GROUND ZERO 〜特級スキル『パーフェクト・コピー』を持つ訓練生は、氷雪系最強の血筋、フローレン家の名を受け継ぐ暗殺家一家の御曹司〜

じゃがマヨ

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史上最年少の訓練生

第6話

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 「今日も訓練?」

 「そうだよ」

 「…はぁ。懲りないね、あんたたちも」


 やれやれとため息をつくナツキ。

 その傍ら、パタンッと本を閉じたルシアは、テーブルに置いてあったコーヒーをグイッと飲み干した。


 「さて、行くか」

 「よく飲めんな、そんなもん」

 「お前が子供なだけだろ?」

 「は!?テメー」

 「いい加減にしなよ」


 あーだこーだと言い合いながら、3人は寮を出た。

 訓練場があるのは、鳳凰院の敷地の南にある「グリーンスタジアム」という場所で、その中でも“II”と分類されている場所である。

 鳳凰院の敷地の広さは延べ45km²もあり、イスティア大学院の“第4区”としての位置付けがなされているエリアの一つだ。

 イスティア大学院全土の敷地面積は122km²にも上り、敷地の中にある学校施設の数はゆうに千を超える。

 寮の前に伸びるウィンストン通りのバス停で、スタジアム行きのバスを待っていた。

 時刻は昼過ぎだ。

 街路樹の立ち並ぶ美しい通りを横目にしながら、これから始まる訓練のイメージトレーニングを、クラウスを筆頭に話し合っていた。



 プシューッ



 バスのドアが開き、グリーンスタジアムの正面の入り口に到着した。

 駐車場には手入れの行き届いた“カスティア”と呼ばれる落葉樹が整然と立ち並び、スポーツを行うための芝生のコート、公園の前に隣接された吊り橋のある池が、バス乗り場を降りてすぐ目に入る。

 スタジアムの外観は独創的だ。

 背の高い石造りの壁に覆われたすり鉢状の形状に、入り口の正面に伸びる大階段。

 壁の上には開閉式の屋根が設けられ、石造りでできた見た目とは一線を画すほどに現代的な構造が、丸み帯びた輪郭の中に飛び込んでくる。

 まるで、神殿のような歴史的建造物がそこにあるかのようでもあった。

 昔からその地にある銀行のような厳かな外観。

 そういった「荘厳」な存在感を持ちながら、現代の技術が散りばめられた建造物としての奥行きが、外観の随所に散りばめられていた。
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