公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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112 公爵令嬢は学校生活の一日を振り返る

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 時間割の変更しない学校の二日目以降ってのは、同じ事の繰り返しになってくる。

 つまりどう言う事かと言うと、飽きてくる。

 授業内容は多少なり変化があるけど、授業の進行スピードはめちゃくちゃ遅くて、魔法学以外は目新しい事は何一つない。

 知ってる事は改めて言われなくても分かってるから!ってなる訳よ。

 たまに先生が間違えてるのを指摘する程度。

 だからいっつも魔法書の隠し読み。

 魔方陣とかの本があるから、たまにそれを書く練習とかしてる。

 そしたら、授業中に落書きしない!と注意されるのよ。

 これは落書きじゃなくて魔法陣の練習でーす、べーだ。

 まぁ時々先生の似顔絵やパラパラ漫画とかも書いてるけど。

 たまにそれを見られて、ちょくちょくジョニー先生に叱られる。

 「こんな子供じみた事して、まだまだガキだなぁ。」

 そう言って本の表紙でポンっと頭を叩かれる。

 だから子供扱いするなっての!



 次に武術の授業。

 走り込みとか筋トレとか、もういいから!

 どれだけやっても私の体には筋肉なんて付かないんだから!

 まるで私のダンス力のようにね。

 って、やかましいわ!

 筋肉なんて全然付く気配ないのに、筋肉痛だけ毎回来る。

 リリーちゃんにいっつも治してもらってるけど、痛くなる原因がいつでも手の届く場所にあるんだよ。

 てか、もしかして筋肉痛をズルして魔法で治してたから、超回復とかしないのかな?

 うわー、でももしそうだとしても、何故か顔面や頭のてっぺんまで全身という全身がアレだけ痛むのは我慢ならない!

 たまに二年生も基礎練とか体力作りで一緒に筋トレとかしてるけど、ちょくちょくカーネル生徒会長が口出ししてくる。

 「領主として素晴らしい統治力を発揮していたとは思えない程、こんなに運動が出来ないとは思いませんでした。
 お供されている使用人たちは大変ですね。」

 かっちーんときた。

 運動神経はないけど、こう見えて私泳げるんだからね。

 「その運動能力が陸上で活かされてないと言うのは、とても残念な事です。」

 アガー!あー言えばこー言う!

 カーネル生徒会長は本当に失礼なんだから!

 

 やっと待ちに待った楽しい時間、給食。

 いつものように、私が食べたいものを作ってもらって、それをいつもの四人で食べる。

 今日はレベッカちゃんも呼んで、中庭でいろんな種類の惣菜パンや菓子パンを食べた。

 天気が良くて風が気持ちいい。

 ピクニック感覚で、あっという間に食事を平らげた。

「そういや、フランて結構食べるよな。」

 「そう言われれば、今日のパンも一番多く食べてましたね。」

 「私、あまり食べられないので、色んなものがたくさん食べられるフラン様が羨ましいです。」

 「だよね、それだけ食べても全然太らないし大きくならないんだもん。
 羨ましいよ。」

 レベッカちゃん、大きくならないというのは、背のことかな?

 それとも別の部位のことかな?

 そんでもって、場所を変えても毎度毎度覗き見をするんじゃないよ!



 午後からは魔法の訓練。

 この時間は、四人は相変わらず自習。

 たまに私たちが他の人たちに教える時もあるけど、やっぱりすぐにコツを掴む事が出来る人はいない。

 なので、基本的には先生がつきっきりで指導して、私たちは四人でわちゃわちゃしている。

 何が出来るか実験してみる事が多い。


 セシル様の音に関する魔法はとても便利で、音響設備や遮音、超音波感知、特定の人だけにピンポイントで会話する等、地球の科学技術が満載だ。

 他にも、戦闘ではバフ、デバフ両方が使えてかなり有能。

 バフは、鼓舞や癒し、デバフは睡眠誘発や混乱等。

 感情が入り込むほどの音楽を鳴らせるだけじゃなくて、音で簡単な催眠術をかけているらしい。

 素晴らしいわ。


 ロナウド王子の雷魔法は、完全に攻撃特化。

 相手をチリチリと不快に感じさせるほどの僅かなものから、麻痺させる程度や感電させる事、更には電熱で相手を焼き切る事も出来るそう。

 更に驚きが、天候をも操る能力者。

 この前の雲を吹っ飛ばす事然り、帯電した雲を作り出して雷雨にする事も。

 まるでゼウスのようだ。

 実力はまだ国王陛下の方が上らしいけど、それもすぐに追い越す勢いで成長している。

 あと、たまに電球に電気を通して光らせて遊ぶ事もある。

 って言っても、リリーちゃんの光の方が明るいんだけど。


 で、そのリリーちゃんは、やっぱり治癒魔法が格別。

 怪我、病気だけでなく、欠損部分すら復活させてしまう程に成長。

 まさに聖女たる所以。

 そのとてつもない治癒魔法に隠れがちだけど、光魔法もすごい。

 以前私の十五歳の誕生日パーティーでしてもらったプロジェクションマッピング的なもので相手に残像を見せたり、目を焼かれるほど眩しすぎる光で目眩しをしたり、言葉通り光の速さで攻撃すらしてしまう。

 「フラン様と一緒にいるために」とかいつも言ってるけど、私光速で置いてけぼりにされてるから。


 最後に私。

 錬金魔法チートイェイ⭐︎

 
 こんな感じで、たまに四人で模擬試合してみるんだけど、音速光速で動くみんな、早すぎて見えない。

 なので、私はいつも超合金の壁で防御一択。

 外で何をしてるのかは全然分かってない。



 放課後はクラブ活動や部活動。

 私とリリーちゃんはクラブも部活もしてないから、よく図書館で魔法書を見てる。

 ただ、そこには大抵いるんだよ、私の天敵二人が。

 「授業中に読む本を探しているのですか?
 成績はトップでも、授業態度は不良なんですね。」

 「どんなに背伸びしても、ここの棚はお前には無理だって。
 ほらよ、届かねえんなら最初っから取ってくれって言えよな。」

 あーもう、二人して私の扱いが酷すぎる!



 部屋に帰ってリッカに愚痴を呟いた瞬間、

 「フラン様になんて態度を……
 分かりました、今すぐ息の根を止めに参ります。」

 何をどう分かってるんだ!?
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