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バトルフェスティバル 地区予選編②
第91話
しおりを挟む電流は電圧の高いところから低いところへ流れる。
流れる電流は電流経路間にある抵抗値が低いほど大きくなる。
つまり、電流は抵抗の低い方へ流れようとする。
仮に地面に電気を流そうとするならば、地面の物質としての電気抵抗を考えなければならない。
地面の抵抗はいったいどれくらいなのか?
抵抗値を算出する式はR=ρ・ℓ/S(ρ:低効率/ℓ:長さ/S:面積)。
地面はS(面積)=∞と近似できるため、抵抗値は限りなく0に近づく。
地面の抵抗がほぼ0ということは、電流は地面に流れやすいということになる。
先輩にとって「地面」とは、電子を自由に動かせる「場」でもあった。
もちろん、地中の性質によってはこの限りではないが、フィールドの地面を電流回路の一部とした先輩は、即座に相手の「居場所」を突き止めようとした。
生物や物体から発せられる微弱の“電磁波”。
先輩は視界だけでなく、可視光線の波長を大きく超える電磁波を視認できる。
相手天使の生態情報を、地面を通じて接続&受信しようとしていた。
魔法流域をどれだけ拡大しようとも、生体としての「核」はある一点に存在しているためだった。
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