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160脱出
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拓は1人完全に浮いていた。
ちらちらと自分を見ているのは分かるが、話しかけてくる貴族は居ない。
仕方なく、飲み物を受け取り料理が並んでいるテーブルの方へと向かった。
「拓殿の好きな料理は有るかな?」
「ブルネリ公爵。お久しぶりです。どれも美味しそうなので、パーティが始まったら少しづつ食べてみます。」
「それは難しいかも知れませんな。それより、私のパーティに参加の返事を頂きありがとうございます。」
「マナーなど分からない点が多く迷惑を掛けるかもしれませんが、宜しくお願いします。」
エチゴ経由で拓が受け取った招待状は、結局ブルネリ公爵とロダン侯爵のパーティにだけ参加することにした。
事前にサリナ姫に確認したのだが
「免責札が有っても他の貴族との繋がりは無いんだから、参加したくなければ出なくても良いと思うわ。
ただ、個人的に知り合いなら出たら喜んでくれるわよ。」
好きにして良いとの事。それならと、個人的に知っている2人のパーティにだけ参加とし、残りは欠席とした。
国王が現れパーティが始まり、拓は国王に挨拶をし、サリナ姫、勇者達と話していると
「拓殿、会うのは初めてだな。私は第一王子のエドモンドだ」
「サリナから話を聞いて会いたいと思っていた。第二皇子のギルベルトだ。」
「拓です。宜しくお願いします。」
王子2人から話しかけられた。流石はサリナ姫の兄、物凄い美形。絵に描いたようなキラキラの王子様。
しかもサリナ姫とは違い、中身もしっかりと王子様みたいだ。
拓に合わせて冒険者の話など振ってくれて話題に尽きない。
このコミュニケーション能力の高さは素晴らしいの一言だった。
貴族達が王子達に挨拶をしたがっているのを見て、拓はある程度話して料理の方へと向おうとしたのだが
「拓殿・・・」
あっという間に、貴族に囲まれてしまった。
貴族達は親しい間柄でも無いのに、王族より前に免責札を持つ拓と話すのを躊躇っていただけだった。
良い機会なので拓は瘴気の吹き溜まりの情報を得たいと思ったのだが、拓が何者かを知ろうとする貴族相手では聞くことも出来ない。
笑顔で適当に流していたが、限界が近い。
逃げ道を探してサリナ姫や勇者達を見たが4人とも貴族達と話し中。
他に誰かいないかと探し、集まった貴族に断りを入れロダン侯爵の所へ向かった。
「拓殿の方から声を掛けて頂けるとは。余りにも人気が有ったのでどうしたものかと思っていた。」
「全く、一介の冒険者なのに何でこんな目に合うのでしょうかね。」
「免責札だけでなく、魔導士としての腕前、村への配給、スラム街の改善と色々と活動をされているからな。」
「私は中級の魔法しか使えませんし、配給と言ってもエチゴさんの護衛で、スラム街は仕事を頼んでいるだけです。
大袈裟に伝わっているみたいですね。まいったな。」
拓の答えを聞いて、ロダン侯爵は困った顔をする。
騎士と接近戦で戦え、様々な中級魔法を使いこなす凄腕の魔導士だというのに
拓のアイテムボックスが有るから、エチゴはあれだけの配給が出来るというのに
村では怪我人の治療を行い、盗賊退治までして治安を守ってくれているというのに
免責札の力も使わず、一冒険者としてスラム街の活気を取り戻したというのに
何一つ、大袈裟に伝わってはいないのだが・・・
ロダン侯爵と話している間に、貴族達はそれぞれ別の人と話し始めたので食事でもしようとしたのだが
「拓様、パーティは如何ですか。」
今度は貴族の令嬢に取り囲まれる。
妙にチヤホヤされ、拓を褒めまくる令嬢達。
立ち位置が妙に近い。ここはコスプレキャバクラなのかと錯覚を起こす拓。
笑顔で対応していたのがだが、さすがに限界。
逃げ道を探して周囲を見るがロダン侯爵も苦笑いで一歩引き、ブルネリ公爵は他の貴族と談笑中。
「皆様、申し訳ありませんがスラム街の事で拓様と少し話をさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか。」
諦めていた所に、サリナ姫が救いの手を差し出してくれた。
サリナ姫と2人で雑談をしつつメイドの方に料理を少しづつ盛ってもらうと、
「とりあえず挨拶もしたし、パーティが終わるくらいのタイミングで戻って来るよ。」
「良いけど、何処に行くつもり?」
「仲間がいる待合所でゆっくりと食事をしてくる。」
拓は料理をアイテムボックスに収納すると会場を後にした。
ちらちらと自分を見ているのは分かるが、話しかけてくる貴族は居ない。
仕方なく、飲み物を受け取り料理が並んでいるテーブルの方へと向かった。
「拓殿の好きな料理は有るかな?」
「ブルネリ公爵。お久しぶりです。どれも美味しそうなので、パーティが始まったら少しづつ食べてみます。」
「それは難しいかも知れませんな。それより、私のパーティに参加の返事を頂きありがとうございます。」
「マナーなど分からない点が多く迷惑を掛けるかもしれませんが、宜しくお願いします。」
エチゴ経由で拓が受け取った招待状は、結局ブルネリ公爵とロダン侯爵のパーティにだけ参加することにした。
事前にサリナ姫に確認したのだが
「免責札が有っても他の貴族との繋がりは無いんだから、参加したくなければ出なくても良いと思うわ。
ただ、個人的に知り合いなら出たら喜んでくれるわよ。」
好きにして良いとの事。それならと、個人的に知っている2人のパーティにだけ参加とし、残りは欠席とした。
国王が現れパーティが始まり、拓は国王に挨拶をし、サリナ姫、勇者達と話していると
「拓殿、会うのは初めてだな。私は第一王子のエドモンドだ」
「サリナから話を聞いて会いたいと思っていた。第二皇子のギルベルトだ。」
「拓です。宜しくお願いします。」
王子2人から話しかけられた。流石はサリナ姫の兄、物凄い美形。絵に描いたようなキラキラの王子様。
しかもサリナ姫とは違い、中身もしっかりと王子様みたいだ。
拓に合わせて冒険者の話など振ってくれて話題に尽きない。
このコミュニケーション能力の高さは素晴らしいの一言だった。
貴族達が王子達に挨拶をしたがっているのを見て、拓はある程度話して料理の方へと向おうとしたのだが
「拓殿・・・」
あっという間に、貴族に囲まれてしまった。
貴族達は親しい間柄でも無いのに、王族より前に免責札を持つ拓と話すのを躊躇っていただけだった。
良い機会なので拓は瘴気の吹き溜まりの情報を得たいと思ったのだが、拓が何者かを知ろうとする貴族相手では聞くことも出来ない。
笑顔で適当に流していたが、限界が近い。
逃げ道を探してサリナ姫や勇者達を見たが4人とも貴族達と話し中。
他に誰かいないかと探し、集まった貴族に断りを入れロダン侯爵の所へ向かった。
「拓殿の方から声を掛けて頂けるとは。余りにも人気が有ったのでどうしたものかと思っていた。」
「全く、一介の冒険者なのに何でこんな目に合うのでしょうかね。」
「免責札だけでなく、魔導士としての腕前、村への配給、スラム街の改善と色々と活動をされているからな。」
「私は中級の魔法しか使えませんし、配給と言ってもエチゴさんの護衛で、スラム街は仕事を頼んでいるだけです。
大袈裟に伝わっているみたいですね。まいったな。」
拓の答えを聞いて、ロダン侯爵は困った顔をする。
騎士と接近戦で戦え、様々な中級魔法を使いこなす凄腕の魔導士だというのに
拓のアイテムボックスが有るから、エチゴはあれだけの配給が出来るというのに
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何一つ、大袈裟に伝わってはいないのだが・・・
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「とりあえず挨拶もしたし、パーティが終わるくらいのタイミングで戻って来るよ。」
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