レスト:ランプ

昔懐かし怖いハナシ

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噂話

異世界なんて…4

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「あれ?出している。」
久しぶりに動画サイトを開いた明子は、雪の動画を見た。
「今日は、有名なカフェに友達と一緒に来ました。では、さっそく、、」
っと、慣れた手付きでナレーションしていた。
「…あれだけ、言ったのに。信じていなかったの。大丈夫かな?」
スマホから、雪に電話をかけた。
「もしもし、あ、明子?聞いてよ。」
雪は無事だった。
「あのね。私の動画見た?あの時さ、後ろからバッグを盗られてさ、大変だったんだよ。でも、追いかけたらバッグを置いて逃げたんだ。運良く何も取られなかった。良かったよ。」
「そうだったんだ。で、ほかは何か起きなかった?」
「で、って少しは興味持ってよ。
 何もないよ。どうしたんだよ。なんか気にしてる?」
「いや、だったらいいんだけど。怪我ない?」
「大丈夫だけど、」
安心した。どうやら、何も起きなかったらしい。もしかしたら、命に関係ある出来事が起きるのではないかと思ったが、行き過ぎた勘違いだったらしい。
 それから雪と、その動画の事を少しばかり話した。

 しかし、彼女は刺された。その後の出来事だった。
 家に帰宅した際、強盗が押し入っていた所をばったり会ったらしい。そのときに、刺されて、逃げられたそうだ。まだ、犯人は見つかってない。おそらく、雪のファンによる犯行だろうっと、警察は言っていた。

「もしかしたら、あの動画を撮っている時に、強盗した、人が犯人かも。」
明子は雪のお見舞いに行ったときに、考えていた事を言った。そして、“あのレストランの事”も言った。
「…」
「多分そうかもね。でも酷いことされなくて良かった。」
それ以上、雪は話さなかった。

 警察は、犯人を逮捕。
 バッグを盗った時、雪の住所を入手した。
 そして、雪の服やお金などを奪いそして、本人を刺し逃げた。
 その犯人は犯行前、雪さんの住んでいる地域、学校まで特定した。しかし、住所までは分からなかった。
 そこに、雪が動画を撮っていた所を発見し、雪さんの物を盗ろうとした。しかし、住所を知り、そこに行こうとしたらしい。だから、バッグの中身を盗らず、家へ侵入したのだ。

 明子はお見舞いから帰るとき、あのレストランの女主人に会った。
「彼女は、大丈夫ですか?だから、この一週間は撮らないでって言ったのに。」
「雪は大丈夫です。すみません。私が、止めなければならなかったのに。」
明子の頭の中には、箸の袋に書いてあった言葉があった。
「大丈夫ですよ。元々は、彼女の責任ですから。あなたが、謝る必要はないですよ。でも、彼女は少しの間、バチがあたるかもしれません。
 大丈夫ですよ。この先、命の危険はないですから。」
「分かりました。雪は、これからも大丈夫なんですね。」
「ええ、これからも、彼女を見守ってあげてください。ずっと仲の良い友達でいてくださいね。
 あなたは、この先悪い運命なんて、来ません。“未来予兆”の店長として、そこは保証しますよ。」
そして、スタスタと歩いて行った。見えなくなるまで、明子は見守っていた。
 その後、何故か雪の動画の再生回数は伸びなかった。雪は、すごく落ち込んだ。
「なんでだろう。ねぇ、どうして?」
「知らないよ。そんな事より、今度一緒に、遊ぼうよ。動画なんて、撮らないでさ。」
「わかったよ。もう、動画なんて、止めよう。疲れて来たし。」

 これから先、大きな幸せが明子訪れた。

 あ、そうそう。あの噂は、消えて無くなっていた。
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