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第一、戦争の日常化
本日、金曜日
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気が付いたら吐き気が止まっていて、真っ暗闇の中だった。よく見てみると俺の部屋のベットで時間は午後六時。多分Fヶ崎さんが運んでくれたんんだと思う。この家を知っているのは校内にはあの人しかいない。
デジタル時計をよく見ると”金”の文字
金曜日だ・・・そして午後六時
つまり、ASWaに参加しねぇと死ぬ!
俺どんだけ寝たんだよ、まずい腹も減ってるし頭も痛てえけど行かないと死ぬ。服着替えねぇと・・・。早歩きでマンションを出て、走り出した。足もあんまし動かないとにかく急いで走る
「青川!?」
確かに入り口に近い自販機は学校の近くで、その自販機に行くまでにコンビニの前を走る。でも今は部活の時間だからこんな所でA野の声が聞こえるはずがない。つーか今急いでるから立ち止まってる暇ねぇし、あいつの顔とか見えないから放置でいいや
「まてよ!」
後ろから足音が聞こえる、確実に追いつかれてる平地での短距離はあいつのが早い。追いつかれたら向こうの待機室で休めない。そっちのが辛い
仕方ないか。今はマジで体辛いけどそこら辺の木に飛んで木で移動した方が早い。つか、なんでこんな格好なのに俺だって見破れるんだよ。あいつどんだけ視力いいんだよ
今の服は真っ黒尽くしで顔が半分見えない。タンクトップに半袖のパーカー、作業着の長ズボンと口を覆うようにして黒のバンダナを結んでる。みんなの前じゃ黒の服は基本着ない。そんで顔も半分隠れて目と髪の毛しか見えない。なのによく・・・つかマジであいつなんでこの時間にコンビニに居んだよ。俺は近くの木に助走して太い枝に飛び乗ってそのまま次々木を飛び越していった
・
今日はグラウンドの点検で部活がなかったから先輩にパシられてコンビニまで来てて、コンビニを出たら黒の物体が前をよぎった。足はそんなに速くなかったけど、そんなことよりも一瞬顔が見えた。
鼻から下が隠れてて見えない変な男の人だけどすぐに分かった
「青川!?」
半分は感だったけど、それでも気づいた。いや気づけたか?なんか苦しそうに見えて、その顔が青川と繋がった
先輩に頼まれたものを持って青川に向かって走った。多分声は届いてる、でも聞こえないフリをされて走りつづけやがった
あいつ、昨日吐いて部活出れないって保健の先生に聞いて、今日も無断で朝練も学校も休んでたのに。なんであんな辛そうな顔して、変な格好してこんな時間に走ってんだよ
辛いなら今すぐ家帰って寝ろよ!誰も世話してくれるやつがいないなら寮にでも来いよ
お前のことならどの部員も歓迎するわ!お前いい加減自分が他人に好かれてるのを自覚しろよ
お前がいない二回の練習がどれだけ気迫がなかったかしらねぇだろ
今まで一回も休まなくてどんなに体調が悪くても部活にきて、そんで、誰よりもやる気が一番あったお前がドクターストップ出されるほど体調崩したんだ
みんな心配してる。なのに、何でこんなところで走るのだって辛そうなのに何かを思い出したように
今までの中で一番必死になって走ってんだよ!
それに苛ついて気が付いたら手加減なしに追いかけて大声で名前を叫んでやっても一切こっちを振り向かなかった。終いには道の脇にある木に向かってジャンプして忍者のように木を使って跳んでいった
一回飛ぶごとに速度が遅くなっていった。それでも最終的は撒かれて見失い、しかたなくそのまま寮に戻ってこれを同室の先輩に話した
「ねぇ、ホントに青川だったわけ?」
「マジで青川でしたよ。勘ですけど、青川だと思います」
話したらそれは同室のI原先輩と一緒にいた横山先輩がそれを自分たち以外には伝えるなと言われた
それが本当じゃなければ俺たちは青川を全員で疑ったことになるし証拠もない
今は春大真っ只中で部の雰囲気を壊す必要もないし、春大が終われば甲子園への予選が始まる。青川はレギュラーで人一倍裏での努力をしてたのを先輩方も認めてた。だからこそ今回のことは青川なりに理由があるんだろうってことになった
もちろん体調が悪いんだから家にいるのが確認できなければ叱るだけだ
<今どこ?>とラインを送ったら〈家>って返ってきた。もちろんそこは想定内で<家みたいから写真送れby横山>って送ったら数秒後に真っ白な掛け布団っぽい切れ端が一番下で見切れててデカすぎるテレビが一台映ってた。みる限り布団の中から撮影したのが分かる
家で寝てるってことに一度安心した後3人顔を見合わせて〈テレビとベッドサイズいくつbyI原>と送った
返信内容は<キングサイズと八十インチです>
「「「ふざけんな」」」
まぁ普通に言いたいだろ。だって想像できない。キングサイズってことはさ、俺らが使ってる寮のベッド二つ分か、それ以上だろ
寮のはシングル分なさそうなのにあいつ一人でこれ二つ分とか贅沢すぎるだろ
しかもテレビ八十インチってなに?俺そんなの見たことないけど。もしかして家電量販店とかである一番デカいテレビのことか?つーか部屋にテレビがあるって時点でおかしいだろ。どんだけ金持ってんだよあいつ!
〈すんません。部活もしかしたら土日行けないかもしれません。知り合いの人が俺のこと呼び出してて、体調崩したこと知られたんでもしかしたら説教丸二日されるんで行ける可能性が低くいです。大会中なのにすんません。大会の日までには万全にするんで。すんません、もうキツいんで寝ます〉
それっきりラインを送っても既読はされなかった。今までこんな風に終わることはなかった
もしかしたら俺があったのは青川じゃないかもしれないってことが頭をよぎった
・
あぶね、まさか横山先輩にまで話が行くとは思わなかった
まぁ皆本さんによく家にいるかって連絡がくるからそのとき用にとっておいたのが役に立ってよかった。あの人過保護だからよく今なにしてるか連絡来るからそのとき毎回家の写真撮って送ってた。消さなかったおかげでなんとかごまかせた
一つ言っておきたい。俺はあんな馬鹿デカいベッドとテレビは買ってない。この家を皆本さんがくれたときに、ASWa以外は充実した生活を送ってくれってすでに全部用意してくれてたんだ。これ正直でかすぎるけど部屋自体がマジででかいおかげでそんなに気になることはない
そしてプロ野球が大画面でみれてそこだけは嬉しい。リビングにも同じ大きさのテレビがあるけど部屋の方が光の射し込み具合とかが気に入ってるからこっちで見ることが多い
ひさしぶりにこの環境が異常なことに気づいた
「お時間です」
「っす」
いつも通り政府関係者が待機室に俺を呼びに来た。この人ももう二度と一般社会で生活できないほど深いところにいる。上には行けない、でもそこら辺の政府関係者よりも重宝される・・・はずだ
長い道を歩き、突き当たりの大きなドアの前まで来た
この扉の向こうに入って、ドアを閉めた瞬間
俺は一般市民の枠に入れなくなる。ここからは生ぬるい世界じゃない。ガチの殺し合いが始まる
それまで
あと
三分
デジタル時計をよく見ると”金”の文字
金曜日だ・・・そして午後六時
つまり、ASWaに参加しねぇと死ぬ!
俺どんだけ寝たんだよ、まずい腹も減ってるし頭も痛てえけど行かないと死ぬ。服着替えねぇと・・・。早歩きでマンションを出て、走り出した。足もあんまし動かないとにかく急いで走る
「青川!?」
確かに入り口に近い自販機は学校の近くで、その自販機に行くまでにコンビニの前を走る。でも今は部活の時間だからこんな所でA野の声が聞こえるはずがない。つーか今急いでるから立ち止まってる暇ねぇし、あいつの顔とか見えないから放置でいいや
「まてよ!」
後ろから足音が聞こえる、確実に追いつかれてる平地での短距離はあいつのが早い。追いつかれたら向こうの待機室で休めない。そっちのが辛い
仕方ないか。今はマジで体辛いけどそこら辺の木に飛んで木で移動した方が早い。つか、なんでこんな格好なのに俺だって見破れるんだよ。あいつどんだけ視力いいんだよ
今の服は真っ黒尽くしで顔が半分見えない。タンクトップに半袖のパーカー、作業着の長ズボンと口を覆うようにして黒のバンダナを結んでる。みんなの前じゃ黒の服は基本着ない。そんで顔も半分隠れて目と髪の毛しか見えない。なのによく・・・つかマジであいつなんでこの時間にコンビニに居んだよ。俺は近くの木に助走して太い枝に飛び乗ってそのまま次々木を飛び越していった
・
今日はグラウンドの点検で部活がなかったから先輩にパシられてコンビニまで来てて、コンビニを出たら黒の物体が前をよぎった。足はそんなに速くなかったけど、そんなことよりも一瞬顔が見えた。
鼻から下が隠れてて見えない変な男の人だけどすぐに分かった
「青川!?」
半分は感だったけど、それでも気づいた。いや気づけたか?なんか苦しそうに見えて、その顔が青川と繋がった
先輩に頼まれたものを持って青川に向かって走った。多分声は届いてる、でも聞こえないフリをされて走りつづけやがった
あいつ、昨日吐いて部活出れないって保健の先生に聞いて、今日も無断で朝練も学校も休んでたのに。なんであんな辛そうな顔して、変な格好してこんな時間に走ってんだよ
辛いなら今すぐ家帰って寝ろよ!誰も世話してくれるやつがいないなら寮にでも来いよ
お前のことならどの部員も歓迎するわ!お前いい加減自分が他人に好かれてるのを自覚しろよ
お前がいない二回の練習がどれだけ気迫がなかったかしらねぇだろ
今まで一回も休まなくてどんなに体調が悪くても部活にきて、そんで、誰よりもやる気が一番あったお前がドクターストップ出されるほど体調崩したんだ
みんな心配してる。なのに、何でこんなところで走るのだって辛そうなのに何かを思い出したように
今までの中で一番必死になって走ってんだよ!
それに苛ついて気が付いたら手加減なしに追いかけて大声で名前を叫んでやっても一切こっちを振り向かなかった。終いには道の脇にある木に向かってジャンプして忍者のように木を使って跳んでいった
一回飛ぶごとに速度が遅くなっていった。それでも最終的は撒かれて見失い、しかたなくそのまま寮に戻ってこれを同室の先輩に話した
「ねぇ、ホントに青川だったわけ?」
「マジで青川でしたよ。勘ですけど、青川だと思います」
話したらそれは同室のI原先輩と一緒にいた横山先輩がそれを自分たち以外には伝えるなと言われた
それが本当じゃなければ俺たちは青川を全員で疑ったことになるし証拠もない
今は春大真っ只中で部の雰囲気を壊す必要もないし、春大が終われば甲子園への予選が始まる。青川はレギュラーで人一倍裏での努力をしてたのを先輩方も認めてた。だからこそ今回のことは青川なりに理由があるんだろうってことになった
もちろん体調が悪いんだから家にいるのが確認できなければ叱るだけだ
<今どこ?>とラインを送ったら〈家>って返ってきた。もちろんそこは想定内で<家みたいから写真送れby横山>って送ったら数秒後に真っ白な掛け布団っぽい切れ端が一番下で見切れててデカすぎるテレビが一台映ってた。みる限り布団の中から撮影したのが分かる
家で寝てるってことに一度安心した後3人顔を見合わせて〈テレビとベッドサイズいくつbyI原>と送った
返信内容は<キングサイズと八十インチです>
「「「ふざけんな」」」
まぁ普通に言いたいだろ。だって想像できない。キングサイズってことはさ、俺らが使ってる寮のベッド二つ分か、それ以上だろ
寮のはシングル分なさそうなのにあいつ一人でこれ二つ分とか贅沢すぎるだろ
しかもテレビ八十インチってなに?俺そんなの見たことないけど。もしかして家電量販店とかである一番デカいテレビのことか?つーか部屋にテレビがあるって時点でおかしいだろ。どんだけ金持ってんだよあいつ!
〈すんません。部活もしかしたら土日行けないかもしれません。知り合いの人が俺のこと呼び出してて、体調崩したこと知られたんでもしかしたら説教丸二日されるんで行ける可能性が低くいです。大会中なのにすんません。大会の日までには万全にするんで。すんません、もうキツいんで寝ます〉
それっきりラインを送っても既読はされなかった。今までこんな風に終わることはなかった
もしかしたら俺があったのは青川じゃないかもしれないってことが頭をよぎった
・
あぶね、まさか横山先輩にまで話が行くとは思わなかった
まぁ皆本さんによく家にいるかって連絡がくるからそのとき用にとっておいたのが役に立ってよかった。あの人過保護だからよく今なにしてるか連絡来るからそのとき毎回家の写真撮って送ってた。消さなかったおかげでなんとかごまかせた
一つ言っておきたい。俺はあんな馬鹿デカいベッドとテレビは買ってない。この家を皆本さんがくれたときに、ASWa以外は充実した生活を送ってくれってすでに全部用意してくれてたんだ。これ正直でかすぎるけど部屋自体がマジででかいおかげでそんなに気になることはない
そしてプロ野球が大画面でみれてそこだけは嬉しい。リビングにも同じ大きさのテレビがあるけど部屋の方が光の射し込み具合とかが気に入ってるからこっちで見ることが多い
ひさしぶりにこの環境が異常なことに気づいた
「お時間です」
「っす」
いつも通り政府関係者が待機室に俺を呼びに来た。この人ももう二度と一般社会で生活できないほど深いところにいる。上には行けない、でもそこら辺の政府関係者よりも重宝される・・・はずだ
長い道を歩き、突き当たりの大きなドアの前まで来た
この扉の向こうに入って、ドアを閉めた瞬間
俺は一般市民の枠に入れなくなる。ここからは生ぬるい世界じゃない。ガチの殺し合いが始まる
それまで
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