異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
246 / 761

246浄化

しおりを挟む
「お主はパラライトを使い魔力増幅を行っているのか。」

パラライトは山脈に有る遺跡で手に入れた鉱物で、魔力を増幅する性質を持っている。
俺が頷き、パラライトで出来た短剣を見せると

「素晴らしく良質のパラライトだな。魔力の強化にこれを使うと良い。」

リッチから渡されたのは、光の魔道結晶。
それも、細かい魔法陣が描かれている。

「描かれている魔法陣は光魔法の強化だ。
 パラライトと組み合わせれば、光魔法であれば更に強い増幅が可能となる。
 アンデットを浄化の手助けになるだろう。」

魔力増幅の短剣と光の魔道結晶を合わせて浄化の魔法を発動させると、強い力が放出された。

『おぉ、良い性能じゃな。パラライトだけの魔力強化と言えば、2割増しが限界じゃが・・・』

「これは、5割増しの効果は得られているね。凄い魔道結晶だな。」

これは助かる。

「使いこなせそうだな。しかし、ここで浄化の魔法は放たないでもらえないか。
 その魔法は、私にも効果が有るのでな。」

リッチに効果が有る事にすら気が回らないとは、どれだけ浮かれていたんだ。
直ぐに謝り、先ずは状況を報告する為に、上の洞窟に戻る事を伝えると
同じような魔法陣が描かれた闇の魔道結晶を渡された。

「もし、全員を神殿に連れてくる事にしても、その魔道結晶を使えば少しは楽になるだろう。」

リッチは、ここから俺達の動向を把握していたのか?
いや、魔力を把握できれば、簡単に推測が付くか。
扉の外で待っていたジークさんとニコラスさん、ヤマトにリッチとアンデットが2000年前の神殿に仕えた者だという事と、アンデットを浄化させて欲しいとの依頼を受けた事を伝えた。
勇者との話は黙っておいた。何もリッチの苦しみまで話す必要はないだろう。
ムハンマの神殿で待機するように伝えて、俺と浩司は上の洞窟に移動した。

上の洞窟に戻ると、皆さん、美味しそうに食事の最中
一緒に食べながら下の状況を伝えると、全員がムハンマの神殿まで来ると言ってくる。

『何か有った時の為に、数人は外で待機した方が良いじゃろう。』

グリムの言う事は全員考えていたようで報告の信憑性を考え、トムさん、ジェニファーさん、ロビンさんが地上で待機する事になった。
ジェニファーさんが露骨に不満そうな表情をしていたが、渋々従ってくれた。

ムハンマの神殿に戻り少し休んでから、ロックウォールで作った高台に登り魔法陣によるアンデットの浄化を始めた。
今までのアンデットは黒い霧が噴き出し細切れになりながら消え、体は砂となって崩れていたが、今回はアンデットの体自体が黒くなり、そのまま砂となって崩れて行った。

『アンデットと言っても幽体の魔獣に取りつかれた者と、自らアンデットとなった者の違いじゃな。
 これで、やっと安らかに眠る事が出来るじゃろう。』

魂が安定し、光の魔力を増幅する魔道具のお陰で負担が少なかったが、魔力を込め過ぎその場で力尽きてしまった。

『魔力を込め過ぎじゃ。しかし、今までの中で最も温かい魔法陣じゃったぞ。頑張ったな。』

浩司に心配されてしまったが、無事に浄化は終える事が出来た。
全てが終わり俺が回復するのを待って、リッチに報告する為に全員で広間に戻った。

預かった光と闇の魔道結晶を返そうとすると、

「それは、私の依頼を成し遂げてくれた礼として受け取って欲しい。」

そう言ってくれるので、有りがたく受け取る事にした。

「これで、仲間の魂は救われるだろう。
 最後にもう1つ願いが有る。
 虫の良い話だが、外に出たら神殿に通じる穴を崩し、この神殿と私の事は黙っていてくれないだろうか。」

「貴方はどうするんです。一緒に外の世界に来ませんか。」

「その申し出は嬉しいが、私はこの神殿に残る。」

「そんな、たった1人で生きて行くなんて地獄じゃないですか。」

「罪を背負った私はここで生きて行くのが丁度良い。
 それに、今の私が外の世界に出ては問題にしかならないだろう。」

こんな事、納得が出来ない。納得できないのに、何も言葉が出てこない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...