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ようやく見つけたもの
二一
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「この先が、ユートピアだ。地下を掘り、特殊な機械を使っても結構な時間がかかった。」
鉄のドアを開け放した。錆びていたのか、少し抵抗があったように感じた。
「あれ?道しかないぞ。」
ドアの向こうは、暗くて長い一本道だった。
「この先、ずっと行ったほうだ。
ここは入り組んでいてな、反乱者がもし侵入しても、本当の道を知っているのは、俺だけ。
お前たちも、この先に入ると帰れなくなる。気をつけろよ。命がなくことさえあるかも。」
「仕掛け…とか、ある?」
「ああ。独自のな。」
マルは、コロニーにある落とし穴や針落としなど想像した。もっとすごい物があるんじゃないかと、見たくてたまらなかった。が、命がなくなる事を恐れ、その好奇心はマルの心の中で消えた。
「そういえばお前達は、歴史が知りたかったんじゃないか?」
「あ、そうだね。」
「そうだ。何があってこんな世界になってしまったのか?」
「そのことについてなんだか、歴史を知る文書もほとんどなくてさ、調べようがない。昔を知る人も今じゃ世界中探してもいない。
ただな。一つわかるのは、昔は平和で人は楽しい暮らしをしていた。少なくとも今と比べて。
環境もこんな悪ではなく、人が過ごせるような世界だった。
なぜ、その世界からこんなに劣悪な環境となったのか。それは、…。お前達だけに見せるぞ。着いてこい。」
男は、“ユートピア”への道の扉を閉めた。そして、モニターを操作するため、特殊なテーブルへと向かった。明らかに先程と比べ、操作の手順が長い。つまり、厳重なんだ、それほど人に簡単に見せられないものなんだ。と、マルは思った。
「よし。開いた。」
何度も文字を入力し、やっとの事で壁が動いた。その壁は、見たことのない材質で作られており、それが地へと沈んでいくのを三人は見ていた。もう驚く事はなかった。
「ここだ。ちょっと、待てよ。鍵はどこやったか。」
男は、近くを探し始めた。いろんな書類をめくったり、まとめたりした。
「おい。お前達も鉄の鍵を探せ。こんくらいの小さなもんだ。何年も前だからな…。」
男は、両手で小さな丸を作った。
「分かった。」
「こっち探す。」
爺とマルは手分けして探すことにした。
しかし、物がたくさん置いてある為、探しだす事は難しかった。途中、
「あ、手を切ってしまった。なんだこれは。」
マルは、わけのわからない書類で手を切ってしまったことに怒りをあらわにし、それを破り捨ててしまった。また、ごちゃごちゃした場所で見つからないことでも、ストレスがたまっていたのだろう。
「大事にしろ。」
男の大きな声が、頭に響くようだった。
鉄のドアを開け放した。錆びていたのか、少し抵抗があったように感じた。
「あれ?道しかないぞ。」
ドアの向こうは、暗くて長い一本道だった。
「この先、ずっと行ったほうだ。
ここは入り組んでいてな、反乱者がもし侵入しても、本当の道を知っているのは、俺だけ。
お前たちも、この先に入ると帰れなくなる。気をつけろよ。命がなくことさえあるかも。」
「仕掛け…とか、ある?」
「ああ。独自のな。」
マルは、コロニーにある落とし穴や針落としなど想像した。もっとすごい物があるんじゃないかと、見たくてたまらなかった。が、命がなくなる事を恐れ、その好奇心はマルの心の中で消えた。
「そういえばお前達は、歴史が知りたかったんじゃないか?」
「あ、そうだね。」
「そうだ。何があってこんな世界になってしまったのか?」
「そのことについてなんだか、歴史を知る文書もほとんどなくてさ、調べようがない。昔を知る人も今じゃ世界中探してもいない。
ただな。一つわかるのは、昔は平和で人は楽しい暮らしをしていた。少なくとも今と比べて。
環境もこんな悪ではなく、人が過ごせるような世界だった。
なぜ、その世界からこんなに劣悪な環境となったのか。それは、…。お前達だけに見せるぞ。着いてこい。」
男は、“ユートピア”への道の扉を閉めた。そして、モニターを操作するため、特殊なテーブルへと向かった。明らかに先程と比べ、操作の手順が長い。つまり、厳重なんだ、それほど人に簡単に見せられないものなんだ。と、マルは思った。
「よし。開いた。」
何度も文字を入力し、やっとの事で壁が動いた。その壁は、見たことのない材質で作られており、それが地へと沈んでいくのを三人は見ていた。もう驚く事はなかった。
「ここだ。ちょっと、待てよ。鍵はどこやったか。」
男は、近くを探し始めた。いろんな書類をめくったり、まとめたりした。
「おい。お前達も鉄の鍵を探せ。こんくらいの小さなもんだ。何年も前だからな…。」
男は、両手で小さな丸を作った。
「分かった。」
「こっち探す。」
爺とマルは手分けして探すことにした。
しかし、物がたくさん置いてある為、探しだす事は難しかった。途中、
「あ、手を切ってしまった。なんだこれは。」
マルは、わけのわからない書類で手を切ってしまったことに怒りをあらわにし、それを破り捨ててしまった。また、ごちゃごちゃした場所で見つからないことでも、ストレスがたまっていたのだろう。
「大事にしろ。」
男の大きな声が、頭に響くようだった。
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