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はじまりはじまり。
兄弟は振り返る。
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王族というものは、責任重大で大変なものである。
そういう認識は家庭教師がついて勉強する中で、周囲の大人達を見ているうちに、自然とできていた。
だからこその問題もある。
「子供の内から化粧ってどうよ。白粉とか香水とかきつかったりして酔う」
「この間のお茶会に参加してた侯爵家の長女。あの我儘っぷりも引くよね」
「本人あれで『可愛いおねだり』とか思ってるんだ。手に負えない」
「僕らを見る目。ぶっちゃけあれ肉食獣の目だよ? 怖いよ」
この日、アトレ王国第一王子ラインハルトと第二王子クラウディオはアトライア公爵家に来ていた。
従弟であるデューク・レナート兄弟との慰労会と称して。
思い出すのは先日アトレの王妃主催の茶会。
この日は子供同士の交流という名目で貴族位の家の少年少女が出席、当然、王子2人と公爵家の兄弟も出席していた。
要は王子達の側近及び婚約者候補の選別の為である。
「まあでも、あれで絶対に排除すべき存在が絞れたのは行幸かな」
「そうだね。僕等が溺愛していると知っててどうしてああも貶める言葉が言えるのか」
あのお茶会の日、同じく招待されていたアトライア公爵家の上の娘は風邪で欠席をしてた。
それを『姉妹揃って王家の招待を断った恥知らず』『わざとか弱いふりをして男にちやほやされるのが好きな令嬢』と嘲った者がいたのだ。
よりにもよって、あの姉妹を溺愛する兄や従兄達の前で。
だから少年達は笑顔で言ってやった。
「私達の前で、態々、王家の血を引く者を見下すんですから、きっと貴女はとっても素晴らしいご令嬢なのでしょうね。お顔に罅が入っている様ですが」
「それはまた、随分な教育をされていることだ。確か、西の侯爵家のご令嬢だったか。見目の良い男を選んで仕えさせるのが趣味と噂の」
「ああ成程、言われれば学生時代に数々の浮名を流されたあの方にそっくりだ。侯爵も可哀想に」
「そもそも下の妹はまだ5歳。社交界どころか公式な茶会に出席できる年齢になってないのですがね。その程度の常識も無いのですか、残念な頭です」
それはもう綺麗な笑顔で毒を吐いた。
当然、その少女とそれに同意していた一団はまとめて論外と見做す。
保護者として出席していた夫人は抗議したが、その際に彼女の口から飛び出した言葉がそれはもう不敬で傲慢なものだったので、「自分以外を見下すその姿勢、まったくお変わりありませんのね?」と王妃の怒りを買った。
「あの家からはうちにも婚約の話を持ち込まれてたからね。良い断りのネタになったって父も喜んでたよ」
「うちもそうだな。侯爵自身は人柄良いんだが」
招待状を隠され王妃主催のお茶会自体を知らなかった彼とその正妻は、アトレ王家とアトライア公爵家に謝罪した。
両家は彼の家の事情を知っているので、大変夫妻に同情的である。
「あの女の息子も、良い噂を聞かないね」
「正妻の方の息子は礼儀正しいし頭の回転も良いぞ」
「知ってる」
侯爵とその正妻の息子は、ぶっちゃけ第一王子の側近候補だ。彼を潰される訳にはいかない。
「……実はもう一つ対策建てなきゃならないかもしれないことがあるんだ」
ちょっと困ったような顔で、デュークは溜息を落とす。
ラインハルトは弟の方に視線を向けるが、レナートは知らないとばかりに首を振る。クラウディオも首を傾げた。
「デューク、どういうことだ?」
「うん。それが、」
リンに、暗殺者が憑いたみたいなんだ。
『……はあっ!?』
そういう認識は家庭教師がついて勉強する中で、周囲の大人達を見ているうちに、自然とできていた。
だからこその問題もある。
「子供の内から化粧ってどうよ。白粉とか香水とかきつかったりして酔う」
「この間のお茶会に参加してた侯爵家の長女。あの我儘っぷりも引くよね」
「本人あれで『可愛いおねだり』とか思ってるんだ。手に負えない」
「僕らを見る目。ぶっちゃけあれ肉食獣の目だよ? 怖いよ」
この日、アトレ王国第一王子ラインハルトと第二王子クラウディオはアトライア公爵家に来ていた。
従弟であるデューク・レナート兄弟との慰労会と称して。
思い出すのは先日アトレの王妃主催の茶会。
この日は子供同士の交流という名目で貴族位の家の少年少女が出席、当然、王子2人と公爵家の兄弟も出席していた。
要は王子達の側近及び婚約者候補の選別の為である。
「まあでも、あれで絶対に排除すべき存在が絞れたのは行幸かな」
「そうだね。僕等が溺愛していると知っててどうしてああも貶める言葉が言えるのか」
あのお茶会の日、同じく招待されていたアトライア公爵家の上の娘は風邪で欠席をしてた。
それを『姉妹揃って王家の招待を断った恥知らず』『わざとか弱いふりをして男にちやほやされるのが好きな令嬢』と嘲った者がいたのだ。
よりにもよって、あの姉妹を溺愛する兄や従兄達の前で。
だから少年達は笑顔で言ってやった。
「私達の前で、態々、王家の血を引く者を見下すんですから、きっと貴女はとっても素晴らしいご令嬢なのでしょうね。お顔に罅が入っている様ですが」
「それはまた、随分な教育をされていることだ。確か、西の侯爵家のご令嬢だったか。見目の良い男を選んで仕えさせるのが趣味と噂の」
「ああ成程、言われれば学生時代に数々の浮名を流されたあの方にそっくりだ。侯爵も可哀想に」
「そもそも下の妹はまだ5歳。社交界どころか公式な茶会に出席できる年齢になってないのですがね。その程度の常識も無いのですか、残念な頭です」
それはもう綺麗な笑顔で毒を吐いた。
当然、その少女とそれに同意していた一団はまとめて論外と見做す。
保護者として出席していた夫人は抗議したが、その際に彼女の口から飛び出した言葉がそれはもう不敬で傲慢なものだったので、「自分以外を見下すその姿勢、まったくお変わりありませんのね?」と王妃の怒りを買った。
「あの家からはうちにも婚約の話を持ち込まれてたからね。良い断りのネタになったって父も喜んでたよ」
「うちもそうだな。侯爵自身は人柄良いんだが」
招待状を隠され王妃主催のお茶会自体を知らなかった彼とその正妻は、アトレ王家とアトライア公爵家に謝罪した。
両家は彼の家の事情を知っているので、大変夫妻に同情的である。
「あの女の息子も、良い噂を聞かないね」
「正妻の方の息子は礼儀正しいし頭の回転も良いぞ」
「知ってる」
侯爵とその正妻の息子は、ぶっちゃけ第一王子の側近候補だ。彼を潰される訳にはいかない。
「……実はもう一つ対策建てなきゃならないかもしれないことがあるんだ」
ちょっと困ったような顔で、デュークは溜息を落とす。
ラインハルトは弟の方に視線を向けるが、レナートは知らないとばかりに首を振る。クラウディオも首を傾げた。
「デューク、どういうことだ?」
「うん。それが、」
リンに、暗殺者が憑いたみたいなんだ。
『……はあっ!?』
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