COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

じゃがマヨ

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まだ、未成年なんですが?

第156話

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 「…何…あれ…」

 「断層が開いてる。連絡にあった通りだな」

 「断層??」

 「言ってなかったっけ?あれは星の内部に流れる「川」だよ。私たちは“あれ”を、『ブラック・ストリーム(特異点)』と呼んでる」


 ブラック・ストリーム。

 初めて聞く単語だった。

 世界には、事象の「壁」というものがある。

 地上と天界は陸続きで続いているわけではなく、『生命の川』と呼ばれる原子力の海、【エーテル】によって分断され、内部と外部に隔たれている。

 エーテルは世界を構成するエネルギー源であり、魔力の元になる成分でもある。

 地上と天界の境目にはあらゆる物質が構成される前の【事象の境界面】が存在し、その場所では、あらゆる存在は「実体」を持たない。

 そこには時間もなければ、決まった形も存在しない。

 つまりその領域上においてあらゆる『存在』は物質と非物質の境界を自由に行き来できるとされ、生と死の臨界点を越え、物質が生まれる前の融和状態に帰属されると考えられている。

 人は死ぬと、このブラック・ストリームを通り、天界へと行くことができる。

 天界には「時間」が存在しない。

 平たくいえば、時間という概念に於ける「制約」が存在しない。

 天使に寿命がないと言われるのは、これが理由だ。

 天界には、【原初の火】と呼ばれる神の心臓が祀られており、それが【柱】になっているそうだった。

 天界が『星の塔』と呼ばれるのは、この神の心臓が機能していることが由来だそうだ。

 神の心臓は別名『アトム』と呼ばれ、「最初の魔法」と呼ばれる【生命の記憶】を失わせないための根を、星の内部にまで張り巡らせている。

 この「根」は魔界に通じ、この星の中に漂うすべての生命と原子力を循環させるための働きを担い、世界のカタチを構築させている。

 先輩たちが言っている「断層」っていうのは、つまり人間の体に傷が入っている状態と同じで、体を構成する成分が漏れ出している状況でもあった。

 黒い瘴気はエーテルから揮発している「元素力」の一部だ。

 これは、人間で言う「血液」に該当するものだった。

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