異世界遺跡巡り(改)

小狸日

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064カメラ

ラグテルの町に戻ってきた俺達は、冒険者としての活動の他に、孤児院で作っている薬の手伝いや次の旅の準備で忙しくしていた。

浩司達は食べ物の他にグリムから教わりながらポーションを作り始めた。
俺の方で保温用の魔道具を用意したので作業は楽になったが、作り上げるのに1週間はかかる。
作ったポーションはエチゴさんの所で買い取ってもらえる事になった。

そして俺は次の旅の前に欲しい物が有り、少しでも時間が空いたら魔道具作りをしている。
以前の世界で仕事をしていた時より、この世界の方が働いていると思う。
しかし頑張った結果、ついに念願の魔道具が完成した。

「早く、みんな並んで。ほら、ポーズを取って。」

家の庭でOZのメンバーに武装してもらい指示を出す。
ついでに、グリムの意識が入った黒い本を取り出して浩司に持ってもらう。
3人と本が並んだ所で、ついに作り上げた魔道具:カメラのお披露目だ。
見た目は完全にコンパクトカメラだ。
明るさやシャッタースピード等を設定できるようになっている。
手のひらに乗るサイズの投影機で写真を空中に映し出してみると、奇麗な解像度で全員が驚いていた。

「やっぱり、グリムの技術って凄い。こんなに奇麗な解像度で写るとは思わなかった。
 ちなみに光魔法の応用で明るさやシャッタースピード、ズームの機能も付けてあるよ。」

写真を見せながらカメラの機能について説明をしていく。
欲を言えば色温度調整など欲しい機能は色々あるが、十分満足いく出来だ。
そして、三脚に乗せて俺も一緒に並ぶ。
シャッターは魔力で起動するので、魔力さえ放出できれば離れていても写す事ができる。
チームOZの写真だ。

『拓がこんなのを作っていなければ、浩司との時間も作れたんじゃないのか。』
「そうなんだけど、どうしても皆との記録を残したいんだよ。」
『全く、何だかんだ言って、拓は浩司に甘えているな。愛想を尽かされるんじゃないぞ。』
「本当だよね。肝に銘じておくよ。」

本当は、メンバー全員分を用意したい所だが、そこまでの時間は無く後は冬の旅支度。
あっという間に2ヶ月が過ぎ、ブルネリ公爵領へ出発となった。
事前にエチゴさんには挨拶をしておいたら、門まで見送ってくれた。

「お前等、しばらく町を離れるんだって。まぁ、気を付けて行けよ。
 特に、拓なんて雪に埋もれないようにな。」

依頼を受けて町を出て行くゴルゴが声をかけてくる。
この間のギルドでの1件から少しづつ話すようになっていた。
相変わらず口が悪いが、嫌な感じはない。そして、獣人達の手助けを続けているらしい。
今までの行動が酷過ぎたので獣人に受け入れられるまでは時間がかかると思うが問題なさそうだ。
ただ、彼等の獣人を助ける言い分は

「この俺達の命が、獣人を数回助けただけで釣り合うわけないだろ。」

おっさんのツンデレも ここまで来ると笑ってしまう。
つい笑うと、ガキ呼ばわりしてくるし・・・
でも、この会話は嫌じゃない。


ブルネリ公爵領はマクニス王国の王都の近くにある。
俺達は先ず、王都に寄ってからブルネリ公爵領に行くことにした。
王都にはガラとレオも何度か行った事があり、ラグテルの町とは比較にならないくらい大きい都市らしい。
他の国との交易も盛んで、珍しいものも多く売られているらしいので今から楽しみだ。

冬の街道には人も魔獣の気配は無い。
俺達は保温の魔法陣を組み込んだ服のおかげで、厚着をしなくても問題無く行動出来ている。
宿泊に使われる広場には、俺達以外は誰もいなかった。
丁度良い機会なので、アイテムボックスから新たに作った天幕を取り出す。
十分な高さがあり、生地は保温効果が高いので火魔法で室温を上げれば冬でも一晩は暖かい。

移動中は、カメラの取り合いになっていた。
直ぐに落ち着くかと思っていたが、何時まで経っても熱中している。
雪が降った時は、真白な冬景色を写す為に撮影会として1日同じ場所に留まった。

王都に近づき、他の人を見かけるようになるまでカメラの奪い合いは続いた。

夜になると写真の品評会を行うと、ガラとレオが俺と浩司の2ショット写真を色々撮ってくれていた。
次に多かったのはポーズを決めたガラの写真。レオに頼んで何枚も撮って貰っていた。
ちなみに、俺が写した風景写真の評価は高く、趣味で培ってきた実力を見せつける良い機会になった。
後の3人は似たようなものだが、ガラが撮るより撮られたがっていたのが意外だった。

ここまで写真にハマるとは思っていなかったので
最低でも、もう1つはブルネリ公爵領に居る間に作る事に決めた。
移動中も時間を見つけては、コアに魔法陣を描き始めた。

写真に時間が取られ、王都にたどり着いたのは予定よりだいぶ遅れてしまった。
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