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霊術院出のエリート
第191話
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クリーチャーの殲滅を視認した後、チサトは風域を解除し、地上へと降り立った。
緑色のカラーブロックパーカーと、胸元の開いたハーフジップ。
軽やかさを感じさせるメッシュのスニーカーが、ワントーンのスウェットパンツの下に弾んでいた。
「お!やっちんじゃん!」
“やっちん”
地上にいた夜月たちの存在に気づいた彼女は、ぶんぶん手を振りながら「やっほー!」と弾んだ声を出す。
チサトは社交的な性格で、他の部署のチームの子とも仲がいい。
“問題児“が多いともっぱら噂の名古屋ジェッツに於いて、唯一の良心とも言えるべき存在だった。
キョウカはそれについて、あまり良くは思っていないようだが。
「ちぃちゃんも来てたんだ。見かけないなーと思ったんだ」
「離れたところにいたからね?ま、案の定って感じ」
エドワードが解析を始める頃には、断層から敵が出てくるということはすでに織り込み済みだった。
元よりキョウカたちは、今回の「断層」について、“自然発生的な現象”ではなく、何者かの仕業によって“人為的“に開かれたものではないかと疑っていた。
仮にそうではないとしても、敵の攻撃に備えない理由がない。
速戦即決がモットーのキョウカにとっては、第一に優先すべきは「環境の整備」だった。
他力本願を好まない性格も相まって、クリーチャーとの戦闘に於ける準備を整えていた。
キョウカたちにとっては、ある意味“想定通り”の運びだった。
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