DEAD END 〜『神』と名乗るおっさん系女子は、定期的にお賽銭を要求してくる〜

じゃがマヨ

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悪霊退治

第8話

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 「ヒロ兄!朝だぞ!」

 「んー…」


 ガラッ!と、襖が開く。

 閉め切ったカーテンの隙間から、朝の日差しが差し込んでいた。


 「大貴と瑠奈の朝ごはんは作ってるから、あと戸締りよろしく!」


 …やべ

 今日俺の当番だったっけ…

 バタンっと扉が閉じる音が聞こえて、バタバタと理佐が走っていく。

 相変わらず元気だな。

 高校から女子サッカー部に入ってる関係で、朝練があるっぽい。

 まだ7時にもなってないってのに、ジャージに着替えて自転車を走らせてる。

 俺だったら無理だ。

 そもそも、スポーツは苦手だし。


 「にいちゃん起きるの遅い」

 「うっせ」

 「理佐姉にちゃんとお礼言った?」

 「もう出てった」

 「ちゃんと言わなきゃだめだよ?」

 「わかってるわかってる」
 

 瑠奈と大貴。

 俺の妹と、弟。

 俺ん家は4人兄弟だった。

 妹と弟の他に兄貴がいて、兄貴は今県外で一人暮らしをしてる。


 …ってか、目玉焼き??

 理佐のやつ、いつの間に覚えたんだ?

 元々料理が苦手だったから、冷凍物ばっかりを朝に食べてたんだ。

 当番が寝坊したりする時は。


 「おい大貴、テレビ見ながらメシ食うな」


 大貴は今小6だ。

 来年、ようやく中学に上がる。

 相変わらず好き嫌いが激しいっていうか、わがままばっかり言うやつで、少し扱いに困ってる。

 性格は父さん似で、少しおとなしめな感じ。

 根は真面目なんだが、ほっとくとろくでもないやつになりそうで怖いんだ。

 ネジが一本抜けてるっていうか?

 ゲームばっかして勉強もろくにしないから、成績も下から数えた方が早いんだ。

 母さんは基本放任主義だから、誰かが厳しくしとかないと。

 反面教師じゃないけど、俺が困ったっていうのもあるからさ?

 高校受験の時に、もっと勉強しとけば良かったって。

 
 (ふわぁ…)


 …ようやく起きたのかよ

 俺より早く寝て、俺より遅くに起きるとか良い身分だな。

 ここら一帯の土地を管轄している「神」にしては、随分と情けない体たらくだ。

 普段からろくに仕事もしていないから、体が鈍りまくってるんじゃないか?

 理佐が作った目玉焼きと、焼きたてのトーストを頬張りながら、朝の支度をした。

 俺は理佐と違って、朝から部活があるわけじゃない。

 書道部なんてほとんど趣味みたいもんだった。

 部員数だってそんなに多くない。

 少なくはないが、他の部に比べたら規模が小さい。

 サボっても怒られることはなかった。

 顧問は顧問で、剣道部との兼任っていう状況だから。

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