俺は受けにも総受けにもなりたくない!!

雪音

文字の大きさ
4 / 6
新たな人生

04

しおりを挟む



「いやだれですか」

「誰だと思う?」

「言葉が通じないひと」

「それはひどいな~」

なんだこのちゃらちゃらとした人。
質問に答える気があるのかないのか。いや絶対といっていいほどないな。うん。ない。
なんで俺こんな人に話しかけちゃったんだろう……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二十分前


「ルイス様、本日の授業はここまでです。」

そう長髪の男性が言葉を放す。彼はシェイロ・カンザス。
茶色の髪と目。胸まである髪を結って、ふんわりとした雰囲気のシェイロは顔もよかった。
さぞかしモテるのだろう。解せぬ。
俺も将来が楽しみな顔だからな…………!!!

「ありがとうございました」

「いえ、ルイス様は五歳の割にとてもよくできていますね」

そういってやさしく微笑むシェイロ。うーん、こんな余裕のある大人になりたい。

「このあとはどうなされますか?」

「うーん……お庭を散歩してまいります」

「いいですね。今の季節は花がきれいですもんね」

ごめんなさい、お花、あんまり興味ないです。
なんてことはいえないから静かに頷く。俺の家はこの国の公爵家ウィクロスである。
ウィクロスは冬を司る家門で、12歳_ちょうどアノスの歳_になったときに家門の魔法を教えてくれることになるらしい。


魔法は基礎魔法、発展魔法、超魔法、特別魔法、未知の魔法の五種類がある。
基礎魔法は今俺がシェイロ先生にならっていた火炎魔法を含む五つの属性の基礎知識をもとにした魔法である。
魔法は知識がないと使えない。この世界が最先端なのは日本と比べて化学も魔法学も圧倒的に進んでいるからだ。
そして発展魔法は言わずもがな基礎魔法の応用バージョン。
超魔法は魔法を専門とする人たちが長年修行を積み重ねて会得する魔法。
特別魔法は家門の魔法のようなものだ。ほかの人には扱うことができないもの。
そして未知の魔法。これはあるとされてはいるが伝説上でしかなく、なにも情報がない、わからない魔法である。

まあ未知の魔法はドラゴンやユニコーンのようにもはや架空の存在なのではと思われている魔法と思ってもらって構わない。


「それでは、失礼しますルイス様」

シェイロが部屋を出ていく。よし、俺も準備するかな。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして庭に出た俺はなんでかわからないがでっかい木の所に来てなんでかわからないが人がいるなと思ってなんでかわからないが話しかけて今こんな状況。話しかけなきゃよかった。

「どちたの少年」

「なんだおまえ」

「おにいさん年上だよー?」

「執事ーー!!不審者ー!!」

「君恐怖とかないわけ?」

なんかごだごだ言っているが気にしない。不審者がいるときは大声を出すって俺は習ったよ。
知ってるか?知らない人は他人でその他人が家の中に一人でいたら大体の確率で不審者なんだよ。

「財産目当て?それとも身代金?」

「もしそうだと言ったら?」

「執事!!!!」

「冗談だよおい」

冗談なら早くいってくれ。で、だれだおまえ。

「はあ…僕はアノスの友達だよ」

「一人称僕なんだ」

「一人称には気を使わないといけなくてね」

アノスの友達……は!?アノスってあのアノス!?
俺の知ってるアノスはこんなちゃらんぽらんと仲良くなるような人じゃなくて
もっとまじめでかっこよくて彼氏旦那にしたい人不動のNO.1で_____

「あ、アノス」

「兄様!!!!!!!」

「最近の子は元気だな…」

「ルイス!!」

「兄様この人誰ですか!」

本当に兄の友達ならば兄が紹介してくれるはず


「…殿下、またサボりですか」

「でんか!!??!???!」


「あはは、アノス。逃げてきちゃった」

「まったく……」

「ルイス、この方はね、」

兄様が紹介しようとすると「僕が自分でするよ」と言葉を遮る。
傍若無人だなこの人。でもさっき兄様はでんかっていってたぞ。俺が知ってるでんかは二つだ。
一つは殿下。でもまあこの人が国の皇太子なわけがないだろう。
二つ目は電化製品。家電。まさかの時代進みすぎて人型家電が開発されたか。
その線はなくはないか、と思っているとありもしないさすがに聞き間違えたかと思った言葉が出てきた。

「私、ラグーダ王国第二王子、リード・クラウド」

「ウィクロス家ルイス殿に挨拶致す」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

異世界で高級男娼になりました

BL
ある日突然異世界に落ちてしまった高野暁斗が、その容姿と豪運(?)を活かして高級男娼として生きる毎日の記録です。 露骨な性描写ばかりなのでご注意ください。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます

トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。 魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・ なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️ エブリスタにも、掲載しています。

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...