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06 流行り病
しおりを挟む「お前もそろそろ女子に戻る時なのやもしれんな」
朝、父に昨日の夜の事を報告すると、優しい微笑みでそう言った。
私は、その言葉の意味も、微笑みの意図も理解が出来ていなかった。
父は師範としてはとても厳しく、だが父としては優しかった。
母が亡くなってからも、男手一つで私を育ててくれ、本当に感謝している。
朝餉の支度をしながら、色々な事を考えていた。
ら、
ご飯を焦がした。
世界が変わるその瞬間
06 流行り病
「アッハッハッハッハ!!!」
朝餉の片付けをしながら、後ろで龍之介が大爆笑している。
私は黙って、皿を洗っている。
「いやぁー、懐かしいなぁ、お前が飯焦がすなんてよ」
朝餉の時から、この様子。
ずっと、笑っている。
いっそ、笑い死ねば良い。
「悪い悪い、飯焦がすなんて、お前が炊事始めて直ぐ以来じゃないか?」
私は龍之介を睨む。
龍之介は、やっと収まったのか、一息ついて私の頭を撫でる。
「昨日の夜の事は、本当に誰にも言わねぇから、安心して呑気にしてろ」
優しい兄の様な笑みを浮かべ、稽古に行った。
その背中を見送り、私は台所を片付けた。
稽古では考えていた様々な事を忘れ、集中した。
やはり、生まれてから剣を振ってきた身としては、これが性分なのだろう。
そう思いながら、その後も集中して稽古に励んだ。
昼餉は何事もなく準備は進み、朝の様な失態を起こす事はなかった。
昼餉が済み、通いの門下生達がやって来るのと、同じ頃一座の娘さん達もやって来た。
「お兄さん、」
そう言って、声を掛けられて振り返ると、そこには撫子さんと旦開野がいた。
二人は私の元に来る。
「昨日は大丈夫やったで?」
少し心配そうに私を見る二人に、私は笑顔で大丈夫、と答えた。
すると、他の一座の娘さん達が急に私の周りやって来た。
挨拶と自己紹介をしては、相手を押し、今度は自分の番だと言って、自己紹介をする。
そんなに一気に紹介されても、覚えきれない。
そんな願いを汲み取ったのか、撫子さんが
「お兄さん、困っとるやろ。その辺にしときなさい」
正に鶴の一声だった。
「堪忍なぁ、ウチら女所帯やから、いやに血の気が多いねん」
私は笑うしか出来なかった。
旦開野は、少しいじけているのか、私の方を見ないで撫子さんの後ろに隠れている。
私は、如何しようかと思い、竹刀を持たせてみる。
教えられるものは、実際それしかない。
不思議そうにそれを見ながら、持ち方の説明をして、振り下ろす。
風を斬る音が聞こえ、私の真似をする様に旦開野も竹刀を振り下ろした。
でも、私の様な音は聞こえない。
「ん?」
もう一度振ってみるが、やっぱり私の様にはいかない。
私に助けを求める様に、こっちを見たので、背後から抱える様に一緒に竹刀を持つ。
背筋を伸ばし、真っ直ぐ前を見て一点を見詰める。
身体全体は力を入れない。
振り下ろす位置を決め、その位置で止める様に心掛ける。
そう説明し、旦開野は一つ息を吐くと、私が指南した通りに振り下ろした。
すると、私の様な音が聞こえ、旦開野は嬉しそうにこっちを見たので、私は頷いた。
その後も、同じ様に楽しそうに竹刀を振る。
「剣技かぁ…」
その様子を見ながら、撫子さんが呟く。
「いや、田楽の出し物でなんかええの無いかって、座長と話しててん」
撫子さんはふむと考え込む。
そして、私に言った。
「暫く旦開野ちゃん、道場通わせてかまんやろか?」
活き活きとした眼で見られ、私は父に聞きに行こうとしたら、撫子さんが自分で行くと言って、父の部屋に行ってしまった。
暫くして、少し疲れた様な父と笑顔が満開の撫子さんが帰って来た。
如何やら、この村にいる間、旦開野を門下生として通わせる様になったらしい。
「そういう事やから、お兄さん…いや、師範代よろしゅうね!」
でも、旦開野本人には何も言ってないのでは?と言うと、
「どんな、旦開野ちゃん?」
「とても楽しいです!」
笑顔で返され、私はじゃあ、仕方ないかと、納得した。
これから暫くは、こっちの事を集中する為、舞台の方は休む事になり、
他の子が別演目を行う事になった。
座長さんと決めなくて良かったのだろうか?なんて思いながらも、楽しそうに学ぶ旦開野を見て、まぁ、良いか。と流した。
旦開野は筋がとても良かった。
下手に知識がない分、飲み込みが早かった。
とは言え、まだ試合が出来る状態では無いので、殆ど私が尽きっきりで指南する。
雨の日が続くジメジメした日々も難とせず、旦開野は竹刀を振っていた。
そして、梅雨が明ける。
その頃には、試合の説明や規則を説明し終え、ちょっとずつ試合をしていた。
父や龍之介も、旦開野の覚えの早さには感心していた。
そして、夏本番。お天道様も朝から元気だ。
裏のバァ様も、今日は一段と暑くなるから気を付けなさい。との事。
「師範代、おはようございます!」
旦開野は少し前から、もっと稽古したいとの事で、ウチに逗留する様になった。
寝る場所は十二とは言え女子なので、私の部屋で寝ている。
門下生達は、羨ましがる者も居たが、龍之介が。
「この道場で一番安全な場所じゃねぇか。他にあるか?」
その一言で、下心のあった門下生達は黙った。
門下生とは言え、取り敢えず村の客人なのだから失礼は無い様にしなくてはならない。
旦開野は一層私に懐き、私の手伝いもしてくれる様になった。
一緒に道場の掃除をして、一緒に朝餉も作る。
たまに現れる龍之介も、最初は警戒していたが、今は他と同じ様に
「龍兄!」
と呼び、兄の様に慕い、龍之介も妹の様に思ってるみたいだが、
何分、旦開野はお転婆な所があるので、ある意味弟の様でもある。
「今日もお前らは早ぇなぁ、」
と言いながら、大きく欠伸をしながら、朝餉をちょっと手伝う。
そう、この前…
「は?何で俺が野菜洗うのが好きなんだよ」
龍之介に手伝わせようとして、返された言葉だ。
私はこの前の、「好きなんだ。」と、言った時の事を話す。
「バッ!!それはっ…!………あー、………なんでもねぇ、」
とそっぽを向き、
「そうだよ!野菜洗うのが、すっげー好きなの!!」
と開き直った。
よくわからない龍之介を不思議に思いながら、私は朝餉の手伝いを頼んだ。
それから、朝餉の支度を手伝う様になった。
朝餉の支度も洗濯物も、終わり少し空いた時間で、母の花の所に水をやる。
「師範代、此処には何が植えてあるんですか?」
何も。あるかもしれないが、ないかもしれない。と、返すと、旦開野は可愛らしく眼を丸くさせ、頭を捻る。
その姿が、歳相応で可愛らしく頭を撫でる。
そう、彼女はまだ十三なのだ。
舞を踊る旦開野は気迫があり、その迫力がまた色香を漂わせる。
あの満月の夜も、不思議な程に大人びていて、初めて歳を聞いた時は驚いた。
だが、此処で笑う旦開野は歳相応で可愛らしく、私も妹ができた様で嬉しい。
そうして、村に一座が滞在して一月が過ぎ、二月目が過ぎた。
大分、剣技も磨かれ、様になってきた旦開野。
「この短期間でよう、此処まで仕込めたねぇ」
二日に一回、旦開野の様子をお母様の調布さんと見に来られていた撫子さん。
何故か、調布さんはその姿を見ながら少し涙ぐんでいる様にも見える。
彼女の鍛錬の賜物ですよ。と返し、撫子さんもそやね、と笑う。
「あの子は頑張り屋やさかい、ウチんトコの芸も、一所懸命覚えとったわ」
当時を懐かしむ様に、旦開野を見詰める二人。
私も、その姿を見て、嬉しくなった。
すると、調布さんが咳をした。
大丈夫ですか?と尋ねると、儚げに笑い、
「ちょっと、風邪気味なの。でも、もう時期治るわ」
それなら良いのだが、と思いながら、調布さんを見ていた。
その日から、三日程過ぎたある日。
事件が起こった。
「師範!!頼みます!!」
「分かった!!病人を直ぐ道場内へ運びなさい!!」
父、師範の声で全員が返事をして、医師の所に行き、病人を一人、一人と道場に連れて来る。
「師範代…?」
不安気に見上げる旦開野の頭を撫でる。
大丈夫だ、と言い。これの事を説明した。
この村では、数年に一度厄災の年がある。
その厄災の年には、夏にこの流行り病が起きる事だ。
毎年、守り神様にはお願いして貢ぎ物をしているのだが、多分去年の米が不作だった事も原因の一つだろう。
だが、流行り病と言っても治療法も薬もあるので、昔と違い、死者は此処少ない。
少ない、とは言え、無いわけではない。
体調が悪い者や、病弱な者は、死にいる事が多い。
そして、これが来ると、道場は急遽の病棟となる。
私達は、井戸から水を汲んで来ては、順番に水を与え、汗を拭き、頭に濡らした手拭いを乗っける。
今年の厄災は、少し被害が大きい様で、隣の村にも患者がいる様だった。
先生も私達も、あっちへこっちへと、大忙しだった。
旦開野に移すといけないと思い、彼女は一座の泊まる宿に返した。
如何やら、一座の数人も流行り病にかかっているものがいる様で、宿や村長は世話を焼いているらしい。
そして、五日を程過ぎた頃、運ばれた患者もウチで流行り病に掛かった門下生達も、今は落ち着き、皆はゆっくり休んでいた。
それは薬師も医師も同じで、皆この五日、ほぼ夜通し働いていたので、眠っていた。
私も休もうかと思いながら、いつもの縁側で空を見上げると、満月だった。
あの日から、夜空を見上げると、星が煌き、月が輝く。
そう、旦開野に出逢ってからだ。
こんなにも星が、月が…美しいと想ったのは。
そんなことを考えていると、何だか無性に旦開野に逢いたくなった。
重い身体を起き上がらせ、立ち上がり、一座が逗留している宿へ向かった。
村は驚く程に静かで、落ち着いていた。
多分、何処の家もこの流行り病が収まったぐらいなのだろう。
そんな事を考えながら、重い身体を引きずる様に、宿屋へ向かう。
宿屋も静まり返っていた。
私は、中に入ると、奥で休んでいた若女将が顔を出した。
「あら、師範代…、」
話によると、一座の何人か掛かった流行り病も、今漸く落ち着いた様で、一息ついた所らしい。
ウチの道場も同じ事になっていた事を話し、撫子さん達の部屋を教えて貰った。
階段を登っていると、手前の襖が開いて、丁度私とぶつかった。
「し、師範代!!」
旦開野だった。
彼女の尋常じゃない雰囲気に、私は襖の奥にいる撫子さんを見た。
「兄さん、丁度良かったわ、ちょっと見てもろてかまんやろか?」
撫子さんも、焦った様に私言った。
更に奥の布団を見ると、調布さんが、息を荒くして床に伏せっていた。
私は、先日の調布さんの咳を思い出した。
直ぐに布団に駆け寄り、様子を診る。
症状は流行り病と同じだった。
だが、調布さんは風邪を引いているみたいだった。
嫌な予感が過る。
私は、直ぐに下に降りて若女将に薬の在庫を確認した。
残念な事に、此処の分は全部使い切ってしまったらしい、若女将に調布さんの看病をお願いして、私は道場に走った。
ウチも置いてある薬も、全部使い切ってしまったらしい。
近くの医師に、薬があるか聞いた。
だが、近くの医師も薬師も、皆薬の在庫切れだそうだ。
嫌な予感がどんどん重なる。
村全部の医師と薬師を回ったが、何処も薬は置いていない。
私は馬を飛ばし、一番近い隣村へ走った。
そこも置いてなく、次の村に走る。
その村の最後の薬師で、漸く薬が手に入り、急いで馬を走らせる。
段々空が白んで来た。
瞬く星々は消えていき、月が太陽の光に姿を消して行った。
宿屋に着き、直ぐに二階の調布さんの部屋に着いて襖を開ける。
「し、はんだ…い」
眼から大粒の涙を流す旦開野。
調布さんを抱える撫子さんは、強く拳を握った。
「今しがた、逝かれたわ」
私は膝から崩れ落ちた。
もっと早く着いていれば、こんな事にはならなかったのに。
自責の念が溢れ出てくる。
私は二人に何度も謝る。
「いいえ、師範代の…せいじゃ、…ありません」
旦開野は私の肩に手を置き、起き上がらせてくれようとしていた。
でも、私の顔を見た瞬間、彼女は部屋を出て行った。
彼女の名を叫んで呼び止めたが、彼女は振り返る事なく走って行った。
それを追い掛けようと、立ち上がったら、撫子さんに止められた。
「今、あの子を一人にしてやってくれんか」
私は撫子さんの様子がおかしいのを感じ、訳を聞いた。
「せやね、兄さんになら話してもええやろね。…似た様な生き方しとるし」
寂し気に笑う撫子さんの話を私は、黙って聞いていた。
あの子、旦開野ちゃんは、本当は男の子なんよ。
当時、訳は聞かへんかったけど、さっき、逝く時話してくれた。
あの子の父親は…千葉家の重臣、粟飯原胤度様なんやって。
他の重臣の策略で、胤度様は殺されて、在らぬ罪着せられて一家惨殺されてん。
調布もな、お腹にあの子おったんやけど、どんな薬を飲まされても産まへんかったって、それで開放はされたけど命かながら逃げたんやって。
そんで、あの子産んで…。一人で大変やったろうなぁ…。
そんな時に、ウチらが通りかかってな。
調布は、鼓が打てたさかい、ウチも座長に口聞いてもらって入ったんよ。
胤度様の子やと、ばれんように女の子として育てたんよ。
でも、あの子も男子のやねぇ…武士の子やし、やっぱ剣の上達も早いみたいやし。
そう、寂しそうに笑う撫子さんに礼をして、私は旦開野を探した。
思い当たる村中探したが、見当たらない。
私は出逢ったあの裏山へ向かった。
旦開野の名を叫ぶが、全く返事がない。
連日の看病、昨晩村中を走り回り、そして、さっきも走り回った。
さすがに、膝が笑う。
私は一旦息を整えて、大きく息を吸った。
「毛野ぉぉぉおおおー!!!」
もう一度、叫ぶ。
「犬坂毛野胤智ぉぉぉおおおお!!!」
もう一度、息を吸った。
すると、背後で気配がしたと思ったら、手で口を塞がれた。
「止めてください!!誰かに聞かれたら、どうしてくれるのですか!?」
その声は、紛れもなく旦開野…いや、毛野だった。
「……撫子姉さんですね、」
私は頷き、塞がれた手を優しく包む様に握った。
「俺、………いいや、私も言わなくちゃいけないことがあるの」
「……ぇ?し、師範代?」
私は毛野の手を優しく解き、振り返って真っ直ぐに彼を見た。
「私も、道場を継ぐために、男として育てられた」
そう、理由は違えど、似た様な生き方をしてきた私達。
だけど、私とは違い、生きるか死ぬかの瀬戸際で生きてきた毛野と調布さん。
「そ、そんな…師範代が女子、……ぁ、いや、そうかだからあの時の着物…」
「うん、撫子さんは母さんと幼馴染で私の事も知ってたみたい。」
戸惑う毛野の手を握る。
「私、初めて旦開野を見て、素敵で可憐で、私に持ってない物を全部持っている気がして、羨ましくて、それで…、…………っ、それでっ!」
私はまだ整理がつかない心と、自分の気持ちを言葉にする難しさと恥ずかしさを入り混じりながらも、必死で説明する。
「でも、可憐なのに、ちょっとお転婆で、でも笑った顔が可愛くて、懐いて付いてきてくれるのが嬉しくて、………それで、その!!」
真っ直ぐに、毛野は見詰め私の言葉を聞いてくれていた。
「男と偽っているけど、相手は女子なのに、私……、私っ!!」
そこまで言って、毛野が私の唇に人差し指を当てた。
「それ以上は、言わないで下さい」
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