公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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117 公爵令嬢は寮内で過ごす

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 学校は、朝九時(地球時間で七時過ぎ)から夕方三時(十九時過ぎ)まで校舎で活動でき、他の時間は寮棟の外に出られない。

 ロナウド王子、セシル様、リリーちゃん、そして私は、いつも制限時間内の自由時間に二人制複合魔法の練習をしている。

 ただ、全く進歩はしていない。

 いっつも熱々の石の山と粒鉄の海が出来上がる。

 石は錬金魔法じゃなくて土魔法だから訓練場の地面と一体化させれば元に戻るんだけど、粒鉄は錬金魔法で生成されてるから減らせない。

 ちょうど五十グラムの純鉄だから使いやすい、という事で学校に売って私とリリーちゃんのお小遣いにしている。

 あと、寮内での生活中で実験に使うための材料にもなっている。

 これだけの暇な時間、私がぼぉーーっとする訳ないでしょうが。



 基本的に、起床後登校までの時間と下校後就寝までの時間は、領の仕事と実験に全て当てている。

 寮内なら割と自由に動けるから下校後はリリーちゃんやレベッカちゃんも実験に参加。

 もちろん、爆発とか火事とかはさせないように、安全面を考慮した実験だよ?

 地球でよく使われていた高吸水性高分子(吸水ポリマー)を作って、生理用品やおしめに使用できるように改良してみたり、ダイラタンシー(水溶き片栗粉)で防具を作ってみたり、マジックハンドを作って遊んでみたり。

 もちろん、私に合う武器も研究している。

 基本的にパワー、スピード、スタミナのない私は、武器との相性が壊滅的に悪かった。

 大楯にしても、軽い体重の私ではすぐ吹っ飛ばされてしまう。

 結果、今のところ『錬金魔法で充分すぎるから武器も防具も必要ない』という事になった。

  

 寮内にはキッチンや食堂、購買もあり、夜食が食べたい人はここで調達している。

 私達三人も、よくキッチンで新作料理を考えている。

 とは言っても、大抵は日本で食べてた料理を二人に披露していくだけなんだけど。

 たまに、栄養補助食品やサプリメントを開発してみる事もあるけど、これらはほとんど実験と変わらないような内容で、キッチンでやってたら寮長に叱られた。

 あとは、駄菓子やヘルシー料理を作って、ちょっとした小腹用に寮内の人達に売っている。

 生徒同士の売買は禁止されてないし、材料代だって人件費だってタダじゃないんだから。


 この前は、ラムネ菓子で型抜きを作って三人で遊んでたら、「深夜にうるさい」と言われてまた寮長に叱られた。

 私とリリーちゃん、プラスで私の専属料理人は、寮内で問題児扱いになっていた。

 なんでこんな事なる前に、リッカは私達を止めてくれないの?

 「逆に、何故注意してないと思われる方が不思議です。
 あれ程、何度も何度も何度も何度も言い聞かせているのに『分かった分かった』と私の話を聞いてくださらないのは、何処の何方でしょうか?」

 はぁ、耳タコなんだけどそれが全てなんだよね……

 「リリー様まで巻き込んで、何を考えてらっしゃるのです!?
 ヤークン家の方にご迷惑お掛けして、申し訳ないと思わないのですか!?」

 あ、いやぁ、一応リリーちゃんには部屋に戻るようには催促してるんだけど、「私はフラン様と一緒にいるんです!」って聞かないのよ。

 「じゃあ尚更活動自粛してください!
学校での生活と今までの生活を、同じだと思わないでくださいよ!」

 くっ……完全にその通り過ぎてぐうの音も出ない。

  明日は気をつけるから。

 「明日『は』?」

 チッ……



 早朝は私の独断場。

 リッカやレベッカちゃんが起きてない早朝からガチャガチャと実験道具や便利道具、玩具を作っている。

 自由研究一班の三人、特にビクター君に好評で、毎日色んな物をこさえてはあげる、てのが日課のようになっていた。

 そのやり取りをジョニー先生に見つかって、

 「あんまりやり過ぎると、他の生徒と差別化しちまうから気を付けろよ。」

 と頭を軽くチョップされる。

 だから子供扱いしないでってば!



 トータルして私の学校内の評価は、

 『勉学、魔法は飛び抜けて才能があるが運動能力は皆無で、他生徒を巻き込みながら感動と迷惑を振り撒く超要注意人物』

 というものになった。

 褒めてるのか貶してるのか、どっちなんだい!
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