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バトルフェスティバル 地区予選編③

第127話

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 「見誤るなよ、カーティス」


 超電導に魔力を増幅させる機能はない。

 そのことはお互いに知っている。

 しかし「超電導」という特性の【応用できる領域】を誰よりも理解しているのはリンの方だ。

 そしてその「幅」は、その特性を活かし切れる彼女にしかわからない部分があった。


 カーティスは足元の大地を変形させる。

 今は離脱するより他に無い。

 そう判断したためだ。

 魔力を前方へと展開した。


 「その一手はまずい」


 リオンがそう発した最中、地面の変形が止まる。

 ”止まったように見えた“と言った方がいいかもしれない。

 その異変に即座に気づいたカーティスは、地面へと視線を移した。


 (…これは、彼女の…!)


 地面は電気を通す。

 カーティスとリンの対峙する距離は10mにも満たなかった。

 この距離に於いてリンは自らの特性を活かし切れる。

 魔力流域を外部へと展開するのは、この場面に於いてリンの持ち場に足を踏み入れるのと同義だった。

 咄嗟にフィールドの環境を活かそうと思考を働かせたカーティスの選択。

 その一つの選択の〈誤り〉は、戦局を大きく一変させる。

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