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新たな人生
04
しおりを挟む「いやだれですか」
「誰だと思う?」
「言葉が通じないひと」
「それはひどいな~」
なんだこのちゃらちゃらとした人。
質問に答える気があるのかないのか。いや絶対といっていいほどないな。うん。ない。
なんで俺こんな人に話しかけちゃったんだろう……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二十分前
「ルイス様、本日の授業はここまでです。」
そう長髪の男性が言葉を放す。彼はシェイロ・カンザス。
茶色の髪と目。胸まである髪を結って、ふんわりとした雰囲気のシェイロは顔もよかった。
さぞかしモテるのだろう。解せぬ。
俺も将来が楽しみな顔だからな…………!!!
「ありがとうございました」
「いえ、ルイス様は五歳の割にとてもよくできていますね」
そういってやさしく微笑むシェイロ。うーん、こんな余裕のある大人になりたい。
「このあとはどうなされますか?」
「うーん……お庭を散歩してまいります」
「いいですね。今の季節は花がきれいですもんね」
ごめんなさい、お花、あんまり興味ないです。
なんてことはいえないから静かに頷く。俺の家はこの国の公爵家ウィクロスである。
ウィクロスは冬を司る家門で、12歳_ちょうどアノスの歳_になったときに家門の魔法を教えてくれることになるらしい。
魔法は基礎魔法、発展魔法、超魔法、特別魔法、未知の魔法の五種類がある。
基礎魔法は今俺がシェイロ先生にならっていた火炎魔法を含む五つの属性の基礎知識をもとにした魔法である。
魔法は知識がないと使えない。この世界が最先端なのは日本と比べて化学も魔法学も圧倒的に進んでいるからだ。
そして発展魔法は言わずもがな基礎魔法の応用バージョン。
超魔法は魔法を専門とする人たちが長年修行を積み重ねて会得する魔法。
特別魔法は家門の魔法のようなものだ。ほかの人には扱うことができないもの。
そして未知の魔法。これはあるとされてはいるが伝説上でしかなく、なにも情報がない、わからない魔法である。
まあ未知の魔法はドラゴンやユニコーンのようにもはや架空の存在なのではと思われている魔法と思ってもらって構わない。
「それでは、失礼しますルイス様」
シェイロが部屋を出ていく。よし、俺も準備するかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして庭に出た俺はなんでかわからないがでっかい木の所に来てなんでかわからないが人がいるなと思ってなんでかわからないが話しかけて今こんな状況。話しかけなきゃよかった。
「どちたの少年」
「なんだおまえ」
「おにいさん年上だよー?」
「執事ーー!!不審者ー!!」
「君恐怖とかないわけ?」
なんかごだごだ言っているが気にしない。不審者がいるときは大声を出すって俺は習ったよ。
知ってるか?知らない人は他人でその他人が家の中に一人でいたら大体の確率で不審者なんだよ。
「財産目当て?それとも身代金?」
「もしそうだと言ったら?」
「執事!!!!」
「冗談だよおい」
冗談なら早くいってくれ。で、だれだおまえ。
「はあ…僕はアノスの友達だよ」
「一人称僕なんだ」
「一人称には気を使わないといけなくてね」
アノスの友達……は!?アノスってあのアノス!?
俺の知ってるアノスはこんなちゃらんぽらんと仲良くなるような人じゃなくて
もっとまじめでかっこよくて彼氏旦那にしたい人不動のNO.1で_____
「あ、アノス」
「兄様!!!!!!!」
「最近の子は元気だな…」
「ルイス!!」
「兄様この人誰ですか!」
本当に兄の友達ならば兄が紹介してくれるはず
「…殿下、またサボりですか」
「でんか!!??!???!」
「あはは、アノス。逃げてきちゃった」
「まったく……」
「ルイス、この方はね、」
兄様が紹介しようとすると「僕が自分でするよ」と言葉を遮る。
傍若無人だなこの人。でもさっき兄様はでんかっていってたぞ。俺が知ってるでんかは二つだ。
一つは殿下。でもまあこの人が国の皇太子なわけがないだろう。
二つ目は電化製品。家電。まさかの時代進みすぎて人型家電が開発されたか。
その線はなくはないか、と思っているとありもしないさすがに聞き間違えたかと思った言葉が出てきた。
「私、ラグーダ王国第二王子、リード・クラウド」
「ウィクロス家ルイス殿に挨拶致す」
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