社畜の異世界転移〜一般人なら普通こうなる〜

睡蓮/suilen

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〜一章〜

8話

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 よし、今日は魔素の実験だ。

 昨日の魔法の実験で、魔素操作のレベルが上がったみたいで、かなり操作しやすくなってる。

 魔素の実験といっても、魔素が魔法になるかどうかを調べるだけなんだけどね。
 私調べでは、体内にある魔素が魔力で、
自然にある物が魔素だと思っている。
 魔力で魔法が一様使えるようだから、魔素でも使えるんでは無いだろうかと考えてみたんだ。
 魔素の属性は昨日大体は把握したから、一番危険のなさそうな木属性の魔素から試してみよう。

 魔力球で試した時は、木や周りのクラが
成長したから、植物を司る魔素なのかもしれないな。

 まぁ、取り敢えず緑の魔素を集めて、昨日開けた穴を塞げるか試してみよう。


 魔素を開いた部分に染み込ませる様に押し込んで…
 おっ、木の境から盛り上がってきた。
 この調子でどんどん入れていったら…
 よし、治った。
 面白いなこれ、元に戻るのかと思ったら、新しい木が成長して、穴を塞いでいった。

 もしこれが、植物以外にも出来るなら、自然治癒能力を一気に高める事が出来て傷が簡単にふさがるんでは無いだろうか?

 まぁ、自分の体で試そうとは思わないので、動物とかいるなら申し訳ないけど、実験台になってもらおう。


 取り敢えず、魔素で魔法が使えるのはわかったので、良かった。

 次は岩属性の魔素だ。
 岩壁を作ったから、岩を作る事ができるんだろうけど、形はどうとでもなるのか?

 まずは、岩らしい岩を作る。
 勿論成功。

 次は、丸くて凹凸のない岩を作る事。
 おぉ、以外に出来た。
 丸で出来るなら、どんな図形でも出来そうだ。

 その次は、厚みは変更できるのか?
 まな板みたいに薄くして…
 これも成功。

 本当にどんな形にもなるな…
 工具とか作れたりするのか?
 

~製作中~


 かなりの量が出来た。
 斧に鋸、鎌やスコップetc・・・

 素材が岩だから、簡単に折れそうだなと思い、岩の硬度を変えられるか調べると、面白いぐらいに変わった。
 触ると凹むくらいの硬度から硬くした岩におもいっきり叩きつけても折れないくらいに硬い硬度まで細かく変えられるみたいだ。
 ドライバーやネジも作ったので、色々作る事が出来そうだ。

 こんなに作っておいてなんだけど、置く場所がないので、木を切って倉庫の様なものを作らないといけない。

 魔素の実験が終わったら早速作ろう。
 そう考えていたところ、あることに気がついた。
 四角い形の岩を作ってその中を空洞にすることは出来ないのか? と…

 早速、岩の中を空洞にできるか、小さい岩で試したところ出来てしまった。

 昨日、風魔力球で切った木があるところに作って見たら、あっという間に出来た。 
 
 少し不安なので、中に木を刺して支えにしておいた。
 
 簡単に倉庫が出来てしまった。
 仮倉庫なので、今は詰め込めるだけ詰め込んで置く。
 ワイシャツ鞄はもう必要ないので、中身を倉庫に置いてワイシャツを着ておく。
 背中から草の匂いがかなりするが、嫌いな匂いでは無いので気にしないでおく。

 さて、本題に戻って、次は土属性だ。
 あまり出来そうな事は無いが、使い方だけでも考えて置いた方が困らないので考えておく。
 
 土は砂っぽいものから、水を多く含んだ様な粘土の様なものまである。
 こちらも岩と同じで細かく変更できる様だ。
 と、言っても使い方があまり分からないので、目くらましに土をぶつけるぐらいしか思いつかない。 
 また、新しい案が見つかるまで置いておくとしよう。
 続いては闇属性だ。
 黒い靄の様になるので、私が戦ったあの狼達はこの魔素から発生した物なのかもしれない。
 こちらも目くらまし程度しか思いつかない。
 夜に体に纏えば、どこにいるか分からなくなるだろうから、夜の戦闘とかには役にたつかもしれない。

 そして最後。
 風属性だ。
 1番自分の中で危険性の高い魔素だと思っている。
 身を守る為には使おうと思うが、あまり積極的に使いたいとは思わない。
 しかし使い方を考えておかないわけにはいかないので、考えておく。
 
 鎌鼬を作る事ができる事は分かっているので、魔力球の様に一定の場所だけで風をグルグル回して、その塊を飛ばす事ができるのか試してみる。
 
 まず、一定の場所に風を集めて、回して…
 それを木にぶつける。


パシュンッッズズッ


 出来た。
 当たったと同時に弾けて全方位に鎌鼬を飛ばした。
 誰かと戦うわけでも無いので、攻撃手段は鎌鼬とこれの2つでいいか。

 風は木を切るほどの威力があるので実用的に使えそうだ。


 こんな感じで、魔素の実験は終了でいいか。

 以外と早く終わって、まだ昼時だ。
 飯を食べて、クラの薬草を採取するか。
 そう思って作った倉庫に入ろうとした時だった。



 『ふふっ、君面白いね。』


 体がビクッと跳ねた。
 心臓が止まるかと思った。
 ていうか、誰だ、頭に直接語りかけるみたいに話してきたやつ。
 そもそも、何で頭に直接語りかけなきゃいけないんだよ。 
 直接話せよ。

 そう思い、辺りを見渡した。
 誰もいない。

 えっ、マジで誰もいない、誰から話しかけられたんだ?

 『こっちですよ。』

 まただ、こっちってどっちだよ。
 本当、何処にも何もないんだって。

 そう思っていたら、いきなり真ん前にザ・精霊みたいな、羽根の生えた人?が現れた。

「すみません、姿を見せるのを忘れていました。」

 満面の笑みでこちらを見てくる。

 こちとら何が何だかんだ分からないのですが。
  
 私が呆けていると、精霊さん?の方から喋りかけてきた。 


「いきなり喋りかけてしまってすいませんね。
少し混乱してしまいましたか?
あっ、そう言えば、自己紹介がまだでしたね!
私《大精霊》のシルフィードと言います!
シルフィって呼んでくださいね!
私、こう見えても凄い精霊なんですよ!」

 たわわに実った胸を張ってニコニコ笑っている。
 
 話が進みすぎて理解が出来ないけど、取り敢えず、どうして私に話しかけたのか、それが知りたい。
 そう思い口に出そうとするとまた喋り出した。

「どうして話しかけたか、ですか?
ええっと…その理由は2つあってですね、1つ目は単純に見てて面白かったから!
2つ目は、魔力量が多くて、私と契約できそうだったから!
この2つだよ!」

 見てて?え?見てたの?てか、何で喋ってないのに、会話が成立してるんだ?

「それはね、私、思考が読めるんだ~!
凄いでしょ?それで、貴方の行動とか考えが面白くて、思わず話しかけちゃった!」

 こちらが真面目にやってる事が面白いんですか…
 まぁ、それはいいとして、契約ってどういうことですか?

「えっとね、精霊って誰かに契約しないといけないっていう決まりがあるの。
それで普通はエルフとかと契約する子が多いんだけど、私と契約できる魔力の量を持ってる子がいなくて、決まりを破っちゃうーって時に貴方を見つけたの!
魔力量も多いし、面白いし、契約できたらいいなってね。」

 へぇ、そんな決まりがあるんだ。
 こちらとしては、こんな可愛い精霊と契約できていいのかと思うけど、なんかずっと一緒にいなければいけないとかあると、自由が無くて可愛そうだけど?
 そこらへんは大丈夫なのか?

「ずっと一緒にいなきゃいけないとかは無いから大丈夫。
その返事って事は契約してもいいよね!」

 私でいいなら、お願いしたいけど、どうやってするんだ?

「それはこっちに任せて!」

 そういうと、シルフィは私の額にキスをした。

 「これで契約成立!」

 一瞬だった。
 何か変わった様子もない。
 流れで契約してしまったけれど、どんな効果があるかすら聞いてなかった。
 どんな効果があるんだ?

 「貴方のメリットといえば、魔素操作がしやすくなるのと、魔力とMPが上がるのと、私と離れててもお話しできるくらいかな?
 あとは、私が得することばっかだから。
 でも、貴方が損することもないから、どちらにもいい事があるって事!」

 なるほど。
 そういえば魔力量が多いって言ってたけど、魔力ってどれくらいが普通なんだ?

 「人と会った事が無いから、あんまりわかんないけど、エルフだったら150くらいかな?(多くてそのくらい)」


 なるほど。
 (少なくて)そのくらいなのか。
 なら、まだ増えて言ってるし、大丈夫そうだな。

 「じゃあ、私また貴方の事見ているから、聞きたい事があったら聞いてね!」

 ちょっと待ってくれ。
 聞いたい事なら沢山ある。
 ここらの地理はどうなっているんだ?

 「うーん、大雑把になるけど、いい?」

 少しでも教えてもらえるなら、有り難い。

「わかった!
 まず、この世界の中心はこのオキノキの
大樹林帯で覆われていて、北半球は未開拓地で、そこに行ったことがあるのは、私が知ってるだけでも数人しかいないわ。

 南半球は3つの大陸に分かれていたて、獣人の住む大陸と魔物の住む大陸と主に人間が住む大陸があるの。

 ここから1番近いのは、魔物の大陸よ。

 3大陸の中でも1番でかいから、人間の大陸に行くには、かなり時間がかかるわ。
 獣人の大陸が若干近いけど、人間を嫌ってるから行かないほうがいいわ。
 消去法で魔物の大陸になるけど、今の貴方なら大丈夫ね!」

 へぇ、大雑把って言ってもかなり知ってるんだな。
 兎に角早く、人間の大陸に行きたいな。
 魔物の大陸のどこが大丈夫なのか知りたいが、そこを突っ切るしか無いので、覚悟を決めておこう。
 もう一つ聞いておきたいことがある。
 今、俺の言葉って通じるのか?

「なぁ、俺の言ってる言葉わかるか?」

 試しに声に出してみる。

「勿論!私はどの生物の言葉も話せるからね!」

 それじゃ意味ない。
 同じ人種に通じるかってこと。

「?何言ってるの?転移者がこの世界に適合したら、自分の種族の言葉を話せるようになるんだよ?
 普通は、何らかの方法でレベルを1上げてこの世界に適合させるんだよ。
 あっ、でも他の種族と話すときは、その種族の言葉を覚えなきゃいけないよ?」

 それだけ聞けたら満足だ。
 この森から出る為の不安が一つ解消されたよ。
 有り難う。

「役に立てたなら、本望だよ!
 また、暇な時にでも見てるから、困ったことがあったら、私のことを思って見て。
 契約で繋がってる限り、貴方の場所に飛んでいけるから!」

 本当に有り難い。
 最初は戸惑ったけど、契約して良かったよ。

 「こちらこそ!じゃあ、またね!」

 そう言って、強い風が押し付けてシルフィはあっという間にいなくなっていた。

 本当に風の様な精霊だ。

 取り敢えず、魔物の大陸を突っ切るしか無い。
 でも、どのくらいの距離を行かなければいけないのか、荷物はどうするのか、色々問題は山積みだ。
 これから解決していこう。

 取り敢えず、今日はもう日が落ちた。
 シルフィと喋りすぎてしまった様だ。
 時間はたっぷりある。
 これから考えていこう。

 そうして、また1日を終えた。
 
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