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241別世界

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OZとクリームの合同での魔獣討伐が始まった。
拓の探索魔法で魔獣の集まっている場所を見つけては退治を行い、全てをアイテムボックスに収納していく。

「結構な数を退治したな。拓、開拓地周辺の間引きは未だ必要か?」
「後1か所ですね。そこさえ終えれば心配は無くなります。」

今回は大量に魔獣を退治し素材を得る以外に、魔獣の間引きを行う目的が有った。
来てくれている冒険者が退治しやすい状況を作り出し、ある程度 定着してもらうためだ。
前回、勇者達の協力でかなりの広範囲を対応したので、間引きと言っても開拓地に居る冒険者達でも十分に対応出来る程度だ。

「今度は川の向こう側を攻めてみますか?」
「どんな感じなんだ?」
「もう、別世界。今の何倍もの素材があっという間に手に入るかな。」

川向うには瘴気の吹き溜まりが幾つも有り、勇者達が王都側から攻撃をして魔獣を減らしてくれている。
それが無ければ、川を渡って来ていたかもしれない。

「俺達でも行けると思うか?」
「魔獣がやってくる方向さえ決まっていれば対応できると思う。明日、やってみる?」

拓がジークを誘うと、少し考え

「良い機会だと思う。やってみないか?」

クリームのメンバーに話しかけると、全員が同意し挑戦することになった。
やる気に満ちたクリームのメンバーに対し、溜息を吐きたそうなガラとレオ。
明日の為に早く開拓地に戻り、エチゴに川向うでの魔獣討伐の話をすると

「それは大丈夫なのですか?」

心配するので、拓が討伐方法と手に入れたロッドを使う事を説明し了解を得た。

「しかし、無理だけはしないでくださいね。」

最後にしっかりと注意はされてしまったが。
話を聞いていたアルも行きたそうにしていたが、エチゴの護衛という立場上不参加が決定。


次の日、OZとクリームは暗い内から出発した。
拓が氷で作った船を使い川を渡ると、ジェニファーとロビンに火と水のロッドを渡し、自分は一気に岩の壁を作り上げた。
壁はハの字になっていて、狭い方は川に、広い方は森に開いている。
ジェニファーとロビンは壁の上に立ち、残りの男性陣は壁の間で剣を構えた。

「魔獣を呼び寄せますね。」

拓が作り上げた大量の氷の槍が遠くへ飛んでいく。
徐々に攻撃を近づけていくと、森の中から壁の中へと魔獣が飛び出してきた。

男達は魔獣を倒して倒して倒し続ける。
ジェニファーとロビンも壁の上から攻撃魔法を放ち続けている。
そして、倒した魔獣が消えていく。
この魔獣の攻撃の中、拓は倒した魔獣をアイテムボックスに収納をしていた。

「ジェニファー、攻撃に集中して。」

ジェニファーは思わず姿を消している拓を探してしまったが、直ぐに攻撃サポートに集中した。

「俺達は兵士ではありません。目的は素材の入手。
 攻撃は可能な限り急所を狙い、余計な傷をつけない様に。」

拓に言われ、以前の様に魔法の一斉攻撃をせずに倒そうとしているが・・・無理だった。
直ぐに諦め、魔獣の間引きを始めてしまった。
ロッドが中級魔法しか放てず、ある程度強い魔獣に対して何発も当てる必要があるのも問題だった。
想像以上の数の魔獣に、ロッドに貯めていた魔力を大量に消費した所で、魔獣の攻撃が終わった。

男性陣も壁の上に登ると、一息ついていた。

「今日の討伐は夢に出てきそうだな。一年分の仕事をした気がするぞ。」
「夢と言っても悪夢だな。この壁が無ければ、あっという間に終わってたな。」
「魔獣の終わりが来る気が無かったからね。」

男性陣は大の字になって横になり、クリームのメンバーは笑いながら感想を話し、ガラとレオは黙って空を眺めていた。
魔獣討伐中、姿を消した拓は空を飛びながら魔獣をアイテムボックスに収納し続けていただけだったので一人元気なままだった。

「お疲れ様。大量の素材が手に入りましたよ。午後は少し解体作業を行いましょうか。」

さすがに大量過ぎて解体依頼をするにしても、分割して依頼を行わないと問題になる。
今日 開拓地で解体してもらえる分を依頼し、自分達でも少しは行った方が良いだろう。

川の反対岸に戻り解体用の作業台を岩で作り出すと、拓は開拓地に戻り解体可能な分の魔獣を預けることにした。
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