話し相手

渡す意味

隠し事

「今日は久しぶりにケーキでも食べようかな～♪ん？」
きれいな花…たまたま通りすがる人々を魅了するその花は、とても美しかった。しかし、エンシには、その花から禍々しいなにかを感じた。

初めまして
「…」
なんとなく、魅入ってしまう花…
「…」
小ぶりで可愛らしく、白い花びらが心を奪う。
「…」
しかし、なぜか、根が腐ってるような嫌な感じもする。
「…」
それすらも愛おしく思える…
「こ…へ…」
「いらっしゃいませ」
「うぉぉぁぁ！て…店員さんか…脅かさないでくださいよ…」
「申し訳ございません。その花に随分魅入られたようでしたのでね。」
「あ…あぁ。なんだかな。」
「よろしければ買われますか？一本98円ですが。」
「いや、いいよ。あそうだ。バラ15本あるか？渡したいやつがいてね。」
「バラは人気ですね。」
「愛の象徴みたいな雰囲気だからね。」
「バラ15本ですね。すぐお持ちいたします。」
「ああ。…あの花…あの！やっぱあの花も1輪…」
「かしこまりました」
…
「ありがとうございました」
「うん。ありがと。きれいな花だ。」
「ありがとうございます。私の手入れですから。」
「もしかしたらまた来るよ。」
「ええ」
エンシには、その笑顔がなんでか、始めの花のように吸い込まれるようなでも恐ろしい何かがあるきがした。