異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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3071番客

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一般公開当日、ロダン侯爵領の工芸品販売は夕方から始まるのだが、今朝早くから貴族の使いらしき人達が並んでいる。
更に、噂を聞きつけた人達も加わり、既に長蛇の列となっていた。

客になるのは諦めて、久しぶりに食堂で昼食を頂いていた。
パーティも終わり、殆どの貴族は帰り、ロダン侯爵、クロイツ伯爵達だけが残っている。
午後に、OZ、ニックさん、クロイツ伯爵がオープン前の売り場に招待された。
サリナ姫も来たがっていたが、残念ながら留守番だ。

「拓殿に1番のお客様になって頂ければと思っています。オープンまで時間が有りますので、ゆっくりと商品を選んでください。」

諦めていた俺は、思いっきり喜んだ。
ロダン侯爵に礼を言って皆で部屋に飾る置物の他に、サリナ姫の分も2点ほど選ばさせてもらった。
ニックさんはサリーの土産も選んでいた。
売り場の人達にも礼を言って、結構な量になってしまった置物を持って帰って来た。

「1番客に成れて良かったな。子供っぽいけど。」

浩司が言う通り確かに子供っぽいとは思う。しかし、とても嬉しい。
夜は一般公開でブルネリ公爵のオープニングセレモニーだ。
しっかりと見張る事にしよう。

いつもの通り、守衛所の上から来場者を見ている。
以前使われていた殺意を隠す魔道具を持っていたら手の打ちようは無いが、何もしないよりはましだろう。
それに気になる事がもう1つ
バラン将軍の部下が、お忍び姿のバラキエ侯爵が見た事のない男と言い合いをしている所を見かけていた。
兵士に気付いた男は人混みの中に消え、バラキエ侯爵は

「知らない男に言い掛かりを付けられていただけだ。相手にする必要は無い。」

と言って、その場から立ち去った。
しかし、兵士には顔見知り同士の言い合いに見えたそうだ。
その後、バラキエ侯爵の行動に目を向けているが、不自然な行動は無かった。
そして、今回のオープニングにバラキエ侯爵も参加すると言ってきた。

『にゃんで、毒を盛って寝込ませなかったのにゃ。そういう裏工作は拓の得意分野にゃ。』

このデブ猫は人の事を何だと思っているんだ。俺にそんな得意分野は無い。
それに、ブルネリ公爵に迷惑の掛からない毒の混入方法が考え付かなかった。
会場は既に満員でイルミネーションの点灯を待っている。
俺と浩司は何が有っても直ぐに対応出来る様に、舞台の後ろに設置した監視台に移動した。

舞台にライトが当たり、ブルネリ公爵とサリナ姫が現れ、凄い拍手が起こった。
直ぐ後ろには、バラン将軍とオリバー隊長が付いている。
バラキエ侯爵は、舞台の後ろの方に立ち、直ぐ横には警護の兵士が張りついている。
そしてバラン将軍の立ち位置は、サリナ姫、ブルネリ公爵とバラキエ侯爵の間になっている。

カウントダウンが始まりイルミネーションが点灯した。
そして、そのままブルネリ公爵とサリナ姫が舞台から降り、無事に終わった。
バラキエ侯爵は、2人が舞台から降りるのを見て、そのまま館に戻って行った。

「何も起きなかったな。流石に、ここまでしっかりと警備されていれば何も出来ないか。」

「そうだね。さて、俺達は守衛所の上に戻るか。」

俺達が皆の所に戻ると、サリナ姫とブルネリ公爵がバラン将軍とオリバー隊長と一緒にやって来た。
隅々まで探索魔法で探ってみたが、バラキエ侯爵の気配は無かった。

「余計な心配をさせて申し訳なかった。」

ブルネリ公爵がそう言いうと、サリナ姫が

「本当にありがとうございました。」

と礼を言われるので

「何事も無くて何よりでした。微力ながら協力をさせて頂きます。」

と代表してガラが答えた。
今回は何も無かったが、始ったばかりだ。
最大の問題は、1週間後に行われるパレードだろう。
バラキエ侯爵は何を考えている。魔法に優れているだけでなく非常に頭が切れると聞いている。
考え過ぎなのだろうか。
この場所は闇の結界を張り、外部からは認識できない様にしてある。

皆で上からイルミネーションを眺めていると、下から良い匂いが漂ってきた。

「もしかして、これがカレーの匂いなの?」

サリナ姫が期待を込めて待っていると、レオとルドルフ料理長が鍋を持ってやって来た。
早速、皆でカレーライスを頂くと、好評の様だ
ただ、バラン将軍とオリバー隊長は警護中で、皆が食べているのを黙って見ているしか出来ない。
2人の視線がチラチラとカレーに向けられるで見せびらかせる様に食べていると

「拓殿、それはあまりにも酷くないか。」

と、バラン将軍からの一言。

「確かに、意地が悪いですね。お詫びに2人には責任を持って運びますよ。」

そう言うと、2人揃って大盛り2杯分の量を要求してきた。
一体、どれだけ食べたがっているのだろう。
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