欲にまみれた楽しい冒険者生活

169ブルネリ公爵のパーティ

ブルネリ公爵のパーティの当日となった。
ＯＺの３人はノンビリ歩いて、ブルネリ公爵の屋敷を尋ねた。

拓がブルネリ公爵に挨拶を行った際　奥様と息子２人を紹介されたのだが、奥様は若く、息子は美形。
王族といい、公爵家といい何故　ここまでキラキラした王子様系なのかと不思議に思う。
息子も拓より年上なので奥様はそれなりの歳のはずなのだが、若すぎる。

「拓殿、息子達は妻の本当の子供だぞ。若々しくて驚いたか。」
「あっ、はい。驚いてしまい申し訳ありません。」
「その様に驚いて頂いて嬉しいですわ。ありがとうございます。」

拓は驚きが顔に出たかと反省したが、奥様が喜んでくれたのなら結果良し。

その後、拓はロダン侯爵が参加されていたので軽く話をし、多くの貴族に挨拶をされたが、しつこくされる事も無く食事も美味しく頂くことが出来た・・・が居心地が悪い。
妙に見られている気がする。
服装が変なのかと、さりげなく鏡を見るが問題は無いように見える。どうしたものかと思っていると知り合いを発見。

「ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵、この間はありがとうございました。」
「拓殿、こちらこそ楽しい時間をありがとうございました。」
「所で、私の格好に変な所は無いでしょうか？」
「いえ、特には無いと思いますが、どうかされましたか？」

拓が視線を感じる事を伝えると、

「それは当然ですよ。話題の人物ですから。」
「瘴気の吹き溜まりの地図を作成されて助かる者も多いですからね。」
「それに魔導士としての腕前も話題になっていますから。実は私の息子も治癒魔法の素質が有って拓殿に憧れているんですよ。」

３人は笑いながら教えてくれた。

「ビスタ男爵の息子さんですか。これはカッコいい所を見せておきたいですね。」
「出来れば、拓殿に息子の魔法を見て頂きたいですな。」
「勿論良いですよ。と言っても、経験から学んだ事の説明と中級魔法程度の治療を見せるだけになりますが。」
「えっ？」

拓の言葉に思わず驚いたのはピスタ男爵。まさか免責札を持つ拓に男爵の息子の魔法を見てもらえるとは思いもしなかった。
それも、ヨギ宮廷魔導士ですら一目置くと噂になっている魔導士にだ。
しかし、その様子を見た拓は

「あっ、すみません。只の会話のやり取りでしたか。勘違いしてしまいお恥ずかしい。」

話の流れで言っただけで、拓は本気ではないのも分からなかったと勘違いしていた。

「いえ、本当に宜しければお願いします。息子も喜びます。」
「そうですか。頑張らせて頂きますよ。今度スラム街に行くので、その時に一緒に如何ですか？
　最近は冒険者に戻る人も増えて、それなりに怪我人は居るので治癒魔法を見せるにも丁度いいと思います。
　治安も落ち着いているので安心して大丈夫ですし。」

ピスタ男爵はスラム街での治療行為は心配してはいなかった。
流石に自分自身で伺う訳にはいかなかったが、サリナ姫の食料供給に護衛を参加させ状況は聞いていた。
そこでＯＺが尊敬されているという事も・・・
良い機会なので、ＯＺとして魔獣の解体を依頼する日に男爵３人も同行させてもらう事にした。

「仲間に話をしてきますので、少し席を外させて頂きます。」

拓としては良い口実が出来たと、パーティ会場を抜け出す事にした。

この話を聞いていた他の貴族達は何故３人の男爵が免責札を持つ拓と親しいのかと不思議に思っていた。
おまけに、息子の魔法まで見てもらえるという。
他の貴族達も拓と繋がりを持ちたいと考えていたが、国王主催のパーティで貴族から言い寄られてうんざりしていたのは有名な話。
どうきっかけを作れば良いのかと、皆　考え悩んでいた所だった。