プリンセスは殺し屋

平木明日香

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世界最強になるために

第51話

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 竹刀と竹刀がぶつかる。

 鍔と鍔が擦れ合い、焦げ臭い匂いが立ち込める。

 ぶつかると同時に、体全身が浮き上がった。

 下半身に力が入らなかった。

 まるで“岩“だ。

 自分よりも遥かに巨大な物体。

 それが、前方から迫ってきたように体を押してくる。

 “力が強い”ってだけじゃ説明がつかない…


 くそ…ッ

 なんだこれ…


 なんで…こんなに…!


 ゴッ


 持ちこたえられずに後ろへと吹っ飛ばされた。

 力を受け流すつもりでいた。

 相手の力を利用し、位置をコントロールする。

 しかしそれができなかった。

 接触したと同時に、体が“浮いた”。

 制御できないほどの「力」が目の前にあった。

 まるで至近距離から爆発物を投げつけられたみたいだった。

 衝撃を和らげられるほどの面積も、“接点”も無いまま。


 「さっさと立て。言っておくが、これが「戦場」だったら、お前はもう死んでるぞ?」


 …ぐっ

 ヤンキーのくせに何言ってんだ…?

 「戦場」…?

 そんなことは言われなくてもわかってるよ

 生憎だが、これは喧嘩じゃねー

 れっきとした「ルール」の中で行われる試合だ。

 わかるだろ?

 今立つから待ってろ

 勝負はこっからだ

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