27 / 48
この変態
第26話
しおりを挟む◇◇◇
ザザァ、ザザザ…
「これからどうする?」
「さて…」
どうしようかと言われても、あの体の様子を見る限り、手の施しようがない。
もしかしたら、死んじゃうんじゃないか?
そんな不安が、頭の中を掠めてた。
…このまま、目を覚まさない可能性も…
「弱気になんなよ」
「なるでしょ。フツー」
ならない方がおかしい。
逆の立場だったらどう思う?
わかるでしょ?
今の状況。
「…ごめん」
「…あ、いや、…こっちこそ、ごめん」
昔はよく海に来てたよね。
懐かしい。
市内の学校に通うようになってからは、あんま来てなかった。
海自体は近いんだけど、昔よりは…ね?
「色々試してみてもいいんじゃね?」
「試すって?」
「…いや、ほら、降霊術とかもあるじゃん。昨日試さなかったやつ」
降霊術って言っても、何を“降霊”するの?って話。
亡者の霊を呼び寄せるって書いてあったよ?
私は「亡者」なわけ?
「そういうわけじゃないが…」
「試してみるのはありかもしれない」
「だろ?」
期待はできないけどね。
下手なことして別の霊を体に呼び寄せちゃったら、今より最悪な状況になっちゃう
だからやるなら、慎重にやんないと…
「友達に会いにいくか?」
「…だからそれは」
あんたの体で会いに行って、一体誰が信じてくれるって言うの?
母さんだって信じてくれないんだよ?
下手なことして怖がらせたくない。
「でも紗良ちゃん?だっけ。信じてくれてたじゃん」
「紗良ちゃん」っていうのは、私の親友。
高校ではクラスメイトだ。
先週かな。
思い切って電話をかけてみたのが。
「あの子は特別…」
「そうか?」
「幽霊とか信じちゃうタチだから」
「お前は信じてないの?」
「まあね」
紗良に電話したら、最初はもちろん信じてはくれなかった。
誰!?って感じでめちゃめちゃ驚いてて、やっぱりね、って思っちゃうような反応だった。
でも翌日、病院に来てくれたんだ。
どうやら「私」のお見舞いに何度か来てくれてたみたいで、今までずっと心配してくれてた。
電話した次の日の朝、わざわざ祐輔のいる病室の番号を調べて、顔を見せに来てくれた。
それから色んな話をした。
祐輔の体に入ってること、事故のこと、祐輔の霊が見えていること。
多分、信じてくれたのは祐輔のおかげもある。
ちょっとしたゲームをしたんだ。
私は目隠しをして、紗良には好きな文字を紙に書いてもらう。
それを祐輔に読み上げてもらう。
ってな感じで。
他にも協力してもらった。
祐輔と私にしかできないようなことを。
紗良は目をまん丸にして驚いてた。
信じてなかったのが嘘みたいに。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる