仁義なき野球

エース対決

　スタジアムが一瞬の静寂に包まれる中、ヤーサンズのチームメイトが素早くゴリのもとに駆け寄り、彼をなだめ始めた。「冷静になれ、ゴリ！試合はまだ終わってない！」彼らの言葉が少しずつゴリの怒りを和らげていく。しかし、ゴリの心にはまだ火が燃え盛っていた。

　次の第2球。球審が判定に迷う様子を見て、ゴリは堪忍袋の緒が切れた。「さっさと判定しやがれ！」と叫び、今度は怒りの左ストレートを球審に叩き込む。観客は驚愕し、スタジアムが再び静まり返る。

　その瞬間、球審は即座にカードを取り出し、「退場処分！」と告げた。ゴリは一瞬唖然とし、続いて怒りが再燃。「クソ！これが野球か！」と叫びながら、ダッグアウトに引き上げていった。彼がダッグアウトに入ると、控え選手たちはすでに麻雀の準備を整えていた。ゴリはすぐにその輪に加わり、牌を手に取る。怒りを麻雀の勝負で晴らそうとする彼の姿は、まるで別世界の住人のようだった。

　一方、東京マルボウズのタニオーはその隙を突いて快投を続けていた。打者を次々と三振に抑え、ついに9者連続三振を達成する。スタンドからは歓声が巻き起こり、場内アナウンスが流れる。「東京マルボウズのタニオー、9者連続三振達成！記念品が贈られます！」

　そのアナウンスの直後、場内が再び沸く。「大阪ヤーサンズのゴリ、天和を達成！記念品が贈られます！」と流れると、観客は驚きと興奮の中で盛り上がる。

　両チームの先発投手がそれぞれの快挙を達成したことで、スタジアムはまさに熱気の渦に包まれた。試合は続き、両チームの選手たちはそれぞれの役割を全うすべく、全力を尽くしていく。

　タニオーは次の回に向けて集中するため、攻撃の間も投球練習を続ける。一方、ダッグアウトでは、麻雀に興じるゴリが、勝負に夢中になりながらも、ふと試合の行方が気になる。野球と麻雀、異なる戦いの中で、それぞれの情熱が渦巻く。激闘はまだ終わらない。