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霊術院出のエリート
第178話
しおりを挟むクリーチャーの皮膚は硬く、何層もの断層に覆われている。
性質は多種多様で、鱗のような硬質な小片状の組織が体表を覆っているものもいれば、甲皮のようにぶ厚い鎧を外表面に覆っているものもいる。
毛皮や羽毛、軟体と、その見た目は様々であり、中には、“液体状”で存在しているものも。
クリーチャーのほとんどが「理性」を持っていないように、肉体を覆っている細胞のほとんどは、生存本能にのみ従った“特異な”形状しているものが多い。
進化過程の取捨選択の中で、魔物と呼ばれる多くのものたちは、「生き残る」という強い思念によって肉体を構築する。
火に油を注げば、火は勢いよく燃え上がる。
炎は「形」に囚われることなく揺蕩い、躍動する。
魔族の肉体とは、そういったエネルギーの変化の中に成長し、伸縮し、膨張した“姿”であると言える。
そこに「形式」のような枠組みはなく、ルールもない。
あるがまま。
生への渇望。
その姿はまさに、「異形」であると言えるだろう。
生物としての強い思念が変形し、自由自在に姿を変えたもの。
だからこそ、天使たちは魔族を排除する。
それがいかに「危険」な存在であるかを、天界の“教え”を通じて知っているからだ。
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