BLUE TONIC 【１巻】

ブルーアーカイブス

第１７話

　部屋には“何も”なかった。

　何もって言うと語弊があるかもしれないけど、ほんとに、なにも。

　モニターも冷蔵庫もない。

　引っ越してきたばかりの時みたいな殺風景さ。

　ほんとにここに住んでるのかな？って思えた。

　まあ、ベットはあるみたいだから、住んでるのは住んでるのだろうけど


　…というか、何で？


　状況が飲み込めなくて困ってた。


　誰かの家に入ることは別に珍しいことじゃない。


　友達の家にはよく行くし、何なら、知り合ったばかりのバイトの先輩の家にもこの前行った。


　めちゃくちゃ汚いアパートだった。



　だけど、いくら何でも初対面の人の家に行くことはない。


　しかも相手は女子高生だよ？


　女子高生に刀、そして、…怪物


　部屋の中をぐるぐる回ってても埒があかなかった。


　…


　…もしかして今、拉致られてる？


　いやいや、拉致るにしても目的は？

　第一に彼女は何者なんだ？

　人間とは思えない身体能力に、意味不明な言葉。。


　…だめだ


　ツッコミどころがありすぎて頭が回らない…


　…一体何から考えればいいんだ…