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245魂の安定
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「その魔道具はどうなったのですか。」
「アブラムとムーサーが勇者様に返すと言って持って行った。
言われたよ、『勇者様を裏切った者に呪いが降りかかったんだ』とね。
アブラムは勇者様に教えを乞うために神殿に来た様なものだからな。」
「貴方は、その魂に干渉する魔道具で何をしようとしたんです。」
「分からない。あの時は、ただ魔道具を起動させる事で頭がいっぱいだった。」
何を成し遂げたいでは無く、行動をする事が目的になっていると言う事か。
正直ウルトラアイで見ても真っ黒なオーラしか見えず判断は出来ないが、嘘をついていないと思う。
もしかすると、罪の重みや、長い年月で本当の目的を忘れてしまったとか。
「ちなみに、アブラムとムーサーのその後はどうなったのですか。」
「それも分からない。
我々をアンデットにした魔法陣、あれは長い間結界として作用し外には出れなかった。
多分、不安定な状態だったのだろう。その間にアンデットの体へと安定していくを感じた。」
魂の研究に、アンデットへの体を改造する魔道具。物騒な感じしかしないな。
アブラムとムーサーについて詳しく聞いてみると
アブラムは魂の研究をしていた。
勇者様に常に付き従い、色々と教えを請い、独自の理論を構築していったらしい。
彼の研究は、他人に公開されたのは初めだけで、徐々に隠匿されていった。
ムーサーは神殿の治安部隊で活動していたが、いつしかアブラム個人の専属護衛となった。
2人の存在は神殿の中で浮き、隠匿していたのは、研究が進んでいないからだと陰口を言われていたが
結局、最後まで勇者様を信じていたのは2人だけだったらしい。
「この様な、愚か者の願いを叶えてもらえないだろうか。」
これだけの力を持つリッチが俺に頭を下げる。
「分かりました。どこまで出来るか自身が有りませんが、その依頼を受けます。」
「おいおい拓ちゃん、あれだけの人数を浄化させるなんて大丈夫なのか。」
浩司が心配そうに聞いてくるが
「出来る範囲で対応するだけで、無理はしないよ。ただ、この世をさまよい続ける苦悩を断ち切ってあげたいしね。」
「ありがとう。仲間を宜しく頼む。」
そう言って、リッチは再び頭を下げた。
「その礼という訳ではないが、お主の魂を安定させることが出来るがどうする。」
「「魂の安定?」」
リッチの話では、俺の魂は普通の人とは違い不安定な状態に有るらしい。
普通なら徐々に拡散してしまう所を、体内の魔力が押し留めている。
『そうじゃったのか、それで大量の魔力を使ったり、攻撃魔法を使うと反動が大きかったんじゃな。』
魂が不安定とどう繋がるのか分からずにいると
『大量の魔力を使うと、魂が拡散しようとしてしまうんじゃ。
そして拒否感が有る攻撃魔法は、精神的苦痛が体に直接響いてしまう。』
「その通りだ。そして私がお主の頭に直接話しかけられたのもそのためだろう。
魂が不安定な為、相手に同調し易い状態だと思われる。」
つまり、相手の影響を受けやすいという事なんだろう。
「だとしたら、俺の魂が安定するとグリムと話せなくなるのか。」
「グリムとはアイテムボックスの中に居る存在か。
それは大丈夫だろう。既に魂が強い繋がりを持っている。一緒に居た魔獣や、そこにいる彼も同様だ。
お主を経由してお互いに結び付きが強くなったのだろう。」
しかし、リッチは何故ここまで詳しいんだ。
「私がお主の魂の事が分かるのが不思議なのか。」
俺の考えが読まれている。
「考えを読んでいるのではない。お主は考えが顔に出やすいだけだ。
我々神官は、魂について研究を行っていた。生きるとは、死ぬとはどういう事か。
アンデットになってからは、魂を感じる事が出来るようになった。
それに、私は勇者様から魂について、色々と教えて頂いたからな。」
俺は魂の安定をしてもらう為、リッチの用意した魔法陣の中に立った。
「では、いくぞ。」
リッチが何やら呪文を唱え、魔法陣が輝くと周囲の魔力が俺に流れ込んでくるのが分かる。
周囲が淡い光に覆われ、体が浮かび、全身が心地良い魔力で満たされる。
時間にして数十分だろうか。
「拓ちゃん、大丈夫か。」
浩司が心配して聞いてくる。
「う~ん、本当に気持ち良くって、またやってもらいたい気分かな。」
凄くすがすがしく、体が軽くなった感じがする。
「問題なく、魂が安定したみたいだな。どうした。何か気になる事でも有るのか。」
俺が、周囲を見渡しているのを見て、リッチが問いかけてくる。
「この部屋に充満していた魔力が薄く感じるので、俺の感覚が鈍くなったのかと思って。」
「いや、実際に魔力は薄まっている。お主の魂を安定させるのに使ったからな。」
これ程の、魔力を必要とするのか。
簡単に出来る魔法では無いという事か。それよりも
「グリム、俺と話は出来るか。」
『儂の方は問題ない。どうじゃ、拓も浩司も儂の声が聞こえるか。』
「問題なく聞えているよ。浩司は」
「俺も方も、問題なく聞える。」
『吾輩も何とか聞えるにゃ。』
ヤマトは離れている為か、聞えずらいが会話が出来る。問題無くて良かった。
時間がかかるので、とりあえず全員ムハンマの神殿に来てもらった方が良いだろう。
「アブラムとムーサーが勇者様に返すと言って持って行った。
言われたよ、『勇者様を裏切った者に呪いが降りかかったんだ』とね。
アブラムは勇者様に教えを乞うために神殿に来た様なものだからな。」
「貴方は、その魂に干渉する魔道具で何をしようとしたんです。」
「分からない。あの時は、ただ魔道具を起動させる事で頭がいっぱいだった。」
何を成し遂げたいでは無く、行動をする事が目的になっていると言う事か。
正直ウルトラアイで見ても真っ黒なオーラしか見えず判断は出来ないが、嘘をついていないと思う。
もしかすると、罪の重みや、長い年月で本当の目的を忘れてしまったとか。
「ちなみに、アブラムとムーサーのその後はどうなったのですか。」
「それも分からない。
我々をアンデットにした魔法陣、あれは長い間結界として作用し外には出れなかった。
多分、不安定な状態だったのだろう。その間にアンデットの体へと安定していくを感じた。」
魂の研究に、アンデットへの体を改造する魔道具。物騒な感じしかしないな。
アブラムとムーサーについて詳しく聞いてみると
アブラムは魂の研究をしていた。
勇者様に常に付き従い、色々と教えを請い、独自の理論を構築していったらしい。
彼の研究は、他人に公開されたのは初めだけで、徐々に隠匿されていった。
ムーサーは神殿の治安部隊で活動していたが、いつしかアブラム個人の専属護衛となった。
2人の存在は神殿の中で浮き、隠匿していたのは、研究が進んでいないからだと陰口を言われていたが
結局、最後まで勇者様を信じていたのは2人だけだったらしい。
「この様な、愚か者の願いを叶えてもらえないだろうか。」
これだけの力を持つリッチが俺に頭を下げる。
「分かりました。どこまで出来るか自身が有りませんが、その依頼を受けます。」
「おいおい拓ちゃん、あれだけの人数を浄化させるなんて大丈夫なのか。」
浩司が心配そうに聞いてくるが
「出来る範囲で対応するだけで、無理はしないよ。ただ、この世をさまよい続ける苦悩を断ち切ってあげたいしね。」
「ありがとう。仲間を宜しく頼む。」
そう言って、リッチは再び頭を下げた。
「その礼という訳ではないが、お主の魂を安定させることが出来るがどうする。」
「「魂の安定?」」
リッチの話では、俺の魂は普通の人とは違い不安定な状態に有るらしい。
普通なら徐々に拡散してしまう所を、体内の魔力が押し留めている。
『そうじゃったのか、それで大量の魔力を使ったり、攻撃魔法を使うと反動が大きかったんじゃな。』
魂が不安定とどう繋がるのか分からずにいると
『大量の魔力を使うと、魂が拡散しようとしてしまうんじゃ。
そして拒否感が有る攻撃魔法は、精神的苦痛が体に直接響いてしまう。』
「その通りだ。そして私がお主の頭に直接話しかけられたのもそのためだろう。
魂が不安定な為、相手に同調し易い状態だと思われる。」
つまり、相手の影響を受けやすいという事なんだろう。
「だとしたら、俺の魂が安定するとグリムと話せなくなるのか。」
「グリムとはアイテムボックスの中に居る存在か。
それは大丈夫だろう。既に魂が強い繋がりを持っている。一緒に居た魔獣や、そこにいる彼も同様だ。
お主を経由してお互いに結び付きが強くなったのだろう。」
しかし、リッチは何故ここまで詳しいんだ。
「私がお主の魂の事が分かるのが不思議なのか。」
俺の考えが読まれている。
「考えを読んでいるのではない。お主は考えが顔に出やすいだけだ。
我々神官は、魂について研究を行っていた。生きるとは、死ぬとはどういう事か。
アンデットになってからは、魂を感じる事が出来るようになった。
それに、私は勇者様から魂について、色々と教えて頂いたからな。」
俺は魂の安定をしてもらう為、リッチの用意した魔法陣の中に立った。
「では、いくぞ。」
リッチが何やら呪文を唱え、魔法陣が輝くと周囲の魔力が俺に流れ込んでくるのが分かる。
周囲が淡い光に覆われ、体が浮かび、全身が心地良い魔力で満たされる。
時間にして数十分だろうか。
「拓ちゃん、大丈夫か。」
浩司が心配して聞いてくる。
「う~ん、本当に気持ち良くって、またやってもらいたい気分かな。」
凄くすがすがしく、体が軽くなった感じがする。
「問題なく、魂が安定したみたいだな。どうした。何か気になる事でも有るのか。」
俺が、周囲を見渡しているのを見て、リッチが問いかけてくる。
「この部屋に充満していた魔力が薄く感じるので、俺の感覚が鈍くなったのかと思って。」
「いや、実際に魔力は薄まっている。お主の魂を安定させるのに使ったからな。」
これ程の、魔力を必要とするのか。
簡単に出来る魔法では無いという事か。それよりも
「グリム、俺と話は出来るか。」
『儂の方は問題ない。どうじゃ、拓も浩司も儂の声が聞こえるか。』
「問題なく聞えているよ。浩司は」
「俺も方も、問題なく聞える。」
『吾輩も何とか聞えるにゃ。』
ヤマトは離れている為か、聞えずらいが会話が出来る。問題無くて良かった。
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