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幽霊でも…。
驚き〜3
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男はとても驚いていた。まさかあの人が…。
「全て外で撮られており、プライベートの写真だらけでした。
しかし今はまだ調査中ですが、少なくともインターネットには投稿されていませんでした。」
「有村さんは、結構な頻度で会いに来られませんでしたか?」
男は頷いた。今男は、手が震えていた。立っていることが辛かった。
「今夜は遅いです。また署の方でお話聞かせくれませんか。被害とか。」
「…。わかりました。」
男は信じられなかった。人の闇を初めて思い知らされた。
「今夜は、早くお休みになってください。」
警察官二人は、ゆっくりとドアを閉じた。
「まさか、あの人が。」
今思うと腹立たしかった。あの人に、何を知られていたのかとても怖かった。
「何があったの?」
奥で酔かけている後輩は、その時はまだその事を知らなかった。
女幽霊は、男の背後でその事を聞いていた。
「あはは。ばれてしまったなぁ。
もっと家の中も調べておくべきだったなあ。
あーあ。」
そう何度も呟いていた。
もうその時は女は、別の人のようだった。
『あなたは、今反省すべき。』
そう聞き覚えのある声が響いてきた。
女は、
「そうだよね。反省すべきだよね。
あの後輩を早く叩きのめすべきだった。」
女の感情はおかしくなっていた。
「あの後輩がいなければ、私はもっと彼に近づけられたのに。もっと、仲良く一緒に暮らせることができたのに。邪魔よ。」
もう既にあの声は幽霊女には届かなかった。
すると、幽霊女は後輩に怨めしそうに近づいていった。
「ええ、そんな事があったの?気持ち悪い。」
後輩は笑いながら、キモッと一言。
「ごめんだけど、早く帰ってくれない?一人にさせてほしい。」
男は、ベッドに横になって言った。とてもぐっだりしていた。頭を抑えながら、目を閉じていた。
「わかった。明日も仕事休みなさいね。私から言っておく。」
立ち上がり、カバンを持った。スーツ姿の後輩は、凛々しくあった。
「送れなくてごめん。」
「いいの。いいの。ちょっと酔っぱらっているけど大丈夫。」
後輩は、玄関からそう呼びかけた。
靴を履く音、ドアが閉まる音。全て男はベッドの上で聞いていた。
「あーあ。あの女。結構なことやってるね。
生きている間に、もっと調べておくべきだったなあ。そしたら、あの醜態を彼に晒せたのに…。絶対、絶望的な顔をしたのに。
あんなヤツだったとはね。でももう敵はいない。あの人は私のモノ。」
後輩はクククと笑った。
後輩のスマホには明かりが付いていた。動画。あるカメラと繋がっており、リアルタイムで見られるものだった。
「あぁ、かわいい…。」
あの男が寝ている姿が、スマホに映っていた。恐らく天井のライト部分につけてあるのだろう。
~一本の電柱の下に、その女がいる。スマホの明かりに照らされた顔は、不気味に笑っていた。
もう一人、後ろの電柱の影には怒りの表情をした女。一定の距離でその女をついてくる。ほぼ顔は暗く見えないが、ときより怨みの雰囲気が溢れてくる。
「あー。復讐の道にいってしまいましたか。
更生すればよかったものを。」
二人の女が過ぎていく、離れた一本の電柱の下に、女店主がいた。二人はそのことに気が付かなかった。
「あの女の人は、まだあの時までは善の心があったのですが、男の嫌がる態度や後輩との関係で闇に落ちてしまいました。
そうなると、悪霊と化してしまい、死んだあとも本人や他人も苦しむ事になる。
しかし、もう遅かった。
あそこで怒りを沈めれば、あの後輩から男を守る守護霊となっていたかもしれません。だが、今は復讐心に燃えてます。
また、あの世界に二人を連れていくことになるでしょう。」
店主は、ふうと息をはいた。すると店主は消えた。
その時、その道の灯りは全て消えた。そして、二人の女の影も無くなっていた。
この後も二人の事は、考えたくない。
「全て外で撮られており、プライベートの写真だらけでした。
しかし今はまだ調査中ですが、少なくともインターネットには投稿されていませんでした。」
「有村さんは、結構な頻度で会いに来られませんでしたか?」
男は頷いた。今男は、手が震えていた。立っていることが辛かった。
「今夜は遅いです。また署の方でお話聞かせくれませんか。被害とか。」
「…。わかりました。」
男は信じられなかった。人の闇を初めて思い知らされた。
「今夜は、早くお休みになってください。」
警察官二人は、ゆっくりとドアを閉じた。
「まさか、あの人が。」
今思うと腹立たしかった。あの人に、何を知られていたのかとても怖かった。
「何があったの?」
奥で酔かけている後輩は、その時はまだその事を知らなかった。
女幽霊は、男の背後でその事を聞いていた。
「あはは。ばれてしまったなぁ。
もっと家の中も調べておくべきだったなあ。
あーあ。」
そう何度も呟いていた。
もうその時は女は、別の人のようだった。
『あなたは、今反省すべき。』
そう聞き覚えのある声が響いてきた。
女は、
「そうだよね。反省すべきだよね。
あの後輩を早く叩きのめすべきだった。」
女の感情はおかしくなっていた。
「あの後輩がいなければ、私はもっと彼に近づけられたのに。もっと、仲良く一緒に暮らせることができたのに。邪魔よ。」
もう既にあの声は幽霊女には届かなかった。
すると、幽霊女は後輩に怨めしそうに近づいていった。
「ええ、そんな事があったの?気持ち悪い。」
後輩は笑いながら、キモッと一言。
「ごめんだけど、早く帰ってくれない?一人にさせてほしい。」
男は、ベッドに横になって言った。とてもぐっだりしていた。頭を抑えながら、目を閉じていた。
「わかった。明日も仕事休みなさいね。私から言っておく。」
立ち上がり、カバンを持った。スーツ姿の後輩は、凛々しくあった。
「送れなくてごめん。」
「いいの。いいの。ちょっと酔っぱらっているけど大丈夫。」
後輩は、玄関からそう呼びかけた。
靴を履く音、ドアが閉まる音。全て男はベッドの上で聞いていた。
「あーあ。あの女。結構なことやってるね。
生きている間に、もっと調べておくべきだったなあ。そしたら、あの醜態を彼に晒せたのに…。絶対、絶望的な顔をしたのに。
あんなヤツだったとはね。でももう敵はいない。あの人は私のモノ。」
後輩はクククと笑った。
後輩のスマホには明かりが付いていた。動画。あるカメラと繋がっており、リアルタイムで見られるものだった。
「あぁ、かわいい…。」
あの男が寝ている姿が、スマホに映っていた。恐らく天井のライト部分につけてあるのだろう。
~一本の電柱の下に、その女がいる。スマホの明かりに照らされた顔は、不気味に笑っていた。
もう一人、後ろの電柱の影には怒りの表情をした女。一定の距離でその女をついてくる。ほぼ顔は暗く見えないが、ときより怨みの雰囲気が溢れてくる。
「あー。復讐の道にいってしまいましたか。
更生すればよかったものを。」
二人の女が過ぎていく、離れた一本の電柱の下に、女店主がいた。二人はそのことに気が付かなかった。
「あの女の人は、まだあの時までは善の心があったのですが、男の嫌がる態度や後輩との関係で闇に落ちてしまいました。
そうなると、悪霊と化してしまい、死んだあとも本人や他人も苦しむ事になる。
しかし、もう遅かった。
あそこで怒りを沈めれば、あの後輩から男を守る守護霊となっていたかもしれません。だが、今は復讐心に燃えてます。
また、あの世界に二人を連れていくことになるでしょう。」
店主は、ふうと息をはいた。すると店主は消えた。
その時、その道の灯りは全て消えた。そして、二人の女の影も無くなっていた。
この後も二人の事は、考えたくない。
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