公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

文字の大きさ
124 / 191

105 公爵令嬢は友人を祝う

しおりを挟む
 今日とてもおめでたいお話を聞いた。

 なんと、セシル様とリリーちゃんが婚約なさったと!

 驚きで胸いっぱいだが、それ以上に嬉しさ満載だ。

 早速二人に会わなければ!



 二人のお祝いに行くとロナウド王子に伝えたら、一緒に行くと言ってきたので、レベッカちゃんとケンも連れてきた。

 てか、ケン今日仕事抜けても大丈夫だったの?

 「アデンさんが頑張ってくれてますから。」

 …….アデン、ファイト!


 「セシル様、リリーちゃん、婚約おめでとうございます!
 私の親友二人が婚約だなんて、とっても嬉しいです!」

 「ありがとう、フランさん。
 まさか、僕とリリーさんが婚約するだなんて思わなかったよ。」

 「私もです。
 でも、この件とは別で、私はフラン様に更に一緒にいられるようになって嬉しく思います。」

 はて、どういう事?

 「医療技術や知識、治癒魔法のおかげで、エレメント魔法学校卒業後は王宮専属医師になることになったんです!」

 な、なんと!

 リリーちゃん大出世だね!

 「フラン様こそ、未来の王妃殿下ではありませんか。
 フラン様の方がスゴイです!」

 あ、いや、まだ"婚約"だし、ロナウド王子も継承第一位ってだけでクロード王子や兄弟君がいらっしゃるし。

 「あ、その事なんだけど、俺魔法学校卒業したら王位継承する事になったから。」

 はぁ!?

 そんな話聞いてないんですけど!?

 「昨日決まって、今日フランに伝えるつもりだったんだよ。
 元々兄上達は俺が継承第一位って事で納得してたらしいし、フランが婚約者になってから父上の中ではほぼ確定してたっぽい。」

 そ、そうだったんだ。

 何にも知らなかった。

 「よく言うよ。
 寂れた領地をあれだけ派手に繁栄させといて、あの父上がフランを次期王妃にしたいと思わないわけがないだろ。」

 まぁ、今までの国王陛下の様子からして、それは何となく分かるけど……

 「あぁ、そう言えば僕も、学校卒業後はロナウドの専属騎士になる事になったよ。」

 すげぇ!身内で固められてきた!

 「僕はまだヤークン家当主って事しか決まってないんだけど、せっかく魔法が得意なんだから、王宮専属魔導士団に入りたいなぁ。」

 これ、多分なれるやつだよ。

 「私はフランちゃんの専属料理人よ!
 お城に入ってもずっと一緒よ!」

 「もちろん私も、生涯フラン様の専属侍女ですから、当然ご一緒させていただきます。」

 「俺も男爵領主補佐として、フラン様にずっとついて行きます。」

 なんかこれからもずっと、このメンバーと楽しくやれそうな気がするなぁ。


 そう言えば、リリーちゃんがセシル様と婚約って事になると、乙女ゲーのヒロイン枠じゃなくなるのかな?

 て事は、私もライバル令嬢の縛りがなくなるってわけで、これからはのんのん楽しく研究実験を満喫すればいいのね!

 ビバ転生ヒャッハー!!

 「実験生活なんて、王妃殿下のなさる事ではありませんでしょう。」

 な、なぜリッカは心の声が読めたのだ!?



 という訳で、二人の婚約祝いをみんなでしようという事になった。

 どんなお祝いにしようかなぁ。

 「私は、フラン様が一緒にいらしてくれれば何も必要ありません。」

 「僕も、フランさんに祝ってもらえるだけで十分だよ。」

 二人とも私を崇拝しすぎでない?

 「どうせなら、俺達らしい祝い方しようぜ。」

 ロナウド王子、『俺達らしい祝い方』とはどのようなもので?

 「もちろん、フランが何かしら新しい事しでかすんだよ。」

 は、はぁ!?

 なぜ私が発案と!?

 みんなも一緒に考えてよ!!

 「いゃ、俺たちの考えよりフランのやり方の方がテンション上がりそうだろ?」

 「「「賛成です」」」

 リッカはともかく、レベッカちゃんとケンまで……

 つまり、私に全任せって事ね……

 私の周りには、自分で何とかしようとする人はいないのかしら。



 とは言っても、新しい事って何をすればいいんだろう?

 今まで使った事のない食べ物?

 新しい施設や娯楽?

 奇想天外なパーティー?

 うーん……難しい。

 婚約披露パーティは三ヶ月後、それまでには何か用意しておきたい。

 二人抜きのいつものメンバーで掘立て小屋でチーズフォンデュをしながら会議をする。

 この小屋は今やもう私達の基地と化していた。

 「「私達を抜きでそんな楽しそうな事して、酷いです!」」って言ってたけど、二人のプレゼント用会議なんだから無理言いなさんな。

 「うーん、お揃いのネックレスとかどうかなぁ?」

 「それじゃあありきたりじゃないですか?
 なんかこう、二人に似合う、ロマンチックなものがいいって!」

 「秋祭りのショーみたいな?
 パーティーに似つかわしかないだろうよ。」

 「では、フラン様に物語を描いていただくのはいかがですか?
 秋祭りのショーの脚本も素晴らしかったですし、何より絵本や妊婦向けの本を書かれていらっしゃるでしょう。」

 「でもそれでは、俺達が関わる事は出来ませんよ?」

 「「「「うーん……」」」」

 私達みんなで出来る事って考えると、かなり難しいわ……

 「そう言えば、パーティーの時には二人とも十五歳になってるよな。
 お酒が飲めるようになるんだから、それに合う食べ物やグラスとかいいんじゃないか?」

 「えぇー、僕もフランちゃんもレベッカちゃんもまだお酒飲めないよー。」

 「私は当日のパーティーには参加できないから問題ないわよ。
 それに、終わったらすぐ誕生日くるしね。」

 ……!ロナウド王子ファインプレイ!

 すごくいい事思いついた!!

 いや、思い出した!!

 私達みんなで出来る、私達のオリジナル!

 さぁ、早速準備よ!



 まずは、ポスカ君に植物魔法で葡萄を作ってもらう。

 その葡萄を搾汁、樽で発酵させる。

 発行した葡萄汁を二次発酵。

 この時二度目の発酵、瓶詰めしてから二次発酵させる熟成期間の長いトラディショナル方式ではなく、樽のまま二次発酵させて瓶詰めする期間の短いシャルマ方式で今回は作っていく。

 瓶は私が、コルクは手先が器用なロナウド王子が作った。

 また追々熟成期間の長いものをまた後日作るとして、今回の熟成期間は二カ月(地球時間で約三カ月強)。

 栓を抜いたら炭酸が抜けやすいので、その日のうちに飲んでしまうのがオススメ。

 絵心が一切ないケンが描いたラベルを貼ったら、スパークリングワインの出来上がり!

 色は赤、白、ロゼの3種類を作っておいたよ。

 レベッカちゃんはワインに合うおつまみ作り。

 どんな料理を作るのかな?



 さぁ、出来たスパークリングワインをみんなで試飲。

 と言っても、飲めるのはリッカ、ケン、最近十五歳になったロナウド王子。

 レベッカちゃんとポスカ君は飲まないよ。

 「え、フラン様ももちろん飲めませんよ?」

 なんでよ!?

 メインで作ったのは私じゃんか!

 「「ダメです、フラン様はまだ十四歳ですから!」」

 グヌヌ、ケンまで言うか。



 最初に飲んだのはロナウド王子。

 「うぉ!コーラみたいにシュワシュワしてるけど、ちゃんとワインだ!
 ジュースと違った飲み応えがいいな。」

 「ワインと同じく、辛口と甘口がありますね。
 私はこの甘口のロゼが気に入りました。
 きっとオレンジビールやナッツ入りのチョコレートが合うんでしょうね。」

 「自分は辛口の白ワインが好きです。
 魚料理の時にぜひ飲みたくなりますね。
 アデンさんもきっと気にいるでしょうね。」

 だろうね、あのワイン好きは絶対飲みたがるだろうね。

 でも、スパークリングワイン作りに参加してないアデンには、パーティー後じゃないと飲ませないよ。

 「なぜ私も参加させてくれなかったのですか!?」

 だって、アデンは二人と直接仲良くしてないでしょ?




 婚約パーティー当日、私とロナウド王子とポスカ君の三人で参加。

 プレゼントのスパークリングワインとレベッカちゃんの作ったおつまみを持っていった。

 使用人にワインとおつまみの用意をしてもらって、二人へ持ってきてもらうように頼んでおいた。

 「「「二人とも、改めて婚約おめでとう」」」

 「ありがとうございます。
 皆さんが来てくれて、本当に嬉しいです。」

 「リリーちゃん、今日は一段と綺麗ね。
 とっても素敵よ。」

 「ありがとうございます。
 フラン様にそう言って頂けて、私とっても幸せです。」

 セシル様との婚約で幸せなんじゃないのかい。

 みんなでお喋りしてると、ワインとおつまみが用意された。

 「これ、俺達が、って言うかほとんどフランなんだけど、みんなで作った新しいお酒なんだ。
 二人とも成人したし、丁度いいかなと思って。
 是非飲んでみてくれ。」

 「それは、わざわざありがとう。
 喜んで飲ませてもらうよ。
 んっ、これは……炭酸のワインかい?」

 「スパークリングワインって言うんだよ。
 僕飲んでないけど、みんなは美味しいって言ってた。」

 「確かに、お酒独特のコクと香りがあって、なおかつ炭酸の爽やかさがとても合うお酒だね。」

 「このチーズのお菓子ととてもよく合いますね。
 とっても美味しいです。
 皆さん、本当にありがとうございます!」

 「レベッカちゃんとケンにも言ってあげてね。
 ケンの描いたすごく独特な絵をボトルに貼ってるから、是非見てあげて。」

 「ふふ、わかりました。
 後ほどまたゆっくり頂きます。」



 そして、また団らんをしながらお酒や食事を楽しんでいると、

 「突然失礼するが、そちらのワインはどこで飲めるのかな?」

 「コーラのようでワインのようにも見えるそちらのお酒、ブリキッド商会かフィアンマ男爵領の特産品ですか?」

 「是非私たちにも頂けないかしら?」
 
 あ……こうなる事を全然予測してなかった。

 「相変わらずだけど、いい加減予測しとけよ。」
 
 はい、以後気をつけます。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...