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まだ、未成年なんですが?

第147話

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 まさか明治生まれの人もいるとは驚きだった。

 明治っていうと、…えーっと、100年前??


 「そうそう。1890年生まれとか」

 「ひょえええ」

 「ごくわずかだけどね?大体は退任してたりするから」

 「退任できない人とかっているんですか?」

 「…退任できないっていうか、部署によるんだと思う」

 「部署??」

 「私らみたいな地上部隊は、人の生活を守るために働いてるけど、天界を管轄にしてる天使はちょっと違うんだよね」

 「待遇…とかですか?」

 「いや、そうじゃなくて、単純に「仕事」が。ナッチーからどこまで聞いてるの?」


 夏木先輩から?

 「天界」のことは聞いたことがある。

 フェスでも行ったし、どんな“世界”なのかは何となくわかってる。

 真琴先輩に案内された時は、綺麗な花畑が広がってると思ってた。

 天界って言うと、「神様がいる場所だ」って何となく思ったし。


 天界は、別名『星の塔』と呼ばれている。

 この地上のもう1つの世界。

 天使によっては、そう揶揄されることもある。

 教科書や資料では、この世界に分かれている3つの階層のうちの一つだそうだけど(魔界の話と同じ)、実際にこの目で見た感じは、“天上の世界”っていうイメージとはかけ離れてた。

 そこには独立した「空」があって、「大地」があって、「海」があった。

 地上と変わらなかったんだ。

 見た目だけで言えば。

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