終セい紀

昔懐かし怖いハナシ

文字の大きさ
3 / 33

三話

しおりを挟む
 そんな道を通り、マルは大きな屋敷に来た。そこは、ある力をつけた男が仕切っている場所だ。一部の人では、まとまって集団で生きる人達がいる。そんな人達が集まる場所が、この屋敷だ。また、集まって生きたい人が登録し、募集したりされたりする場所でもある。
 マルは、基本一人で生きる為、彼らは必要ない。しかし、何故そこに来たのだろうか。
 マルは、不格好な鉄の屋敷へと、足を踏み入れた。中には、沢山の人がいて、酒を飲んだりしていた。そして、ある人に声をかけた。
「あの部品はあるか?」
「あるぜ!鉱石と交換な。」
「よし、いいだろう。」
機械に必要な部品を収集していた。
「おいお前、俺の所に来ないか?今なら、二番目として、地位を確立させてやる。」
「いや、俺たちとならないか?特別に、優遇してやるよ。」
沢山のボスらしき人が、マルに話しかけてきた。しかし、
「俺は、自分でしか行動できないって、知っているだろう?」
その人混みを避け、酒を貰いに言った。
「いつもの、ブラッドで。あの人は何やってるんだ。」
ある人は、白目を向いて寝ていた。
「あぁ、この店のオーナーが開発した、人工ドラッグ、アモンだ。それは、中毒性があるが、死にはしないぜ。それを飲んで、あんなふうになっているのさ。お前はどうだ?最初は、ただ(無料)だよ。」
酒と一緒に、男は丸いカプセルを取り出した。
「いや、いいよ」
そして、酒を飲んだ。
「昔から、変わんねーな。酒っていうのは。これもまた、止められねぇな。体に悪いもんだぜ。」
マルは、飲み干したコップと、機械を置いてその場から離れた。
 同じ道を通って帰った。日夜問わず、女の悲鳴が聞こえる。子供の泣き声も聞こえる。誰も、止めに入らない。自分の身は自分で守るしかないんだ。
 マルは、ある爺に目を向けた。爺は、骨董品を道端で売っていた。そんなものに興味を持たないマルだったが、彼に興味を持った。
「見かけない人だな。どこから来た?」
足を止め、話しかけた。
「自分は、旅をしている者だ。ちょっと、体をこわしてしまって、この街で身を休めている。あちこちにある物を集めていてな。これを見てくれ。」
ある箱を取り出し、開けてみせた。中から、丸い薄い膜に覆われた、空気の塊が大小問わず、出てきた。しかし、地面に当たるとすぐに壊れてしまった。
「面白い、これは。傑作品じゃないか。一つ欲しい。それが欲しい。」
「アイヨ!」
聞いたことのない、言葉を発したが、無視をした。
「おいおい、天才少年坊やが、玩具を買っているぞ。」
笑い声とともに、三人のガタイの良い男が、爺の店の前に止まった。
「どきな。お前には、興味がないからな。」
一人が強くぶつかり、マルは頭を打ち付けた。頭を抱えながら、腰のナイフに手をかけた。しかし、よく考えると三人は、長い刃物を持っていた。マルは、古い本で見たことがあった。
「これはな、大昔戦争で使われていた、刀っていうやつだ。ある、洞窟で見つけてな。すぐに、スパッと殺れるんだぜ。さあ、その箱ぜーんぶもらおうじゃないか。」
マルは、短いナイフでは歯が立たないと感じた。逃げるしかなかった。
「おい!坊や待て。」
別の男が、言った。
「ほっとけ。さあ、全部もらうぞ」
一人が、袋に全部投げ込んだ。
「その箱もわたせ。」
爺は相変わらず、黙っていたが、右手にはある箱を持っていた。しかし、爺はその箱を開け放った。三人に向けて。
「なんだ。」
三人は、その箱に吸い込まれていった。小さくなりながら、、、
そして遂に爺は、パタンと箱を閉じてしまった。
 この光景を、逃げながらマルは見ていた。
 そして爺は、片付けをして立ち去っていった。
「待てよ、爺。逃げてごめん。助けられなかった。」
「良いんだよ。まだ、子供だし。そして、この環境を考えたら、逃げるのが普通だ。で?何のようだ?」
「俺、始めて人に興味持ったかも。どうだ?うちのコロニーに来ないか?寝る場所ないだろ?」
「お?」
マルは、小さな機械を渡した。
「これは、人の場所を映すレーダーだ。近くに人がいると、感知するようになって、バイブする。そして、ある人を記憶させると、バツマークが出るようになる。ひと目で、危険は回避される、って言うしろもんだ。これあげるから、来てくれよ。」
爺は、うなずいた。
「これは、貰っておこう。こんな不思議な機械は見たことがない。ありがたく、コレクションにさせてもらう。」
「じゃあ、来てくれるか?」
「お前さんの、コロニーばどこだ?」
マルは、嬉しかった。始めて人に興味を持った。
 マルは、いつも刺激を求めていた。古い小説で見た、感情とやらを日常に求めていたのだ。それは、物や人から受けるものらしい。だから、マルは心の中では人を求めていたのかもしれない。

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

処理中です...