愛いショーツの時に見ろと思った。
「パンツの替えがあってよかったな」
ムードのない一言で、スルリとショーツを脱がされて、軽くキスをされた。
恥毛を掻き分けた指が、自己主張をしている小さな芯を触って、私は身を捩らせた。
彼の愛撫は丁寧で、私の反応を見て好いところを触れて、まさぐる。
今までのカレシとは違った。気持ちいいフリなどしなくても、素直に気持ちよくて、吐息が止まらなかった。
大切にされるというのは、こういうことなのだ。
気遣いも、何気ない言葉にも、セックスの時にも現れている。
そうわかった途端、好きだという気持ちが溢れてきた。
指で高みに昇らされて、くりたりとしていると、彼がコンドームの小さな箱を取り出した。
「さっき買ってきたんだよ」
怒られた子犬のような顔がおかしくて、クスリと笑ってしまった。
つまり、下心もあった、ということなのだ。それでも、彼が愛しかった。
「今抱きつくなよ」
「着けてあげたのに」
驚いた彼の顔も可愛くて、私は笑った。
「……今度頼むよ。……今は」
ころりと寝かされて、私の上に彼が覆いかぶさってきた。
「美晴に入りたいんだけど?」
やはりムードがない。彼らしいと言えばそうそうなのだが。
「私も朔也が……」
尻すぼみになった声で、「ほしい」と伝えると、息苦しいほど抱きしめられた。
ぐっと質量のある熱が、濡れた隘路を侵入してくる。
演技でも何でもなく、深い息が零れ出た。私は、彼を受け入れて満足していた。
しばらく、身体の中に彼を感じながら、抱き合った。
ぴったりと抱き合うと、少しの隙間もできないのではないか、という錯覚に陥った。
体内の彼が、ゆるゆると動き始めた。
緩慢な動きに、上がる息と体温を持て余しそうになった。今までのカレシは突っ込んだら腰をがむしゃらに振っていた記憶があり、男はそんなものだと思っていた。
あるところを攻められた時、電気が走り、毛穴が開くような感覚があった。
「や、それっ」
知らない快感で怖くなった。
「嫌じゃないだろ? 美晴のナカはぎゅうぎゅうに絡みついてきてるよ」
熱っぽい顔の彼が、意地悪そうに笑った。
「ん……あっ。感じ、すぎちゃう、から」
喋るのも意識なしではできなかった。
「感じてよ。声も聞かせて」
熱を帯びたお願いと、愉悦を送る彼の熱に、私は自然と声を上げていた。
何度も穿たれ、熱と快楽が身体を這い回る。
こんなに喘いだら呆れられやしないか、などとも考えなかった。
「──あぁっ、さく、やぁ」
初めて『イク』ことを知った。
身体のあちこちが酸素不足で痺れて、それでも、彼から寄越される喜悦に震えた。
足を担がれて、彼の熱塊が奥の奥まで届いて、行き過ぎた強い快楽に私は泣いてしまった。
息継ぎすら上手にできなかった。
「美晴、俺も気持ちいい」
うっとりとした彼の声。聞こえるが返事ができなかった。
バカみたいに彼の名前を繰り返し呼んだ。
粘着質な水音と心拍数が上がっていく。
「あ、あぁっ。も……だめ」
甘やかなのに激しいうねりに浚われる感覚。
彼の熱い肌、吐息、切なげに皺が寄る眉間。
私の名前を呼ぶ。
絶頂のその頂きに2人して昇りつめ、薄いゴム越しに彼が熱を吐き出した。
しばらくベッドでイチャイチャしながら、このホテルの話になった。
「アパートよりは近いし、風呂もあるし、美晴のワンピースも洗ってもらえる」
独り暮らしをしている彼の家でも、私は構わなかった。
その事を言うと、乙女的思考のある彼は、困ったように笑った。
「せっかくの3ヶ月記念なんだし、良い場所に行きたいでしょ」
後でわかったことなのだが、彼はお坊っちゃま育ちだったのだ。
持っているものでわかるのに、底の浅い私にはわからなかった。
「……電気、ついてる」
私は、ナイトウェアのボタンを外す彼に訴えた。
「全部消したら美晴が見えない」
「だって……」
ブラジャーをしてないし、ショーツだって可愛くない。
ふに、とTシャツの上から胸を触られた。
「胸、小さいからっ」
「関係ないよ。美晴のだし」
どうして男は胸を触るのか、女であれば永遠の謎だ。
それでも揉まれて体温が上がっていく。Tシャツ越しに乳首を触られて、肩が跳ねた。
次第に無遠慮になる彼の手が、素肌のお腹を触る。擽ったいのと気持ちいいのが綯交(ないま)ぜになって、体温がまた上昇する。
Tシャツを剥ぎ取られ、慌てて胸を隠した。
「はい、バンザイ」
両手を掴まれて、あらわになった胸に彼がぱくりと食いついた。
乳首を転がされ、吸われて、出そうになった声を喉で抑えるのに必死だった。
片方をやわやわと揉まれて、片方の乳首を弄ばれて、その気持ちよさに軽くパニックになってしまった。
セックスは久々だったが、こんなに感じるものなのかと驚いた。
「美晴、声出してよ」
「む、り……っ。……はぁ」
前のカレシが壁の薄いアパート暮しだったのもあって、声を抑えるのが癖になっていた。
「そう言われると出させたくなる」
スルスルとお腹を触りながら、彼の手が下腹部を降りていく。
可愛くないショーツのクロッチを指で辿られた。
「グレーってさ、色変わるのわかりやすいよな」
「やだぁ。見ないでよ」
せめて、可愛いショーツの時に見ろと思った。
「パンツの替えがあってよかったな」
ムードのない一言で、スルリとショーツを脱がされて、軽くキスをされた。
恥毛を掻き分けた指が、自己主張をしている小さな芯を触って、私は身を捩らせた。
彼の愛撫は丁寧で、私の反応を見て好いところを触れて、まさぐる。
今までのカレシとは違った。気持ちいいフリなどしなくても、素直に気持ちよくて、吐息が止まらなかった。
大切にされるというのは、こういうことなのだ。
気遣いも、何気ない言葉にも、セックスの時にも現れている。
そうわかった途端、好きだという気持ちが溢れてきた。
指で高みに昇らされて、くりたりとしていると、彼がコンドームの小さな箱を取り出した。
「さっき買ってきたんだよ」
怒られた子犬のような顔がおかしくて、クスリと笑ってしまった。
つまり、下心もあった、ということなのだ。それでも、彼が愛しかった。
「今抱きつくなよ」
「着けてあげたのに」
驚いた彼の顔も可愛くて、私は笑った。
「……今度頼むよ。……今は」
ころりと寝かされて、私の上に彼が覆いかぶさってきた。
「美晴に入りたいんだけど?」
やはりムードがない。彼らしいと言えばそうそうなのだが。
「私も朔也が……」
尻すぼみになった声で、「ほしい」と伝えると、息苦しいほど抱きしめられた。
ぐっと質量のある熱が、濡れた隘路を侵入してくる。
演技でも何でもなく、深い息が零れ出た。私は、彼を受け入れて満足していた。
しばらく、身体の中に彼を感じながら、抱き合った。
ぴったりと抱き合うと、少しの隙間もできないのではないか、という錯覚に陥った。
体内の彼が、ゆるゆると動き始めた。
緩慢な動きに、上がる息と体温を持て余しそうになった。今までのカレシは突っ込んだら腰をがむしゃらに振っていた記憶があり、男はそんなものだと思っていた。
あるところを攻められた時、電気が走り、毛穴が開くような感覚があった。
「や、それっ」
知らない快感で怖くなった。
「嫌じゃないだろ? 美晴のナカはぎゅうぎゅうに絡みついてきてるよ」
熱っぽい顔の彼が、意地悪そうに笑った。
「ん……あっ。感じ、すぎちゃう、から」
喋るのも意識なしではできなかった。
「感じてよ。声も聞かせて」
熱を帯びたお願いと、愉悦を送る彼の熱に、私は自然と声を上げていた。
何度も穿たれ、熱と快楽が身体を這い回る。
こんなに喘いだら呆れられやしないか、などとも考えなかった。
「──あぁっ、さく、やぁ」
初めて『イク』ことを知った。
身体のあちこちが酸素不足で痺れて、それでも、彼から寄越される喜悦に震えた。
足を担がれて、彼の熱塊が奥の奥まで届いて、行き過ぎた強い快楽に私は泣いてしまった。
息継ぎすら上手にできなかった。
「美晴、俺も気持ちいい」
うっとりとした彼の声。聞こえるが返事ができなかった。
バカみたいに彼の名前を繰り返し呼んだ。
粘着質な水音と心拍数が上がっていく。
「あ、あぁっ。も……だめ」
甘やかなのに激しいうねりに浚われる感覚。
彼の熱い肌、吐息、切なげに皺が寄る眉間。
私の名前を呼ぶ。
絶頂のその頂きに2人して昇りつめ、薄いゴム越しに彼が熱を吐き出した。
しばらくベッドでイチャイチャしながら、このホテルの話になった。
「アパートよりは近いし、風呂もあるし、美晴のワンピースも洗ってもらえる」
独り暮らしをしている彼の家でも、私は構わなかった。
その事を言うと、乙女的思考のある彼は、困ったように笑った。
「せっかくの3ヶ月記念なんだし、良い場所に行きたいでしょ」
後でわかったことなのだが、彼はお坊っちゃま育ちだったのだ。
持っているものでわかるのに、底の浅い私にはわからなかった。
0
あなたにおすすめの小説
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
恋と首輪
山猫
恋愛
日本屈指の名門・城聖高校には、生徒たちが逆らえない“首輪制度”が存在する。
絶対的支配者・東雲財閥の御曹司、東雲 蓮の「選んだ者」は、卒業まで彼の命令に従わなければならない――。
地味で目立たぬ存在だった月宮みゆは、なぜかその“首輪”に選ばれてしまう。
冷酷非情と思っていた蓮の、誰にも見せない孤独と優しさに触れた時、みゆの心は静かに揺れはじめる。
「おめでとう、今日から君は俺の所有物だ。」
イケメン財閥御曹司
東雲 蓮
×
「私はあなたが嫌いです。」
訳あり平凡女子
月宮 みゆ
愛とか恋なんて馬鹿らしい。 愚かな感情だ。
訳ありのふたりが、偽りだらけの学園で紡ぐカーストラブ。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる