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霊術院出のエリート
第164話
しおりを挟む名古屋城天守閣。
その屋根のてっぺんに、鎮座している天使が1人いた。
『東堂キョウカ』
霊術院出のエリートで、「名古屋ジェッツ」のチームリーダー。
彼女は周りからはこう呼ばれている。
“冷徹無比な一匹狼”
名古屋ジェッツのチームランクを「C」にまで引き上げたのは彼女の力によるところが大きいが、担当部署である「偵察部隊」からは、あまり良くない印象を持たれていた。
理由はハッキリしている。
彼女は、その素行の悪さから地上に異動となった元魔法省所属の書記官であり、地上育ちの天使を毛嫌いしている、『天界生まれの天使』だったからだ。
「ふん。メンドーな奴らが来たな…」
ブラック・ストリームが剥き出しになっている断層の真上に座り、すでに原因の解析をはじめていた。
サユリたちが到着する30分前には痕跡現場に到着していた。
通信部隊からの連絡後、『環境調査局本部』の人員配置によりただちに周辺を隔離、名古屋城内の立ち入りを禁じた後、担当者らは各管轄に分かれて調査を行っていた。
偵察部隊である彼女は、悪魔が徘徊していないかを高いところから眺めていた。
原因の解析はその“ついで”だった。
どのみち、環境省がこの後本格的な調査に入る。
しかし彼女のチームには科学部門のスペシャリストがいる。
魔法省職員の1人、エドワード・リッシェル。
彼は魔法省に勤めながら、名古屋ジェッツの準メンバーとして籍を置いていた。
キョウカとは、旧知の仲だった。
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