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新たな人生
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「…おう、じ?」
「ああ、王子だ」
おうじという聞きなれない言葉に一瞬唖然とするが、すぐに姿勢を正し挨拶をする。
「申し訳ありません、殿下。無礼を働きました。」
「いいよ、許そう」
「殿下の寛大な御心に感謝致します。改めて帝国の月、第二皇子にご挨拶申し上げます。私はウィクロス家次男の___」
「あはは、そんな硬くならなくていいよ。ルイスだろう?アノスからよく話は聞いているよ」
王子様は俺の言葉を遮る。すっごい気さくそうな人だ。
王子だと知らずにすごい無礼をしちゃったかも俺。
もしかして王家侮辱罪で俺処刑されちゃうんじゃ……!?
「アノス、君の弟は面白いね?」
「そのうえ可愛くて人懐っこく賢い、自慢の弟ですよ」
え、兄様そんなこと思っててくれたの!?やだ、照れるじゃん。
もっと褒めてくれたって、いいんだよ??
「ん?ルイス、どうしたんだいそんな顔をして」
「え、あ、いや……」
「公の場じゃないんだから大丈夫だぞ。言ってみろ」
「………」
「ルイス、無理に言わなくてもいいんだよ?」
兄様大好き!!!!!!!!
でも王子の言葉は無視できないよな。俺、そっちからしたらめちゃくちゃ無礼な奴だけど。
「お、おれ」
「うん?」
「俺…王家侮辱罪で逮捕されて処刑されちゃいますか…?」
うぅ、それはいやだぞ
生まれ変わったんだから長生きしたいじゃないか!この人生でも早死にしなきゃいけないのか?
ぷっ、と噴き出す声が聞こえる。俺は真剣に悩んでるんだぞ!と顔を上げると
王子が腹を抱えて笑っていた。
「ルイス!お前僕の嫁に来い!」
「「いやです」」
王子の唐突のプロポーズを丁重に兄様とお断りさせてもらう。
俺、五歳。プロポーズされました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「リード様、庭にいないで中に戻りましょう。」
「お、そうだなアノス。ルイス、手つないで一緒に行こう」
「兄様がいいです」
「おーいルイスー、俺は王子だぞー?」
「王子様、俺初対面ですよ、まだ。」
プロポーズの後、不敬罪にはしない、とようやく答えを言ってもらった。
早く言えよ。泣いちゃうぞ。死刑宣告受けるときくらい怖かったんだからな。死刑宣告受けたことないけど。
俺の中で王子はちょっと扱いが雑でもあまり気にしない人間という分類になった。
少し友達に近づいてきているかもしれない。
「王子様って呼ぶの僕のこと」
「はい」
「んー、ルイスは難攻不落か~~」
「?」
何のことを言っているのだろうか。まあ、とにかく。
今生きてるって超ハッピー!!!!
そんな俺の期も知らずに兄様と王子様は会話を弾ませていた。
「ルイス、楽しそうです」
「本当?全然わかんないな」
「ルイス歴が長いもので。」
「あのアノス様がまさかブラコンだとはな」
「あの、とは何ですか全く」
「ご令嬢たちがいつもきゃあきゃあと騒いでいるあのアノスだよ。クールで賢く、家柄も申し分ない。そのうえ顔もよいときた。うちの学校じゃアノスはすごい人気だからな。」
「…俺はルイスがいればいいですよ」
「はは、あいつを見てると人生に飽きることなどないだろうな」
「もちろん、そうですよ」
「だから将来僕はルイスと結婚しt「だめです」」
「まったくケチだな~」
「そんなことありませんが」
しかし俺は全く気にすることもなく今日の夜ご飯は何なのかについてのみ考えていた。
つまり聞いていなかった。ケチだな、あたりくらいしか聞いていないが……
俺の兄様はケチじゃない!!最高の兄様だ!!!!!
「ああ、王子だ」
おうじという聞きなれない言葉に一瞬唖然とするが、すぐに姿勢を正し挨拶をする。
「申し訳ありません、殿下。無礼を働きました。」
「いいよ、許そう」
「殿下の寛大な御心に感謝致します。改めて帝国の月、第二皇子にご挨拶申し上げます。私はウィクロス家次男の___」
「あはは、そんな硬くならなくていいよ。ルイスだろう?アノスからよく話は聞いているよ」
王子様は俺の言葉を遮る。すっごい気さくそうな人だ。
王子だと知らずにすごい無礼をしちゃったかも俺。
もしかして王家侮辱罪で俺処刑されちゃうんじゃ……!?
「アノス、君の弟は面白いね?」
「そのうえ可愛くて人懐っこく賢い、自慢の弟ですよ」
え、兄様そんなこと思っててくれたの!?やだ、照れるじゃん。
もっと褒めてくれたって、いいんだよ??
「ん?ルイス、どうしたんだいそんな顔をして」
「え、あ、いや……」
「公の場じゃないんだから大丈夫だぞ。言ってみろ」
「………」
「ルイス、無理に言わなくてもいいんだよ?」
兄様大好き!!!!!!!!
でも王子の言葉は無視できないよな。俺、そっちからしたらめちゃくちゃ無礼な奴だけど。
「お、おれ」
「うん?」
「俺…王家侮辱罪で逮捕されて処刑されちゃいますか…?」
うぅ、それはいやだぞ
生まれ変わったんだから長生きしたいじゃないか!この人生でも早死にしなきゃいけないのか?
ぷっ、と噴き出す声が聞こえる。俺は真剣に悩んでるんだぞ!と顔を上げると
王子が腹を抱えて笑っていた。
「ルイス!お前僕の嫁に来い!」
「「いやです」」
王子の唐突のプロポーズを丁重に兄様とお断りさせてもらう。
俺、五歳。プロポーズされました。
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「リード様、庭にいないで中に戻りましょう。」
「お、そうだなアノス。ルイス、手つないで一緒に行こう」
「兄様がいいです」
「おーいルイスー、俺は王子だぞー?」
「王子様、俺初対面ですよ、まだ。」
プロポーズの後、不敬罪にはしない、とようやく答えを言ってもらった。
早く言えよ。泣いちゃうぞ。死刑宣告受けるときくらい怖かったんだからな。死刑宣告受けたことないけど。
俺の中で王子はちょっと扱いが雑でもあまり気にしない人間という分類になった。
少し友達に近づいてきているかもしれない。
「王子様って呼ぶの僕のこと」
「はい」
「んー、ルイスは難攻不落か~~」
「?」
何のことを言っているのだろうか。まあ、とにかく。
今生きてるって超ハッピー!!!!
そんな俺の期も知らずに兄様と王子様は会話を弾ませていた。
「ルイス、楽しそうです」
「本当?全然わかんないな」
「ルイス歴が長いもので。」
「あのアノス様がまさかブラコンだとはな」
「あの、とは何ですか全く」
「ご令嬢たちがいつもきゃあきゃあと騒いでいるあのアノスだよ。クールで賢く、家柄も申し分ない。そのうえ顔もよいときた。うちの学校じゃアノスはすごい人気だからな。」
「…俺はルイスがいればいいですよ」
「はは、あいつを見てると人生に飽きることなどないだろうな」
「もちろん、そうですよ」
「だから将来僕はルイスと結婚しt「だめです」」
「まったくケチだな~」
「そんなことありませんが」
しかし俺は全く気にすることもなく今日の夜ご飯は何なのかについてのみ考えていた。
つまり聞いていなかった。ケチだな、あたりくらいしか聞いていないが……
俺の兄様はケチじゃない!!最高の兄様だ!!!!!
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