異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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ポーションを使い全員が傷を治したが、もうボロボロだった。
直ぐに動く事は出来ず座っていると、サリナ姫が厳しい顔で拓の前に立つ。

「拓ちゃん。バラキエ侯爵とリッチについて説明してくれない。」
「そうですね。先ずはリッチですが、勇者の居た時代に在ったムハンマの神殿の神官長です。
 呪いによってリッチとなり、こうして現代に居ます。」
「ムハンマの神殿って、あの神殿の事?」

サリナ姫だけでなく、OZ以外の全員が驚いている。

「あの神殿というのがどの神殿を指しているのか分かりませんが、勇者と共に活動されていた神官です。」

すると、サリナ姫達が膝をついて頭を下げる。
OZのメンバーは何故こうなるのかが分からずにいると、ポトリ教授が説明してくれた。

「ムハンマの神殿の神官長となると、王族よりも上の立場の方となります。
 全ての医師を従え、今でも医師達が崇拝する方です。
 まさか、この様に拝見出来るとは思いもしませんでした。」

この対応にはリッチも驚いているみたいで、直ぐに顔を上げさせる。

「確かにムハンマの神殿は医師達が集い、技術、情報が集まる場所であった。
 私は神官長という立場で取り仕切っていたが、その前に只の医者だ。
 普通に接してくれると助かる。」

全員の気持ちが治まった所で、拓が話を続ける。

「そしてバラキエ侯爵ですが、彼はサリナ姫を守るためにあえて獣人を虐げる組織に入っていました。」
「私を守る為ってどういう事。」

サリナ姫が疑いながら拓とバラキエ侯爵を見る。そこからはバラキエ侯爵が自ら話をし始めた。

サリナ姫の母親が亡くなった時、本当に信頼できる家臣はブルネリ公爵、バラン将軍、そしてバラキエ侯爵しか居なかった。
他の者達はサリナ姫を使い、どうのし上がろうかと考える者達ばかりだった。
それだけでなく、今まで獣人擁護の立場を取っていたため、下手をすると命を狙われる可能性もあった。
ブルネリ公爵といえども正面から守り切る事は難しく、そこでバラキエ侯爵が陰から守るため獣人排他としての立場となり防波堤となることにした。

「何よそれ。何でそんな事をするのよ。」
「サリナ様を守る事が、サリナ様の母上との約束だからです。」

サリナ姫が信じられない様な物を見る様に、バラキエ侯爵や拓に顔を向ける。

「この話はブルネリ公爵にも確認しましたが、2人の間だけの取り決めと言っていました。
 それを聞いて、バラキエ侯爵が行ってきた行動が自分の中でやっとしっくりしました。
 後、バラン将軍には真実を話せなかった事を謝っていましたよ。」

バラン将軍は「自分は腹芸が苦手なので仕方ないだろう。」と言って頷いていた。

「バラキエ侯爵。今までありがとうございました。
 ですが、もう必要ありません。私には一緒に行動してくれる多くの仲間が出来ました。」
「分かっています。今までの事、仕方ないとはいえ本当に申し訳ありませんでした。」

バラキエ侯爵はサリナ姫に深々と頭を下げていた。

「拓ちゃんは、何か聞きたい事でもありそうね。」
「・・・私はこれでも相手の嘘とか感情を読み取るのが得意な方だったのですが、バラキエ侯爵に対しては感情が全く見えなくて。
 何となく気になっていたんです。」

実際にはウルトラアイでオーラを見ているのだが、バラキエ侯爵に対しては本当に感情が分からなかった。

「それは気持ちを心の奥底に沈めているからだ。」
「それは、何かの魔法ですか?」
「いや、気持ちの持って行き方だ。
 深く呼吸をして気持ちを自分の内側の深くに沈めると他人から感情を読み取られることは無くなる。」

バラキエ侯爵に教えてもらいながらやってみるが

「拓ちゃんって、俺の感情を読めるなら読んでみろって感じが思いっきり出ているわね。」

サリナ姫に言われ、全員に笑われてしまう。
正直、出来るとは思っていなかったが、サリナ姫にすら見抜かれてしまうとは・・・少し訓練した方が良さそうだ。
休んでいると、後ろの方から誰かがやって来た。

「アーク、クリーム。皆無事だったか。」
「生きてはいるが、無事とは言い難いがな。」

そう言うロウガは視力を失い、ダニエルは利き腕が無くなっていた。
俺がロウガの治療を行なおうとすると

「まて、この先何が有るか分からない。魔力は温存しておけ。
 このままでも死ぬことはない。今の状態では視力が戻っても戦力にはなれそうにもない。
 だったら、全てが終わってからでいい。」

ロウガ自身に止められた。
一応、アークとクリームにもリッチとバラキエ侯爵について説明をした所で、ここで一晩休む事にした。
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