異世界遺跡巡り(改)

小狸日

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030勇者の遺跡

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テントはOZのを貸す事にし、食料に余裕が有るので問題無いと言ったが、アドニスさんとケーマの方でも用意してくれるそうだ。
準備に時間がかかると言うので、先にOZのメンバーだけで遺跡に行くことにした。

遺跡を見て、拓が興奮気味に話す。

「凄い、こんなに巨大な遺跡とは思ってもみなかった。。
 ここが入口かな。見てよ、この柱の並びなんてパルテノン神殿みたいだ。」

崩れているが、その跡地だけでも規模の大きさが分かる。
入口らしき場所には巨大な柱が対称に左右5列、奥に20列も続いていた。
その先には広間があり、崩れかけた壁画

「天使と魔人だ。すると上に描かれているのが勇者なのか。本当に凄いよ。」

高さ3mはある壁画には、天使と言われている美しい女性と魔人と言われている角を生やした男性が並び
2人の上に勇者と言われている人物が描かれている。
しかし、勇者の顔だけは削られていた。
多分、天地見聞録に書かれている内容が影響しているのだろう。


「拓ちゃん、遺跡の探索は後にして先にキャンプの用意をするぞ。」

アドニスさんから聞いていた通り、遺跡の西側には小川が流れていてキャンプをするのに適していた。
テントを3つ組立て、出入り口の所に大き目のシェードを用意し椅子と机をセッティング。
石を積み上げかまどを作り、小川の側に穴を掘り風呂とトイレを用意した。
キャンプの準備出来上がった所に、アドニスさんとケーマがやって来た。

「これ俺の家で取れた野菜の差し入れ。母ちゃんが持って行けって。
 お~カッコいいテントだな。中を覗いても良いか?」

ケーマが来るなり、はしゃいでいる。

「ケーマ君と拓は、そのテントを使って。
 アドニスさんは、浩司とそっちのテント、俺とレオはこのテントで。」

今回のキャンプは、ガラが仕切り、浩司は子供を担当。

「何だか、悪いな。昨日狩ったピーグの肉の差し入れだ。」
「助かる。今夜はバーベキューにするぞ。子供は先に風呂だ。浩司よろしくな。」

ガラは未だ21歳だというのに良いお父さんそのものだった。
風呂と聞いて何の事か分かっていないケーマが小川の方へ行くのを見ていると

「ほら、拓ちゃんも一緒に行くぞ。」

と叩かれた。俺は自分も今は子供だという事を忘れていた。
直ぐに着替えを持って浩司とケーマの後を追った。
浸かって少しすると、もう夕焼けの時間。
後ろを見ると、遺跡が真っ赤に染まっていた。
森の向こうに日が沈み、空が赤から青色、そして暗くなり空に星が瞬き遺跡は黒い影を落としていた。
1時間位だったが、その光景に見とれていた。

「浩司、見たか今の夕焼け。こんなのが見れるなんて思わなかった。」

浩司も見とれていた様で拓に話しかけられるまで空を眺めていた。

「そんなに感動するものか?普段見ている夕焼けじゃないか。
 そんなのより、この風呂って気持ち良いな。初めて入った。」

ケーマにとっては何時もの夕焼けでしかなかったのだろう。
だが、気を使ってくれたのか黙って湯に浸かっていてくれた。
戻ると既にバーベキューの準備が出来いた。

「ずいぶんと遅かったじゃないか。もう少しで呼びに行くところだったぞ。」

ガラが肉を刺した串を持って声をかけてくる。
先ほど見た光景について話をすると、実はガラとアルも見とれていてアドニスさんが準備をしてくれたそうだ。

「そうそう、これを付けて食べようよ。」
「これって、拓がバッグの横に付けていた容器だよな。」
「焼いた肉に、中のタレを付けて食べるんだよ。」

とガラに渡したのは焼肉のタレ
エチゴに貰った酒、醤油、ミリンにリンゴの果汁と砂糖を加えた物にニンニクを漬けて、旅の間、容器に入れてバッグの横に付けておいた。
マジックバックやアイテムボックスにしまうと漬け置きが出来ないので仕方が無い。
グリムには錬成術を使えば直ぐに出来上がるのにと言われたが、作る過程も楽しんだ方が面白いと答えて笑われた。

「では、無事に遺跡の横でキャンプを行え、感動的な夕日に巡り合えた事にカンパイ」
「「カンパイ」」」

ガラの音頭でバーベキューの始まりだ。
肉の焼ける良い匂いがする。さっそく、タレを付けて食べてみると

「「美味い」」

なかなかの高評価。ただ、俺としては辛味が欲しい所だ。
甘いだけだと味に飽ききる。浩司も満足しつつも物足りなさを感じている様だ。
試しに、同じく旅の途中で作った柚子胡椒を付けてみた。

「浩司、柚子胡椒がイケるぞ。」
「本当だ、良い感じに合う。少し多めに付けた方が美味いな。」

試しに付けてみたが、その辛味と風味が良い感じに合っていた。
それを見ていた他のメンバーも試すと気に入った様で、柚子胡椒が一気に減っていく。
腹が満足した所で焼き係を代わった。

「ほら、肉ばかり食べてないで野菜も食べろよ。」
「拓って、言う事が母ちゃんみたいだな。」

ケーマは変な突っ込みを入れつつも野菜を食べる。

「焼き野菜にも、このタレって合うんだな。すげー美味い。」

見事に用意した串が全て食べ終わり、バーベキューは終了。
焼き肉のタレも殆ど無くなり、柚子胡椒は完全に無くなっていた。

「また作るしかないか。それにしても、食べすぎじゃないか。」

ここまで減るのが早いなら、ここに滞在している間に大量に仕込んでおいた方が良いだろう。

汗をかいたので、少し狭いが皆で一緒に風呂に入ることにした。
美味しい料理、満天の星空、そして露天風呂
最高の贅沢だ。
こんな時間を大好きな仲間を過ごせる事に感謝していた。
一応、大人組で見張りをすると言うので俺とケーマは先にテントに入らせてもらう。

「なぁ、拓。明日、あの箱を見つけた場所に特別に連れて行ってやるよ。」
「えっ、良いのか。楽しみにしているよ。」

俺はワクワクしてしまい、いつまで経っても寝付けなかった。
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