公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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146 公爵令嬢は不良に説教する

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 あの後、リッカとレベッカちゃんに今日の報告してたら、あの不良の話をして段々思い出し怒りしてしまって、リッカが手をポキポキ鳴らし始めたから全力で止めた。

 いや、私だってどうにか言い返したかったよ?

 でもリッカのはやりすぎ。

 本当に命に関わりそうなくらいフルボッコしそうな顔してた。

 レベッカちゃんも「そいつ、生意気だわ」と青筋立ててたくらいだから、私の言い方が悪意に満ちていたのかな。

 とりあえず、あの人とはしばらく会いたくない。

 久しぶりに嫌悪感増し増しな人だったよ。



 「なんでまたお前がいるんだよ。」

 私の心の声はフラグなの?

 「どこにいようが、私の勝手でしょ?」

 会いたくないからわざわざ中庭の芝生にいたのに、なんでここに来るの?

 「ここ、俺の昼寝の場所だから。
 退けよ。」

 「何時誰がこの場所を貴方のものと決めたの!?」

 「今俺が決めたんだよ。
 文句あんのか?」

 「あるに決まってるでしょう!!
 何子供みたいなこと言ってんの!?」

 「お前、うるさいわ。
 どっか行け。
 寝れねぇじゃん。」

 ムカつくーーー!!!

 「私、怒ったわ!
 貴方どうせ授業中に寝るんでしょ!?
 だったらここで寝る必要ないじゃないの!!」

 「本当うるせえ。
 俺に関わるな。」

 「私がいた場所に貴方が来たんでしょ!?
 貴方の方がどこかに行きなさいよ!!」

 「おい、フラン。
 何大声で叫んでんだよ?」

 「あ!ロナウド!
 ちょっとこいつ何とかして!
 超ムカつく!」

 「フラン、口調が変わってんぞ。」

 「あ、ごめんなさい。」

 「何こいつ。
 お前の男?」

 「婚約者よ!
 て言うか、王子殿下に対して何て言い方するの!」

 「ふん、俺には関係ねぇ。
 人前でイチャつくんじゃねぇ。」

 「あ、フラン!
 俺もこいつムカつく!
 こんな奴、相手にするのもバカらしい!
 フラン、行くぞ!」

 「ふん、今日のところはロナウドに免じて許してあげるけど、次はタダじゃおかないからね!」

 「ふん、負け犬が。」

 「フンガー!!!」



 「フラン、アイツ何なんだよ。」

 「エリック・アンダーソンて言う二年生。
 魔力量が少なくてひねくれてるんですって!」

 「なんだよそれ。
 フランだって魔力量少ないのに。」

 本当よ!

 私は少ない魔力で一年間毎日限界までクエン酸と重曹を作り続けたから、ここまで魔法が上達したのに!

 ダメだわ、やっぱりギャフンと言わせたい!

 「ロナウド、私やっぱり我慢できません。
 ちょっと彼に説教して来ます!」

 「マジかよ。
 一人で行くのか?」

 「ええ。
 ロナウドに恥ずかしい姿を見せたくないので。」

 「普段は恥ずかしい姿を晒してないと言い切ってるあたり、フランも中々ふてぶてしいな。」

 う、返す言葉もありません。



 「ちょっといいかしら。」

 「なんだよ、戻ってきて。
 面倒だから良くない。」

 「あなたに拒否権はないわ!」

 「うぜえ。
 どっか行け。」

 「貴方、魔力量が少ないってだけで拗ねちゃうとか、どれだけ子供なの?」

 「は?」

 「私だって魔力量少ないわよ!」

 「だからなんだよ。」

 「大した努力もせず、出来ないことから逃げ出して、それでいて周りに当たり散らすとか、魔力持ちの風上にも置けないわ。」

 「黙れ。
 お前に俺の何がわかる?」

 「分からないわよ。
 だって、私は貴方みたいに逃げてないもの。」

 「それ、自慢話?
 マジうぜえ。」

 「自慢話でもなんでもないわ。
 だって、貴方が通ってないだけでみんなが通ってきた道だもの。」

 「はっ、みんなが通っただ?
 才能がある奴は通らねえよ。」

 「魔力持ちで才能がない人なんて居ないわ。
 だって、みんなが持ってない魔力ものを生まれ持っているんだから。」

 「……魔力量一レベルだなんて、持ってねえのと同じだ。」

 「誰がそんな事言ったの。」

 「周りのヤツらみんなだ。
 マッチの火ほどしか出ねえ火魔法なんざ、魔法じゃねえんだとよ。」

 「……信じられない。
 酷いわ。」

 「だから言ったろ。
 俺に関わるなって。」

 「貴方の考え方が酷いのよ!
 なんでそんな歪んだ考え方しか出来ないの!?
 私だって、魔力量が少なくなる訳ない家系で魔力量が四しかなくて、しかも土属性魔法とか私の先祖ですら持ってない属性を持ってて、どれ程ショックと孤独感を抱いたと思ってるの!?」

 「……お前はひとりじゃねえだろ。
 俺には味方なんて誰もいねえ。
 家族ですら俺を見下すような目で見やがって、それでまともでいられんのかよ!?」

 「じゃあ私が味方になってあげるわ。」

 「……は?」

 「貴方は魔力量が少ないから不良になったんじゃなくて、味方が誰もいない孤独だから拗ねてたんでしょ?
 だから、私が味方になるって言ってるの。
 これで万事解決じゃない。」

 「……お前本気で言ってんのか?」

 「当たり前でしょ?
 ついでに私が貴方の魔法の先生になってあげる!」

 「出しゃばってんじゃねえよ。」

 「本気よ?
 私だって、魔法が使えるようになるまで一ヶ月かかったけど、そこから毎日限界ギリギリまで魔法の訓練してたもの。
 魔法の扱い方は自慢出来るわ。」

 「……あの巨大ゴーレムの事か?」

 「あんなものよりもっと大きなものを作って見せてあげる!
 い出よ、超巨大ゴーレム!」

 そして、校舎より背の高い黄金ゴーレムをドドドーンと作った。

 あまりの大きさに、地響きが鳴った。

 ふぅ、さすがに魔力を使いすぎて身体がだるいわ。

 「どうよ、本気で訓練すれば、このくらいどおってことないわ。」

 「いや……肩で息しながらとか、説得力ないから。」

 「それだけ全力を出したのよ。
 貴方だって、本気で訓練して本気で魔法を使えば、このくらい出来るわ。」

 「いや、絶対無理。」

 「なんで自分で限界を決めるの?
 やって見なきゃ分からないものだってあるじゃない。
 やってみてから限界を決めればいいでしょ?」

 「……チッ、分かったよ。
 少しだけやってやる。」

 「少しだけじゃダメよ!
 本気の全力を出してね!」

 「ハイハイうるせえ。」



 その日、突然現れた黄金ゴーレムを作ったことがバレて、魔法実技の先生にゲンコツを二回食らった。

 そしてその黄金兵は、今では校舎の横に佇んでいる。
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