話し相手

糸子(イトコ)

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渡す意味

花の小道

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「もう…いや…こんな世界なんて嫌いだ。なにもかも嫌いだ。こんな場所なんて!…この高さなら、逝けるかな…」

アサガオコシ
「ん?ここは…」
「あ、目覚めた?」
「私は…死ねなかったのか…」
「いや、ちゃんと死んでる。脳はぐちゃぐちゃ。骨はバキバキ。周りは血でびちゃびちゃ。あのマンションの人からしたら、さぞ迷惑なことだろうに。」
「………あなたは…」
「僕?僕は花屋の店長だよ。まぁそれは…いいんだ。君には手伝ってほしいことがある。その代わりに、君に喜びを与えよう。」
「どんな?」
「君の喜びはなにかな?」
「…わたしは手伝わない。輪廻転生にでも行くよ。」
「捕まえろ」
「んぐっ!」
「残念ながら死人に口なし。黙って従え。」
「んん!んん!」
「妖怪となった君には、ある程度働いてもらう。僕達の楽園のために。幸せのためだ。ある程度の精神的ダメージは問わない。」
「んー!」
「死人に口なしつってんだろうが!ん?」
「ん?」
「アサガオコシが光った。朝だね。開店準備を始めよう。君たちはあいつらにバレないよう隠れて。君も。バレたら痛い目見ちゃう。」
「んん…」
「もう口は出してあげて。まぁ妖怪に口なんて概念はないけど。イメージが口を作り出して、抑えられてると思い込んで喋れない。哀れだな~そんな貧相な考え。」
「この…くそ…」
「死んでもこんなものだよ。アサガオコシの世話でもしてくれ。軽くバーナーで炙るだけだから。」
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