異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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「少し話をさせて頂いても良いでしょうか。」

俺が口を挟む場では無いかも知れないが、俺が考えた事がきっかけの話だ。
ロダン侯爵が頷いてくれたので話しをさせてもらう。

「私は特に目的も無く漠然と技術者になりたいと考えていました。
 そんな私に、皆が笑顔になれる物を作ってみたらどうかと言ってくれた人が居ました。
 それで考えたのが、今回のライトアップです。
 奇麗な景色は人を笑顔にしてくれます。」

俺の言葉に、ロダン侯爵は暫く考えると、

「これだけの魔道具を娯楽の為だけに作るとは、失礼ながら どうかしているとしか思えません。
 拓殿、これだけの魔道具が有れば、どれだけの人が助けられるか分かりますか。
 助かった人達が笑える様になると思いませんか。」

そう言って、厳しい目で俺を見てくる。

「そうですね。しかし、それは一時的な物かと思います。
 私の考えは娯楽まででしたが、エチゴさんが付加価値を考えてくれました。
 この付加価値は、少し経済を回し新しい仕事を作り出します。
 その経済を成長させられる事が出来れば、笑える人も増えます。但し逆も有り得ますが。
 それに何よりも、私がその景色を見てみたいんです。」

俺の最後の言葉にロダン侯爵は一瞬間が開くと

「笑える人を増やせるか、無くすかは経営者次第という事ですか。
 ・・・先ずは、その景色を見せてもらってからで良いでしょうか。」

そう言って、ロダン侯爵は俺を見て笑った。
こうなったら是非とも成功させるしかない。


次の日は、ロダン侯爵達に案内されトレントの住み着いた土地の調査に向かった。
植林したばかりの小さな苗木の中に、大木が3本。
木にしか見えないが、これがトレントだ。

『立派なトレントじゃ。
 しかし、拓が込めた木の魔力が少なくなっておる。
 やはり、拓の魔力に惹かれてやってきたのじゃろう。』

悪い予想は当たる物で、このままではトレントが何処かに移動してしまう。
さっそく、準備してきた木の魔道結晶で作った魔道具を取り出して効果を試す事にする。

「浩司、これに火の魔力を注いでもらえるかな。」

浩司に魔道具を渡し火の魔力を流すと、魔道具を通して木の魔力に変換される。
3体のトレントは木の魔力を感じると枝を動かして喜んでいるようだ。
ここに居るメンバー全員に試してもらったが、全員の変換された木の魔力はトレントにとっても問題なかった。

「拓殿、この魔道具はいったいどういう事ですか。」

ロダン侯爵が魔道具を見て驚いていた。

「木の魔力に変換する魔道具です。
 トレントにとっても変換した魔力は喜ぶみたいなので、問題は解決出来そうですね。
 領地の方々に、ここで魔力を注いでもらうよう取り計らって貰えますか。」

「そういう訳ではなく、木の魔道結晶を使った魔道具なんて。」

ロダン侯爵の言葉を遮って申し訳ないのだが

「魔力の変換効率を上げるには、これが一番良い方法だったので。
 トレントを留ませられるならロダン侯爵にお願いしたい事が有ります。
 この苔を見てもらえますか。」

皆に1鉢づつ持って来てもらった光苔を見せ、解毒剤としての有効性を説明した。
木の魔道結晶を使った魔道具を渡す代わりに、光苔を栽培して欲しい事をロダン侯爵に伝えると、この魔道具を受け取るだけの価値が有る事を理解し同意してくれた。
後ほど、エチゴさんが光苔で作った薬の販売権について契約書を交してくれる。
3体のトレントの中央に3鉢分の光苔を植え替え「宜しくお願いします」とトレントにお願いしてみると、枝がザワザワと動いたので、きっと了解してくたと都合の良い解釈をさせてもらった。

そして、拡張バッグから大量の大理石を取り出すと練成術で東屋を作り、その中央に台座を作り取れない様に魔道具を嵌め込んだ。
領民がここにきて、魔道具に魔力を流してくれれば問題ないだろう。
ついでに、光苔を踏まれない様に東屋の前に柵を作り近寄れない様にした。


後は、ライトアップの準備をするだけだ。
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