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三話
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そんな道を通り、マルは大きな屋敷に来た。そこは、ある力をつけた男が仕切っている場所だ。一部の人では、まとまって集団で生きる人達がいる。そんな人達が集まる場所が、この屋敷だ。また、集まって生きたい人が登録し、募集したりされたりする場所でもある。
マルは、基本一人で生きる為、彼らは必要ない。しかし、何故そこに来たのだろうか。
マルは、不格好な鉄の屋敷へと、足を踏み入れた。中には、沢山の人がいて、酒を飲んだりしていた。そして、ある人に声をかけた。
「あの部品はあるか?」
「あるぜ!鉱石と交換な。」
「よし、いいだろう。」
機械に必要な部品を収集していた。
「おいお前、俺の所に来ないか?今なら、二番目として、地位を確立させてやる。」
「いや、俺たちとならないか?特別に、優遇してやるよ。」
沢山のボスらしき人が、マルに話しかけてきた。しかし、
「俺は、自分でしか行動できないって、知っているだろう?」
その人混みを避け、酒を貰いに言った。
「いつもの、ブラッドで。あの人は何やってるんだ。」
ある人は、白目を向いて寝ていた。
「あぁ、この店のオーナーが開発した、人工ドラッグ、アモンだ。それは、中毒性があるが、死にはしないぜ。それを飲んで、あんなふうになっているのさ。お前はどうだ?最初は、ただ(無料)だよ。」
酒と一緒に、男は丸いカプセルを取り出した。
「いや、いいよ」
そして、酒を飲んだ。
「昔から、変わんねーな。酒っていうのは。これもまた、止められねぇな。体に悪いもんだぜ。」
マルは、飲み干したコップと、機械を置いてその場から離れた。
同じ道を通って帰った。日夜問わず、女の悲鳴が聞こえる。子供の泣き声も聞こえる。誰も、止めに入らない。自分の身は自分で守るしかないんだ。
マルは、ある爺に目を向けた。爺は、骨董品を道端で売っていた。そんなものに興味を持たないマルだったが、彼に興味を持った。
「見かけない人だな。どこから来た?」
足を止め、話しかけた。
「自分は、旅をしている者だ。ちょっと、体をこわしてしまって、この街で身を休めている。あちこちにある物を集めていてな。これを見てくれ。」
ある箱を取り出し、開けてみせた。中から、丸い薄い膜に覆われた、空気の塊が大小問わず、出てきた。しかし、地面に当たるとすぐに壊れてしまった。
「面白い、これは。傑作品じゃないか。一つ欲しい。それが欲しい。」
「アイヨ!」
聞いたことのない、言葉を発したが、無視をした。
「おいおい、天才少年坊やが、玩具を買っているぞ。」
笑い声とともに、三人のガタイの良い男が、爺の店の前に止まった。
「どきな。お前には、興味がないからな。」
一人が強くぶつかり、マルは頭を打ち付けた。頭を抱えながら、腰のナイフに手をかけた。しかし、よく考えると三人は、長い刃物を持っていた。マルは、古い本で見たことがあった。
「これはな、大昔戦争で使われていた、刀っていうやつだ。ある、洞窟で見つけてな。すぐに、スパッと殺れるんだぜ。さあ、その箱ぜーんぶもらおうじゃないか。」
マルは、短いナイフでは歯が立たないと感じた。逃げるしかなかった。
「おい!坊や待て。」
別の男が、言った。
「ほっとけ。さあ、全部もらうぞ」
一人が、袋に全部投げ込んだ。
「その箱もわたせ。」
爺は相変わらず、黙っていたが、右手にはある箱を持っていた。しかし、爺はその箱を開け放った。三人に向けて。
「なんだ。」
三人は、その箱に吸い込まれていった。小さくなりながら、、、
そして遂に爺は、パタンと箱を閉じてしまった。
この光景を、逃げながらマルは見ていた。
そして爺は、片付けをして立ち去っていった。
「待てよ、爺。逃げてごめん。助けられなかった。」
「良いんだよ。まだ、子供だし。そして、この環境を考えたら、逃げるのが普通だ。で?何のようだ?」
「俺、始めて人に興味持ったかも。どうだ?うちのコロニーに来ないか?寝る場所ないだろ?」
「お?」
マルは、小さな機械を渡した。
「これは、人の場所を映すレーダーだ。近くに人がいると、感知するようになって、バイブする。そして、ある人を記憶させると、バツマークが出るようになる。ひと目で、危険は回避される、って言うしろもんだ。これあげるから、来てくれよ。」
爺は、うなずいた。
「これは、貰っておこう。こんな不思議な機械は見たことがない。ありがたく、コレクションにさせてもらう。」
「じゃあ、来てくれるか?」
「お前さんの、コロニーばどこだ?」
マルは、嬉しかった。始めて人に興味を持った。
マルは、いつも刺激を求めていた。古い小説で見た、感情とやらを日常に求めていたのだ。それは、物や人から受けるものらしい。だから、マルは心の中では人を求めていたのかもしれない。
マルは、基本一人で生きる為、彼らは必要ない。しかし、何故そこに来たのだろうか。
マルは、不格好な鉄の屋敷へと、足を踏み入れた。中には、沢山の人がいて、酒を飲んだりしていた。そして、ある人に声をかけた。
「あの部品はあるか?」
「あるぜ!鉱石と交換な。」
「よし、いいだろう。」
機械に必要な部品を収集していた。
「おいお前、俺の所に来ないか?今なら、二番目として、地位を確立させてやる。」
「いや、俺たちとならないか?特別に、優遇してやるよ。」
沢山のボスらしき人が、マルに話しかけてきた。しかし、
「俺は、自分でしか行動できないって、知っているだろう?」
その人混みを避け、酒を貰いに言った。
「いつもの、ブラッドで。あの人は何やってるんだ。」
ある人は、白目を向いて寝ていた。
「あぁ、この店のオーナーが開発した、人工ドラッグ、アモンだ。それは、中毒性があるが、死にはしないぜ。それを飲んで、あんなふうになっているのさ。お前はどうだ?最初は、ただ(無料)だよ。」
酒と一緒に、男は丸いカプセルを取り出した。
「いや、いいよ」
そして、酒を飲んだ。
「昔から、変わんねーな。酒っていうのは。これもまた、止められねぇな。体に悪いもんだぜ。」
マルは、飲み干したコップと、機械を置いてその場から離れた。
同じ道を通って帰った。日夜問わず、女の悲鳴が聞こえる。子供の泣き声も聞こえる。誰も、止めに入らない。自分の身は自分で守るしかないんだ。
マルは、ある爺に目を向けた。爺は、骨董品を道端で売っていた。そんなものに興味を持たないマルだったが、彼に興味を持った。
「見かけない人だな。どこから来た?」
足を止め、話しかけた。
「自分は、旅をしている者だ。ちょっと、体をこわしてしまって、この街で身を休めている。あちこちにある物を集めていてな。これを見てくれ。」
ある箱を取り出し、開けてみせた。中から、丸い薄い膜に覆われた、空気の塊が大小問わず、出てきた。しかし、地面に当たるとすぐに壊れてしまった。
「面白い、これは。傑作品じゃないか。一つ欲しい。それが欲しい。」
「アイヨ!」
聞いたことのない、言葉を発したが、無視をした。
「おいおい、天才少年坊やが、玩具を買っているぞ。」
笑い声とともに、三人のガタイの良い男が、爺の店の前に止まった。
「どきな。お前には、興味がないからな。」
一人が強くぶつかり、マルは頭を打ち付けた。頭を抱えながら、腰のナイフに手をかけた。しかし、よく考えると三人は、長い刃物を持っていた。マルは、古い本で見たことがあった。
「これはな、大昔戦争で使われていた、刀っていうやつだ。ある、洞窟で見つけてな。すぐに、スパッと殺れるんだぜ。さあ、その箱ぜーんぶもらおうじゃないか。」
マルは、短いナイフでは歯が立たないと感じた。逃げるしかなかった。
「おい!坊や待て。」
別の男が、言った。
「ほっとけ。さあ、全部もらうぞ」
一人が、袋に全部投げ込んだ。
「その箱もわたせ。」
爺は相変わらず、黙っていたが、右手にはある箱を持っていた。しかし、爺はその箱を開け放った。三人に向けて。
「なんだ。」
三人は、その箱に吸い込まれていった。小さくなりながら、、、
そして遂に爺は、パタンと箱を閉じてしまった。
この光景を、逃げながらマルは見ていた。
そして爺は、片付けをして立ち去っていった。
「待てよ、爺。逃げてごめん。助けられなかった。」
「良いんだよ。まだ、子供だし。そして、この環境を考えたら、逃げるのが普通だ。で?何のようだ?」
「俺、始めて人に興味持ったかも。どうだ?うちのコロニーに来ないか?寝る場所ないだろ?」
「お?」
マルは、小さな機械を渡した。
「これは、人の場所を映すレーダーだ。近くに人がいると、感知するようになって、バイブする。そして、ある人を記憶させると、バツマークが出るようになる。ひと目で、危険は回避される、って言うしろもんだ。これあげるから、来てくれよ。」
爺は、うなずいた。
「これは、貰っておこう。こんな不思議な機械は見たことがない。ありがたく、コレクションにさせてもらう。」
「じゃあ、来てくれるか?」
「お前さんの、コロニーばどこだ?」
マルは、嬉しかった。始めて人に興味を持った。
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