終セい紀

昔懐かし怖いハナシ

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ようやく見つけたもの

一七

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 暗くて見えない。そんな状況が続くと思った。だが、足を何歩か踏み入れると鉄の扉はガチャッと閉じ、暗闇から一転した。そこは、ある一本道だった。奥にはもう一つ、入り口の扉とは一回り小さい扉がある。
 二人はまだ無言のままだった。壁はむきだしの状態…ではなく、しっかりとした白くてつやのある石に覆われていた。天井にもそれはあるが、光を出すくぼみあった。眩しくて長く空を見つめる事はできなかった。
『いらっしゃいませ。』
そう言う声が、一本道に響いた。二人は驚き、動揺が隠せない様子だった。マルは、無意識に逃げ腰になっていた。
 しかし、近くには二人以外誰もいない事を確認し、その音のする方へ耳をかたむけた。
「ここから、聞こえなかったか?」
「そうだな。多分ここだ。」
壁に穴が空けられている場所を見た。それは、壁の向こうまで続いている筒のようなものだった。
 気を取り直し、奥のドアまで来た。少しあたりをキョロキョロしながら、右扉についている赤いボタンを押した。多分このボタンがドアを開く“カギ”だろうと見越して。
 バタンと音を立てて、ドアが開いた。二人はまだ辺りを見渡していた。
 ここでようやく二人は口を開いた。
「もう何が起きても、不思議じゃない場所だな。」
爺は、なんの仕掛けがあるのか予想がつかなくて、恐れていた。
「ああ。今度は、二人で確かめてから触るぞ。なんにも触れるなよ。」
マルは、分からない所から何かが攻撃してくる事を、恐れていた。
 そのドアの中は立方体の空間だった。そこにはおよそ四人までは入る事ができそうだった。
『閉まります。』
再び女の人のような声が、その空間に響いた。
 ドアはゆっくりと閉まり、上下左右前後とも真っ白い部屋へと閉じ込められた。その途端、ガタッと音がしたと思うと、二人を乗せて下へ行くようだった。マルのコロニーにあったエレベーターと違い、揺れが少なく動きもぎこちなく感じた。
 その空間は、エレベーターの動く音以外静寂な間だった。
『開きます。』
三回目の声は、さすがに驚く事はなかった。
 ドアはゆっくりと開き、扉の向こう側は明かりが瞬時に点いた。その時、地下と思えないぐらいの広い空間があった、二人の目の前にはあった。




「ここは?」
広いだけの空間だったら、虚しい。だが、そこにはたくさんの“物”が置いてあった。いや、散乱していた。
 見たことのない食べ物もあった。袋は空いており、まるで人が住んでいたかのような形跡もあった。
「誰かが住んでいたらしいな。」
爺は、一番手前にあった紙を手に取り、それをながめた。文字がびっしりと書いており、爺には読めなかった。
 マルは、丸い模型みたいな物を見つけた。それをぐるぐると回した。
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